ポリスアラーム(Polizai-Alarm!)
追い詰められる泥棒の焦り
警察はできるだけ早く泥棒を見つけ、泥棒は捕まる前にできるだけたくさん金庫を破るスピード勝負のエキサイティングなゲーム。今年のドイツ年間キッズゲーム大賞推薦リスト。サイレンを鳴らす電子部品が入っているせいか、一般流通が遅れ、最近ようやく手に入るようになった。待ちきれずエッセン国際ゲーム祭でプレイ。
何人で遊んでもゲームは1人対1人。残りの人はニヤニヤして見ているだけ。まず泥棒が街にチップを並べる。ほとんどはハズレだが、中に泥棒チップが入っている。用意ができたらスタート。
警察のプレイヤーは、パトカーを動かして泥棒チップを探す。ボードをはさんで磁石の上にパトカーがあり、ボードを動かしてパトカーを進める寸法だ。チップのあるところに着いたらサイレンを鳴らしてチップをめくる。ハズレだったら次のチップへまた移動。
泥棒のプレイヤーは、ダイスを振って金庫を破る。金庫カードに指定された3つの数字を出せたらカードをゲットして次の金庫へ。警察がサイレンを鳴らしたら一時中断する。
警察の追跡状況を見て、次の金庫に行く前にやめれば、それまで破った金庫の財宝が手に入る。欲張っていつまでも金庫破りをしていると、警察が泥棒チップをめくったときに、それまで獲得した金庫カードも全て没収されてしまう。ダイスを振りながら、どこに泥棒チップを隠したか、そしてパトカーがどこまで追跡してきたかをよく見ておかなければならない。これがなかなか忙しい。
大人気ない追跡で神尾さんの泥棒を捕まえ1位。ちょっと慌てるとパトカーが道を越えて乗り上げてしまうのは、壁を高くするなどして防止できなかったものか。泥棒でも警察でもない人は、慌ててているプレイヤーを観察するのもいいが、2人でも十分遊べる。
Polizei-Alarm!
K.ハファーカンプ/ハバ社(2009年)
2〜4人用/6歳以上/25分
『ドイツ病に学べ』
戦後、日本が求め続けてきたお金と、ドイツが求め続けてきた余暇。どちらが豊かな生活かといえば、ドイツに軍配が上がるに違いない。仕事が終わってから平日の夕方にボードゲームが遊ぶなどというのは、日本ではまず考えられないことだ。
企業に最低限20日の有給休暇を義務付ける「連邦休暇法」(しかも大半の会社では30日、土日を合わせて6週間を完全に消化するのが当たり前だという。この結果年間労働時間は1600時間、日本の8割である。)、葬儀費用や分娩費用、さらに「クーア」(病気や怪我の後に医師の診断書があれば最高6週間、山や湖のホテルで転地療養ができる)までカバーする公的健康保険、美術館と見まがうような豪華な老人ホームに入れる介護保険、1日10時間以上の労働や日曜出勤が明るみになると経営者が刑事訴追される労働法、6ヶ月の試用期間が終わると組合の許可なしには解雇できない「従業員を解雇から守る法律」、取締役に労働者代表を入れなければいけない共同決定方式、平日は午後6時半、土曜日は午後2時に店を閉めなければならなかった「閉店法」、定価の3%を超える値下げや、顧客層によって価格を変えることを禁じる「値下げ禁止法」、バーゲンセールができない「不正競争防止法」などで国民や産業は手厚く保護されてきた。
しかしその弊害が今出始めている。