メイクンブレイク・チャレンジ(Make’n’ Break Challenge)
焦ると落とす
ラベンスバーガー社の『メイクンブレイク』と、コスモス社の『ウボンゴ』はほぼ同時期に発売され(前者が2004年、後者が2005年)、どちらも制限時間内に何か組み立てるゲームとしてシリーズ化されている。しかし、『ウボンゴ』シリーズが全てG.レヒトマンによるものであるのに対し、『メイクンブレイク』は別の作者がデザインしたものがある。それがこの『メイクンブレイク・チャレンジ』と、『メイクンブレイク・ダイス』だ。
『メイクンブレイク・チャレンジ』は、ベテランデザイナーS.ドラの作品。私はこの作者の大ファンで、どのように料理するのかが楽しみだった。
タイマーはなく、2人でより早く積み上げることを競う。向い合って座り、同じ組み合わせの積み木を用意し、中央のカードスタンドにカードを差し込んでスタート。カードは両面が同じ絵柄になっていて、どちらからもよく見えるようになっている。絵柄の通りに先に積み上げた人勝ち。
手で積み上げるのだったらさぞ簡単だろう。だがこのゲームでは、積み木をトングで持ち上げる。焼肉屋さんにあるような、でも木製のトング。いちおうギザギザになっているが、丸い積み木などは特につかみにくい。
複数で遊ぶ場合はトーナメント戦。ドラのファンの意地を見せて1位。絵柄が指定されておらず「積み木を○個使う。ただし床に付いていいのは○個だけ」というようなお題もあって、渡された積み木を見て積む順番をとっさに考えなくてはならない。手先の器用さ、冷静さと集中力のほかに、カードの指示を考える力も試された。
Make’n’ Break Challenge
S.ドラ&M.ラインドル作/ラベンスバーガー(2009年)
2〜4人用/8歳以上/30分
ゲームショップ検索:メイクンブレイクチャレンジ
秋葉原ゲーム会
所用で上京したのに合わせて、ふうかさんとkarokuさんに秋葉原のR&Rステーションで臨時ゲーム会を開いて頂いた。4時間「しか」遊べなかったが、クレバーなセレクトでぴったり3ゲーム遊ぶことができた。
忘れられた惑星(The Forgotten Planet)
宇宙の彼方でロボットを使って鉱床を探し、財産を競うゲーム。アクションポイント制で、タイルを置く、ロボットを新たに作る、移動する、基地を作るなどして自分の陣地を広げる。自分の陣地は基地からの近さ(タイル数)で決まるので、最前線に基地を作る。壁を作ると近さが変わるので、陣地を奪うこともできる。陣地を奪われたロボットは、取り返すまでフリーズしてしまう。鉱床の種類がダイスで決まる以外、運の要素がないゲームで、ああでもない、こうでもないと頭をひねった。真っ先に中央の鉱床に突進した私は、途中を切られてロボットが死屍累々に。karokuさんと一進一退の攻防を繰り広げているうち、ふうかさんの侵入を許した。中央の鉱床を最後に握ったふうかさんが勝利。
Michele Quondam / Giochix.it (2011)
2-4人用 / 12歳以上 / 75分
ゲームストアバネスト:忘れられた惑星
カンタベリーへの道(The Road to Canterbury)
J.チョーサーの『カンタベリー物語』から「免罪符売りの話」に基づいたゲーム。カンタベリー大聖堂にやってくる巡礼団に、7つの大罪を自覚させると同時に、その免罪符を売って儲ける……何というマッチポンプ。自覚させた罪が大きければ大きいほど、収入も上がるので、せっせと大罪カードを置いていく。ところがあまり欲張るとほかの人に先に免罪符を得られてしまったり、巡礼団が死んでしまったりしてチャンスを逃すことも。「オレが育てた色欲が〜」「うわ、死んでしまった〜」そんな巡礼団の真理をつかんだkarokuさんがダントツ勝利。私はニセ聖遺物カードで逆転を狙ったが、偽者だけに効果がいまひとつだった。
Alf Seegert / Gryphon Games (2011)
2-3人用 / 10歳以上 / 60分
国内未発売
今日もプレイミス:カンタベリーへの道
アルカヌム(Arcanum)
タロットカードで4つのスートへの影響力を競うゲーム。自分の番には1枚を伏せて、1枚をプレイしてスートが進める。何ラウンドかに1度、伏せたカードを公開。一番進んでいたスートから、出した枚数に応じて得点する。進んでいないスートでも、一番カードを出していればそれなりに得点できるので、伏せるカードをよく吟味しないといけない。そのほかに大アルカナで特殊効果も得られる。満遍なく伏せていたら、激戦区では負けたもののほかでは上位をとれて1位。カードをプレイするたびに、ポーンを移動してさらにスートを進めたり、手札を補充したりできるが、スートによって進みやすさが違う。進みやすいものほど競争率が高いので、そのスートに力を入れるか、そこそこにしてほかを狙うか悩ましい。
Andrea Chiarvesio, Pierluca Zizzi / Lo Scarabeo (2011)
3-5人用 / 10歳以上 / 45分
国内未発売
ふうかのボードゲーム日記:秋葉原ゲーム会