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キャット&チョコレート(Cat & Chocolate)

ネコとチョコレートでどうしろと?
お化け屋敷に迷い込んだ人たちが、まったく役に立たなそうなアイテムを頓知で組み合わせ、難局を乗り切るコミュニケーションゲーム。作者の川口亮氏はグループSNEで活躍する秋口ぎぐる氏の本名。『ボードゲーム・ジャンクション』ではリプレイ記事を執筆している。
手札のアイテムはたった3枚。手番にはアクシデントカードを引き、同時に使うアイテム数が1〜3個指定される。手札からアイテムを出して、アクシデントに対処するが、ただ出すだけではいけない。そのアイテムをどうやって使うか、みんなに説明する。
みんなは説明を聞いて、納得したらOK、できなければNGのカードを出す。多数決で納得してもらえれば得点。
ボイラー室で火災にあったふうかさんがジーンズを出す。「これでばたばたはたいて火を消します」「ボイラーはジーンズぐらいじゃ消えないよね」NG。
庭で生垣の迷路に迷い込んだかゆかゆさんは運動靴。「これで一気に駆け抜けます!」「いやいやいや、解決になってないし」NG。
書斎で昔の恋人から電話がかかってきたkarokuさんは毛皮のコートと香水。「これをプレゼントしてなだめます」「電話じゃ意味ないでしょ」NG。
判定はそのアクシデントに役に立ったかどうかが問われるが、失敗を覚悟での苦しい説明ほど聞いていて楽しい。
全員が勝敗にこだわるとひたすらNGを出し続ける恐れがあるので(ペア戦のルールも機能していない)、勝敗にこだわらないでゆるく遊ぶのがよさそう。勝敗にこだわりたいならば、全員がプレゼンしてから順位をつけて集計するなどの遊び方もできるだろう。
キャット&チョコレート
川上亮/クウィンタ・エッセンティア(2010年)
3〜6人/8歳以上/20 分
Qvinta Essentiaものづくり部
キャット&チョコレート

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二人用ゲーム:マイベスト

テンデイズラジオをフォローしてマイベストを考える試み。まずは二人用ゲームから。
うちには20タイトルほどあるが、妻と遊ぶ機会が少ないせいでほとんど稼動していない。さらに自宅ゲーム会ならば2人しか集まらないと不成立になりがちので、実は今最も整理したいジャンルである。
私のノミネートは、『メディチ対ストロッチ』『バベル』『ガイスター』の3タイトル。所有ゲームの整理という趣旨なので、絶版・入手難のゲームが入ることはご勘弁いただきたい。
メディチ対ストロッチ『メディチ対ストロッチ(Medici vs Strozzi)』は、自分が引いたタイルに好きな値段をつけて相手に売るクニツィアのゲーム。相手には渡したくない、でもお金は惜しいという悩ましさ。値付けが思い通りにいかなくて、何度も遊びたくなる。→TGW
R.クニツィア/リオグランデ(2006年)

バベル『バベル(Babel)』はカードの効果で相手より高いバベルの塔を築くローゼンベルクのゲーム。1手番に何アクションでもできるけれど、カードを出し切っても攻めきれないと次に相手から手痛いダメージを受ける。そんなシーソーゲームが好き。→TGW
U.ローゼンベルク/コスモス(2000年)

ガイスター『ガイスター(Die guten und die bösen Geister)』はアブストラクトでも運でもない、ランドルフの心理ゲーム。繰り返し遊ぶごとに、相手の癖みたいなものが見えてくる。簡単なのに奥深い。ドイツ語のタイトルそのままなのにもうすっかりなじんだ感がある。
A.ランドルフ/ノリス―ドライマギア(1992年-2001年)

振り返っていて思ったことだが、2人ゲームほど相手次第で面白さが変わるものもない。誰かがどんなに薦めたものであっても、相手が悪ければまったくつまらなくなる。それはどんなゲームでも言えることだろうが、2人ゲームでは顕著だなと思った。
あとアブストラクトゲームについては、先読みが苦手で行き当たりばったりな手を打ち、終盤になって気づいたときは手遅れというプレイばかりしているのでノミネートに入れなかった。ギプフシリーズを筆頭に面白いゲームはたくさんある。
ベストゲームは迷ったが、より間口が広い『ガイスター』で。このゲーム、高校の友達が下宿に遊びに来たとき、延々遊んでいた記憶がある。美味しくない和菓子があって、負けたほうが一切れずつ食べるというルールで、私が口いっぱいに頬張っていた。そんな思い出も加えつつ。
ほかのノミネート作は捨てないが、この際いくつか放出リストに加えたいものが出た。この企画、所有ゲームのダイエットにいい。