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イラストで行き先を伝える『シャドウズ-アムステルダム』日本語版、1月中旬発売

ホビージャパンは1月中旬、行き先をイラストで伝えるリアルタイムゲーム『シャドウズ-アムステルダム(Shadows: Amsterdam)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・M.オーベール、イラスト・M81スタジオ、2~8人用、10歳以上、30分、3600円(税別)。
『ディクシット』のリベルー社(フランス)が今秋のエッセン・シュピールで発表した作品。2つの探偵社に分かれて絵で伝えるコミュニケーションゲームだ。『ディクシット』『ミステリウム』『コードネーム』の系統に連なるが、同時アクションでスピードも求められる。
ヘックスタイルで構成されたゲームボードが舞台。プレイヤーは2人以上の2チームに分かれ、それぞれチーム内で諜報員と探偵の役割を決める。諜報員はついたての裏に自分だけ見える地図をもっており、それに基づいて探偵にイラストカードでヒントを与え、コマを目的地点へ誘導する。地図上の赤いポイントに入らないようにして、3つの手がかりを集め、緑のポイントを目指す。
ヘックスタイルにはそれぞれさまざまなイラストが描かれており、諜報員が出したイラストカードとイメージでつながるところにコマを進める。そのイメージを共有できるかが勝利の鍵だ。ゲームは2ラウンド先取したチームが勝利する。同時アクションによってプレイ時間も短縮されている。また、1チームで得点にチャレンジする2~3人用のバリアントもある。
内容物 ルールブック1冊、区画タイル7枚(両面仕様)、出発地点タイル1枚、障害物タイル3枚、情報カード84枚、手がかりトークン6枚+土台、警察トラック2枚、警察トークン5枚、ついたて2枚、マップカード40枚、マーカー2枚、探偵フィギュア2体

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コイの池のカワカマス(Hecht im Karpfenteich)

食物連鎖上位の苦しみ
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度肝を抜くボックスアートである。コイはカタツムリを食べ、カワカマスはコイを食べるという食物連鎖を描いた作品で、トム・シェープスがデザインした。タイトルは「楽勝」を意味するドイツ語の喩えだが、コイは思ったほどおらず、熾烈な食料調達合戦が繰り広げられる池は決して楽勝ではない。
コイの巣にコイを1匹ずつと、各自の巣にカワカマスを2匹ずつ置いてスタート。手番には7移動ポイントを自分のカワカマスかコイに振り分け、その前後に「カタツムリを1匹置く」「カタツムリを1匹置く」「追加で7移動ポイントを得る」「カワカマスを繁殖させる」「コイを繁殖させる」「パスする」からいずれかのアクションを行わなければならない。規定ラウンドで、自分のカワカマスを最も多く繁殖させたプレイヤーが勝利する。
カワカマスを繁殖させるには、2匹のカワカマスにそれぞれコイを捕食させた上で、カワカマスの巣に集め、そこで「カワカマスを繁殖させる」のアクションを行う。ほかのプレイヤーのカワカマスに先にコイを食べられないように。
コイは最初3匹しかいない上に、池のコイを3匹以下にしてはいけないというルールがある。そのためまずはコイを増やさなければならない。コイを増やすには、2匹のコイにそれぞれカタツムリを捕食させた上で、コイの巣に集め、そこで「コイを繁殖させる」のアクションを行う。何匹増えるかはダイスで決まるが、コイが繁殖すると、すぐ周りには腹を空かせたカワカマスが集まってくることだろう。
このようにカタツムリを置き、それをコイに食べさせ、そのコイを巣に入れて繁殖させ、増えたコイをカワカマスに食べさせ、そのカワカマスを巣に入れて繁殖させるという大変な手間。しかもその途中途中で壮絶な争奪戦が繰り広げられる。横取りされないようにして横取りするには、的確な位置取りと、ほかのプレイヤーの行動を読むことが必要になる。アクションは6つ全部使わないと復活しないので、これで先が読める。
全員が6つのアクションを全部使うと1ラウンド終了。プレイ人数によって2~4ラウンド行い、最も多くカワカマスをもっているプレイヤーが勝つ。
5人プレイで1時間ほど。増やしたところを巧みに横取りしつつ、横取りされそうなときは増やさないという節約ぶりで鴉さんが1位。コイが3匹になるとすぐ、池全部で捕食禁止になるのがおかしかった。
Hecht im Karpfenteich
ゲームデザイン・T.シェープス/sbv出版(1990年)
2~6人用/12歳以上/45~60分