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倉庫の街(Speicherstadt)

備えあれば嬉しいな
倉庫の街
(写真:Boardgame Geek)
北ドイツで、川を通じて世界と貿易を行い栄えた街ハンブルク。水辺に並ぶ赤レンガの倉庫街(倉庫とは思えないほど豪華な高層ビルである)は観光名所となっている。19世紀末に建てられたこの倉庫街を舞台にしたボードゲーム。作者はこのところアレアで精力的に制作しているフェルト、メーカーはフリークでもファミリーでもない第3の路線で人気を集めているエッガート社である。
ゲームの基本はリソースマネージメント。じゅうたん、コーヒー、お茶、サフラン、ゴムという5種類の交易品を仕入れ、数を揃えて配達する。仕入れは袋からランダムに引かれたものだが、配達は数も種類も指定されているので、うまく捌かないといけない。
ラウンドのはじめには交易カードが何枚か並ぶ。これを見て、ほしいと思うカードにコマを置くが、ここで置かれたコマの数がカードの価格になるというところがポイントだ。皆がほしがるカードは、コマがたくさん置かれるから値段も上がる。買う順序は最初にコマを置いた人からだが、その人が買わなければ、コマが1つ減るので次の人はその分安く買えるようになる。分かりやすくてクレバーなシステムである。
カードは17種類あり、効果はアイコンで示されている。交易品が手に入る「船」、指定された交易品を集めると得点になる「契約」が基本で、そのほかに個別に品物を売れる商人や、たくさん集めるほど得点になる「商館」などがある。カードは春夏秋冬の4つのフェイズに分けられており、ゲームの進行にあわせてバランスよく出てくる。
もう1つ面白いのが、山札の中から時折出てくる火災。倉庫の街にとって、火災はたいへんな被害をもたらすものだった。いつか必ず起こる火災に備えて、「消防士」というカードがある。火災が起こったとき、これを一番買っておいた人はボーナス、備えがなかった人は失点になってしまう。普段は利益にならない消防士をどれだけ雇っておくかもゲームのポイントになるだろう。
カードを買ったら、交易品を振り分けて、収入をもらって次のラウンドへ。これを繰り返して交易カードがなくなったらゲーム終了となる。
同じ作者の『マカオ』を髣髴とさせる部分もあるが、こちらはより手軽で時間も公称45分と、同社から発売中の『城の守り』や『ハバナ』の路線を踏襲している。長時間ゲームは好まないが歯ごたえのあるゲームを遊びたいという方に。
Speicherstadt
S.フェルト/エッガートシュピーレ(2010年)
2〜5人用/8歳以上/45分
ホビージャパンより4月中旬発売予定

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『ブロックス』、マテルへ

フランス生まれのタイル配置ゲーム『ブロックス』の日本語版発売元が今年2月、ビバリー社からマテル社に移った。これからは2人用の『ブロックス・デュオ』とともに、『ウノ』などで知られる国際企業が取り扱う。
『ブロックス』は四色のタイルを四隅から配置して、自分の色をより多く置くことを目指すゲーム。2002年にドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされ、同年にビバリー社より日本語版が発売されてヒット。第1回日本ボードゲーム大賞の国産ゲーム部門で1位を獲得した。その後も安定した人気を集め続け、NPO法人ゆうもあの「ゆうゲームズ」にも認定されている。
ビバリー社は2009年に生産を終了しており、後継としてマテル社が手を挙げたことで、日本での入手難が回避された。現在、新しい日本語パッケージでトイザらスなどの大手玩具店にも並んでいる。
なお『ブロックス・トライゴン』と『ブロックス3D』については、ビバリー社が販売を続ける。
マテル:ブロックス