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どうぞどうぞ(Douzo Douzo)

ウエシマ作戦

震災後の節電や買い溜めを考えるトリックテイキングゲーム。スートや切り札などはないので、小学生でも簡単に遊べるだろう。ダウンロードしたPDFファイルをプリントアウトしたところ、長女が興味を持ってカードの説明を読んでいた。
順番にカードを1枚ずつ出して、一番大きい数字を出した人が、全員が出したカードを受け取る。カードにはそれぞれ得点(失点)が書いてあって、全部のカードをやり取りした後で総得点を競う。
米、水、牛乳、トイレットペーパーは1枚だけなら0点だが、2枚以上取ってしまうと、買い溜めはダメということで失点になってしまう。節電や義援金で得点しても、買い溜めしてしまうと帳消しどころかマイナスである。
さらに、迷惑ボランティアやデマの流布など、大失点になるカードもある。したがってゲームはできるだけトリックを取らないようにするミゼール系のゲームになる。数字が0の「どうぞどうぞ」カードや、ゲーム中1回だけ使えるスペシャルカードでピンチを回避したいところである。
3人でプレイ。ミゼール系では、できるだけ後手になって、ほかの人が出したカードを見て、それより少し数字の低いカードを出すのが基本となる。しかしそのことは皆分かっていて、なかなか後手にさせてもらえない。取っておきの「どうぞどうぞ」も虚しく、ひたすら買い溜めしてしまった。「おのさん、家族持ちだからな」などと言われる。
買い溜めなどしたくてするのではない、やむを得ずしているのだと思っていても、冷静に考えればしなくて済む場合が多いのではないかと、終わってから考えさせられた。「どうぞどうぞ」は最強である。
震災をゲームにするということについては不謹慎という批判もあるかもしれない。しかしデザイナーノートに「今、被災地のために何ができるのか考えて作ってみた」「現在起きている買い占めや節電などの問題について考える「きっかけ」になればいいと思います」とある通り、まず意識的になることの大切さをこのゲームは教える。被災地東北に住む者として、宮城・福島の生活物資不足がいち早く解消されることを祈る。
どうぞどうぞ
中村誠/中村玩具製作所(2011年)
3〜5人用/8歳以上/20分
ダウンロード:どうぞどうぞ(PDF)

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自宅ゲーム会

先週に引き続きの自宅ゲーム会。ガソリン事情がよくなり、仙台・福島からやっとお越し頂くことができた。県内からも集まって総勢8名。2卓に分かれるかとも思ったが、地震の話などをしているうちにずっと1卓でパーティゲームを中心に遊んだ。
遊んだゲームは以下の通り。詳細は後日アップ予定。
ミスプーチン(Miss Poutine / Le Scorpion Masqué, 2009)
ウェイトレスとコックに分かれて、それぞれ自分のオーダーとメニューをてきぱきと仕上げるカードゲーム。カードがたくさん残ったウェイトレスとコックは掃除係になる。賑やかな掛け声で大盛り上がり。前日、小山でのゲーム会の疲れが抜けないくさのまさんが掃除係を3回取って終了。
スピーチ(Speech / Cocktail Games, 2010)
カードの絵に沿って、話を作ったり、質問と回答をしたり、ディベートしたりするコミュニケーションゲーム。即興で話を作る想像力が求められる。それまで話していた線と全く関係ないカードがきて大慌て。苦し紛れのスピートがおかしくて、笑いの絶えないゲームとなった。nagaさん、carlさん、鴉さんチームの優勝。
ギフトトラップ(GiftTrap / アークライト, 2010)
相手の正確を考えて、あげたいプレゼント、もらいたいプレゼントを選ぶゲーム。実は初めて遊ぶ日本語版。プレゼントの金額が高くなり、日常生活とかけ離れるに連れて難しくなるのが面白い。Psy+さんが優勝。私はあげ上手だったが、もらうほうが下手だった。自分が相手にどう見られているかということも加味して選ばなければならない。
典型的な女と男(Typisch Frau, typisch Mann / Kosmos, 2006)
4択の質問で、どれを選んだか当てるクニツィアのコミュニケーションゲーム。ドイツのテレビ番組をボードゲームにしたものらしい。バッティングしたらペナルティとか、そういうものは全くなく、相手の性格を読んで回答を当てるという一点に集中したゲームだった。1周で終了。
女たちと男たち(Frauen & Männer / Kosmos, 2005)
クニツィアの1年前に出された、ローゼンベルクのコミュニケーションゲーム。与えられた質問に、トップ5の答えを考え、他の人と同じ答えならば得点が高い。一番得点が高い項目は加えないというルールがうまく効いている。そもそも女と男の問題を男だけでやっているわけで、シモネタあり、きわどい答えありと大笑いした。クニツィアより何枚も上手。
フォレロッテ(Volle Lotte / Abacus, 2004)
ダイスを全部得点にするか、バーストするかのチキンレースを繰り広げるダイスゲームの古典。負けが込むほど危険を冒すことになる。私が1〜6を全部出せば勝ちという場面や、ぽちょむきんすたーさんが2回揃えば勝ちという場面があったがいずれもかなわず、最後にnagaさんが決着をつけた。
新世界(Neue Welten / Fata Morgana, 2010)
パーティゲームの定番『私の世界の見方』拡張。基本セットより使いづらい分、ツボにハマればものすごい威力をもったカードが多い。捨てカードだと思って出したものが、別に解釈されて選んでもらえたりして、奥深さを感じる。「みんなにとって危険で有害だが、私には平気なもの」―死、心臓停止って。