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コイの池のカワカマス(Hecht im Karpfenteich)

食物連鎖上位の苦しみ
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度肝を抜くボックスアートである。コイはカタツムリを食べ、カワカマスはコイを食べるという食物連鎖を描いた作品で、トム・シェープスがデザインした。タイトルは「楽勝」を意味するドイツ語の喩えだが、コイは思ったほどおらず、熾烈な食料調達合戦が繰り広げられる池は決して楽勝ではない。
コイの巣にコイを1匹ずつと、各自の巣にカワカマスを2匹ずつ置いてスタート。手番には7移動ポイントを自分のカワカマスかコイに振り分け、その前後に「カタツムリを1匹置く」「カタツムリを1匹置く」「追加で7移動ポイントを得る」「カワカマスを繁殖させる」「コイを繁殖させる」「パスする」からいずれかのアクションを行わなければならない。規定ラウンドで、自分のカワカマスを最も多く繁殖させたプレイヤーが勝利する。
カワカマスを繁殖させるには、2匹のカワカマスにそれぞれコイを捕食させた上で、カワカマスの巣に集め、そこで「カワカマスを繁殖させる」のアクションを行う。ほかのプレイヤーのカワカマスに先にコイを食べられないように。
コイは最初3匹しかいない上に、池のコイを3匹以下にしてはいけないというルールがある。そのためまずはコイを増やさなければならない。コイを増やすには、2匹のコイにそれぞれカタツムリを捕食させた上で、コイの巣に集め、そこで「コイを繁殖させる」のアクションを行う。何匹増えるかはダイスで決まるが、コイが繁殖すると、すぐ周りには腹を空かせたカワカマスが集まってくることだろう。
このようにカタツムリを置き、それをコイに食べさせ、そのコイを巣に入れて繁殖させ、増えたコイをカワカマスに食べさせ、そのカワカマスを巣に入れて繁殖させるという大変な手間。しかもその途中途中で壮絶な争奪戦が繰り広げられる。横取りされないようにして横取りするには、的確な位置取りと、ほかのプレイヤーの行動を読むことが必要になる。アクションは6つ全部使わないと復活しないので、これで先が読める。
全員が6つのアクションを全部使うと1ラウンド終了。プレイ人数によって2~4ラウンド行い、最も多くカワカマスをもっているプレイヤーが勝つ。
5人プレイで1時間ほど。増やしたところを巧みに横取りしつつ、横取りされそうなときは増やさないという節約ぶりで鴉さんが1位。コイが3匹になるとすぐ、池全部で捕食禁止になるのがおかしかった。
Hecht im Karpfenteich
ゲームデザイン・T.シェープス/sbv出版(1990年)
2~6人用/12歳以上/45~60分

Posted in 日本語版リリース

第1回独年間大賞受賞『うさぎとカメ』日本語版、11月末日発売

ホビーベースは11月末日、第1回ドイツ年間ゲーム大賞受賞作の日本語版『うさぎとカメ かけ引き大レース(Hare & Tortoise)』を発売した。ゲームデザイン・D.パーレット、2~6人用、20~30分、10歳以上、4000円(税別)。
ダイスではなく手札を出して進む双六ゲーム。もともとはイギリスで1973年に出版された作品で、『ウサギとハリネズミ(Hase und Igel)』というタイトルでラベンスバーガー社がドイツ語版を出し、これが1979年の第1回ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した。その後幾度となくリメイクされており、最近ではイエロ社(フランス)による『八十日間世界一周』が日本語版になっている。
自分の番になったら好きなだけ進むことができるが、1マスならニンジン1本、2マスなら3本、3マスなら6本、4マスなら10本……10マスなら55本というように、消費するニンジンの量が三角数で増える。一方、カメのマスまで戻ると、戻ったマス数×10だけ補充できるほか、順位が低いほど多く補充できるマスもある。
途中で3回休まなければならず、最後はニンジンの数が順位×10本以下でなければならない。先行逃げ切りか、中盤から差し切るか、最後尾からの大まくりか、ニンジンの調節とライバルとの駆け引きで熱いレース展開が楽しめる。
内容物:ゲームボード1枚、うさぎマーカー6個、お休みカード18枚、ニンジンカード94枚、サイコロ1個、参照カード6枚、バスケット3個、ベッド4個、ルール1冊
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