ゲームマーケット2019春レポート:注目のイベント
今年初めての真夏日となった5月25日、東京ビッグサイト青海展示棟にて、国内最大のアナログゲームイベント「ゲームマーケット2019春」が開催された。
前回までの会場である東京ビッグサイトは、来年に控える東京オリンピックで各国の報道活動の拠点になるため工事中。そのため今回初めて、仮設展示場である青海展示棟での開催となった。2ホールで会場面積は合計23,240㎡と昨年秋の2倍。広さに加えて仮設でも空調は十分効いており、外気と比べると涼しい。
開場時の待機列は約4000人(Raelさん調べ)。会場の一角には広い待機スペースが設けられたが、それでも列は室外にまで及んだ。2日間で22000人が来場した前回のゲームマーケット秋を超える愛好者が、お目当ての品を求めて整然と並ぶ。
一般ブースの様子
10時の開場後、人の波は2つのホールに分散していく。それでも一般ブースは通路の広さもあって窮屈さを感じない。行列がなかなか収まらなかったのは、『桜降る代に決闘を』のBakaFire Party、『まじかる☆パティスリー』のMAGI、『Blade Rondo』のDominaなどエリア出展したところである。
待機列がなくなったところは、お昼前からキッチンカーが入ってフードコートになった。青海展示場は近くに食べられるところがほとんどないため、行列ができて売り切れ続出。時間がない人は軽食をコンビニなどで買って持参している。
さて今回は、エリア出展したところでトークショーや大会などのミニイベントが数多く行われた。充実のプログラムだったため、新作をチェックする時間が取れないほどである。
すごろくやでは、今度アニメ化されることになったボードゲームマンガ『放課後さいころ倶楽部』について、作者の中道裕大氏と、声優の高野麻里佳(綾)、宮下早紀(美姫)、富田美憂(翠)の各氏が登壇。初公開というPVが流された後、おすすめのボードゲームやボードゲームの魅力について語った。奈良出身の宮下氏と埼玉出身の富田氏は京都弁のニュアンスに苦労しているという。なお店長役は黒田崇矢氏であることが発表されている。
アークライトでは、新ボードゲームシリーズ「カイジュウ・オン・ジ・アース」の制作が発表された。日本が世界に誇るコンテンツである怪獣をテーマに、中量~重量級のボードゲームを複数のデザイナーが制作し、国内だけでなく海外展開も行う。第1作は上杉真人氏(I was Game)で今秋発売予定、第2作は金子裕司氏(かぼへる)で来春、第3作は林尚志氏(OKAZU brand)で来秋の発表予定となっている。総合ディレクションにドロッセルマイヤーズ、怪獣デザインに中北晃二氏、イメージビジュアルに関田裕治氏、グラフィックデザインに宇佐美詠子氏、フィギュア制作にジャイアントホビーと、豪華な布陣で期待がかかる。
研修ゲームラボではお寺ボードゲームを手がける寺院副住職の向井真人氏(ようがくじ「不二の会」)が「ボードゲーム法話」。四法印という、仏教の根本教義をもとに、相手もゲームもリスペクトする「ボードゲーム修行」を説いた。
ディライトワークスでは『The Last Brave』について作者のカナイセイジ氏がトーク。今回3枚だけ追加された拡張カードについて語った。
JELLY JELLY CAFEではポッドキャスト「ほらボド!」公開収録。テーマは「創作ゲームから一般流通へ」ということで、自分の同人作品がJELLY JELLY GAMESから一般発売されたデザイナーさんたちが登壇した。詳しくは放送を聴くとして、自分である程度の部数を製作して自分で売るというスタイルは、負担はかなり大きい上に、未調整のままユーザーのもとに届く恐れもあるが、自由な発想で多様なものが生まれる日本独特の良さがあると思う。こうした創作活動を印刷所やカフェが支援し、世界に誇れる作品を生み出す流れができつつある。
テンデイズゲームズ&メビウスゲームズのブースでは、ポッドキャスト「ボードゲームおっぱい」の2人が「リアルアンユージュアルサスペクツ」と称して、6人の観客からさまざまな質問を通して1人を絞り込むというチャレンジを行った。参加者の表情が変わったりするのが、イラストで遊ぶのとまた違った楽しさがあり、2人の軽妙なトークに笑った。
注目されたボードゲームもたくさんあったので、次回取り上げることにする。
つづく