『電力会社』日本語版発売
アークライトは本日、ドイツの戦略ボードゲーム『電力会社(Power Grid)』の日本語版を発売した。2〜6人用、12歳以上、120分、5,040円。
プレイヤーは電力会社の経営者となって、発電所を買い、電力を生み出し、都市に届けていく。エコな発電所から、石油やウランを使った発電所まで、利用できる発電手段はさまざま。効率よく電気を売って、電力長者を目指す。競りあり、陣取りあり、マネージメントありの重量級ゲームだ。
オリジナルのドイツ語版”Funkenschlag”の発売は2Fシュピーレ。F.フリーゼという鬼才デザイナーの個人メーカーで、『看板娘』や『暗闇の大広間』など一風変わった作品で人気を集めている。『電力会社』は旧版が2001年、新版が2004年に発売され、ミープルチョイス賞、ドイツ年間ゲーム大賞推薦リスト、ポーランド年間ゲーム大賞、スペイン年間ゲーム大賞ノミネート、イタリア・ルッカゲーム賞など各国で高い評価を得ている。
基本セットにはドイツとアメリカのマップが付いているが、こうした人気を受けて海外ではたくさんの拡張マップも発売されている。今秋には日本マップも発売される予定だ。コンピューターと対戦できる無料ソフトはこちら。
アークライトは近年、デッキ型カードゲームと共に海外ゲームの日本語版の制作に力を入れており、これまで『あやつり人形』、『レッド★ノベンバーを救え!』、『海賊免許』、『クトゥルフ神話カードゲーム』と拡張パック、『コズミックエンカウンター』と拡張『銀河強襲』、『ディセント』をリリースしている。ドイツゲームの日本語版は初めて。
・アークライト:電力会社完全日本語版
スナップショット(Snap Shot)
最後の詰めで大逆転
R.ドーンのアクションゲームということで注目していた作品。おはじきならではのハプニングと、障害物による足の引っ張り合いが楽しい。
ゲームの目標は、8枚のカードに指示されたミッション(ほかの色のコマに当てる、ボード上の模様に止まる)を達成し、かつ角にある宝石を2個ずつ集めてスタートに帰ること。カードのミッションを優先してもいいし、宝石集めと交互にやってもよい。
ボードは4枚のボードを枠で組み立てるようになっていて、中央に四角の壁があることで、周回しながら目標を達成することになる。しかしそれに加えて、可動式の棒とタイルが行く手を遮る。これがかなり邪魔。後半になると、タイルが同じところに寄ってきて、難攻不落のエリアが生じる。
ボード上に4つある模様に止まると、追加アクションコマ、宝石を返す、ミッションカード追加、棒を移動するという4つの特典がある。追加アクションコマを複数持っていることで相手にプレッシャーを与えたり、棒を移動して相手を袋小路に追い込んだりできる。しかしこの模様、ボードの中間にあって止まるための力加減が非常に難しい。
終盤はミッションを概ね達成し、宝石の調整となる。多すぎる人は宝石を返すマスへ、足りない人はその宝石がもらえるところへ急ぐ。コマが思わぬ方向に飛んでいって、要らない宝石が増えたりすることも。
キャロムよりももっと微妙な力加減が要求された。4つの模様になかなか止まれない。それでも壁の反射を利用したりして、ミッションをコンプリート。先にリーチしたぽちょむきんすたーさんが激しい妨害に遭う裏で、最後の宝石を手に入れゴール。ゴールしても1周の間、留まっていなければならないが、何とか猛攻に耐えて1位。
勝利条件がいくつかあることと、妨害の手段が充実していることで、指先の器用な人が逃げ切れるとは限らず、ドラマチックな展開がある。内容に比してお値段は高めかなと思うが、十分楽しませてもらった。
Snap Shot
R.ドーン/R.ドーン(2010年)
2〜6人用/8歳以上/30分
・メビウスゲームズ:スナップショット