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日経新聞に国産ボードゲームのクロスレビュー

本日付の日本経済新聞の「新製品バトル」(35面)で国産のボードゲームが登場した。『人生ゲームGO!GO!』、『野球盤メガスラッガー』、『絶叫!おばけ屋敷ゲーム』が国内市場動向やクロスレビューとともに紹介されている。
いずれも今年発売された新製品。『人生ゲームGO!GO!』は「人生教えるなら説教するより一緒に遊べ」というキャッチコピーがあること、『野球盤メガスラッガー』は打球が野手の頭上に飛ばせること、『絶叫!おばけ屋敷ゲーム』はネット通販での売れ行きがよいことなど、各商品のセールスポイントを挙げる。ボードゲーム一番の隆盛期である70〜80年代に遊んだ親世代の牽引で、現在も需要が見込めるというメーカーの声を掲載している。
また、楽しさ、デザイン・価格、その他の注目点の3項目についてクロスレビュー形式で専門家の味方を紹介。「ジョーコデルモンド」のあきお氏、日本マインドスポーツ協会の前野茂雄理事長と共に、当サイトの管理人もレビューした。
日本玩具協会のまとめによる「一般ゲーム」の国内市場規模が2011年年度に117億円(前年度比+13%)であったこと、それゆえ今年度は反動で前年度を下回ることも予想されることなど、市場分析もしている。1000人の読者アンケートは、過去1年間に遊んだゲームを尋ね、約11%がアナログゲームで遊んだと答え、その内容(複数回答可)はトランプが7.8%、人生ゲームが3.6%、将棋が2.4%、麻雀が2.1%となっている。
日経新聞は定期的にボードゲームを取り上げており、最近では昨年4月の「日経プラス1」に「何でもランキング」、今年3月の「日経プラス1」に、「ゼロから始めます」の記事がある。

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クロスシティー(Cross City)

西部の街の何やかや
十字に通りが走る西部の街クロスシティーを舞台に、街一番のお金持ちになるゲーム。ルールブックが34ページにわたり、そこには西部の街での生活の仕方が事細かに記載されている。ゲームの基本システムは『モノポリー』と同じだが、決闘や砂金掘りや強盗など、西部らしい仕掛けがあちこちにある。
クロスシティー
手番にはサイコロを振ってコマを移動し、移動先が空いていれば好きなお店を建てる。ほかのプレイヤーが自分のお店に止まると、サイコロを振ってサービスを決め、お金を払ってくれる。これがゲームの基本。
例えば酒場なら1=ヤギの乳グラス1杯1ドル、2=ウィスキー1瓶10ドル、3=ポット1杯のコーヒーとタバコ20ドル、4=主人とポーカー(賭け金5ドル以上でダイス勝負)、5=集会80ドル、6=銃撃された鏡と家財の弁償150ドルといった具合。角にお店を作れば、価格は2倍だが寄ってもらえるチャンスも増える。
通りは左側通行で、中央の交差点に戻ると好きな方向を選べる。ただしお店が全部建つと、方向ダイスを振って強制的に方向が決められる。銀行などに止まってしまうと、所持金のほとんどを強制的に預金させられてしまい、次に寄るまで帰ってこないのであまり止まりたくない(銀行の持ち主は通過するたび預金総額の20%が手に入るからウハウハ)。
支払えるお金がなければ、近くの銀行に移動して強制的に借金させられる。借金と同時に利子が差し引かれるので、借金しないようにしたいもの。かといって大金を持っていると、追いはぎに狙われる恐れもある。
通りの奥には仕事マスがあって、そこに止まればダイスを振って給料をもらえる。特に砂金川は最高1000ドルが一気に手に入るから最優先で狙いたい。ゲームは、誰かが12000ドル集めるか、あらかじめ決められた時間が経過したら終了で、所持金と建物と預金額の合計の多い人が勝つ。
西部で重要なのがコルト。ほかのプレイヤーに止まればダイス勝負をして追いはぎできるし、郵便局、郵便馬車、銀行で強盗して大金を手に入れることもできる。このとき保安官出現ダイスを振って、2分の1の確率で保安官が追いかけてくるので、銃撃戦で勝たなければならない(ダイスの小さいほうが勝つが、保安官は早撃ちでダイスの目が半分になる)。負ければ墓場行き(2代目が登場するので、ゲームからは脱落しないが、建物やお金を没収される)。
逆に保安官が負けて死亡すると、全員が近くの酒場に集合して市民葬を行い、近くの家具屋が棺を作って収入を得るというイベントもある(そんなことを事細かに書いているのでルールが長大になるわけだが)。
死にたくなければ、保安官に投降して刑務所に入ってもよい。刑務所は6回休みだが、ダイスで脱獄を試みることもできる(また保安官が追いかけてきて銃撃戦になる)。
6人プレイでルール説明に1時間、プレイに2時間。tomokさんの理容店がなぜか大繁盛で笑う。「さっき髪切ってきたばかりなんですけど!」一方、carlさんの唯一の建物である銀行は、砂金川の出口という好立地にもかかわらず閑古鳥。預金しても、carlさんが利息を回収する前に引き出されてしまう。「きっと店員の応対が悪いんですよ!」1回郵便馬車強盗で味をしめた鴉さん、再犯で保安官に撃たれ帰らぬ人となった。「2代目です。どうぞよろしく!」くさのまさんは早々に拳銃を売却して丸腰になったが、追いはぎに逢わなかったのはお金もなかったからというオチ。恭子さんが砂金掘りの道具で最大の2000ドルを叩きだしたが、銀行の利息で地道に稼いだ私がトップ。
あまり考えるところがない分、会話が弾むし、出たイベントごとに盛り上がる。デザイナーは本当に西部劇が好きなんだなと思わせる作品。
Cross City
R.エーム/ヨヨシュピーレ(1991年)
3〜6人用/12歳以上/120分
国内未発売