スピーディな鉄道路線ゲーム『トランスアメリカ&ジャパン』日本語版、8月23日発売
グループSNE/cosaicは8月23日、『トランスアメリカ&ジャパン(Trans America & Japan)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・F.B.デロンシュ、新マップ作成・安田均、アートワーク・TANSAN、2~6人用、8歳以上、30分、4000円(税別)。
故デロンシュ(1957-2007)の代表作で、2002年にウィニングムーブズ社(ドイツ)から発売された。1ラウンド数分で遊べる鉄道ゲームとしてドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞2位、オーストリアゲーム賞ファミリー部門賞など、高く評価されている。続編の『トランスヨーロッパ』(2005)もあるが、今回はアメリカマップに加えて、世界初となる日本マップがついている。
各プレイヤーには都市カードが配られ、今回つなぐ5つの都市が指定される。自分の手番が来たら好きなところから線路コマを2本まで置き、これを繰り返して誰かがいち早く全部つないだらラウンド終了。
ポイントは、ほかのプレイヤーが伸ばした線路に合流すると、それらの線路も使えるようになるところ。これによってゲームがスピーディでスリリングなものとなる。
他のプレイヤーは届かなかった分だけ失点となり、次のラウンドへ移る。この失点の累積が規定に達したらゲーム終了で、失点の最も少なかった人が勝者となる。
日本マップだけでなく、ゲームがより白熱する追加カードも入って、この版でしか味わえない楽しみ方ができる。
モプセン(Mopsen)
負けた直後にチャンス
『ブルームサービス』『アイル・オブ・スカイ』のペリカンによるトリックテイキングゲーム。短鼻の小型犬パグが集めているホネを、ネコがかっさらう。
配られた手札から3枚まで交換してスタート。カードは4色あり、そのうち3色がパグ、残り1色がネコである。スタートプレイヤーから1枚ずつカードを出して、同じ色を持っていれば出さなければいけないが、ネコはその色を持っていても出してよい。
しかしネコは切り札ではない。4色のランキングはいつも変わっていて、ネコが一番上であれば切り札になるが、下であれば負けてしまう。こうして一番強いカードを出した人が自分が出したカードを得点にできる。数字が低いほど勝ちにくく、得点が高い(ネコは数字が低くても得点が高くない)。
面白いポイントは、一番弱いカードを出した人にもアドバンテージがあるところだ。まず、全員が出したカードから1枚を取って(ここが原題の”mopsen”=「くすねる」になっている)、手札に入れられる。次のトリックで勝てそうなカード、得点になりそうなカードが手に入るだろう。それから、そのカードの色のランキングが一番上になる。その色を取っていれば、早速次のトリックで使える。
こうして誰かの手札がなくなったらゲーム終了。獲得したホネと手札に残ったカードが得点になる。1回も勝たないで終えられるとボーナスがつき、手札に残ったカードと合わせると結構な点数になることも。3ラウンド行って、合計点を競う。
5人プレイで30分ほど。1ラウンド目は数字の低いカードで得点できる幸運に恵まれ、高得点をマークしたが、2ラウンド目は牽制し合う展開に。トリックを取ることも、負けてカードを取ることもできなくて得点が伸びなかった。3ラウンド目には、ランキングが低いうちは数字の小さいカード、高くなったら数字の高いカードとコントロールを心がけてそこそこ得点できたものの1位には成れず。
ランキングだけでなく、勝ちに行こうとしている人と、負けに行こうとしている人のバランスでも出すべきカードは変わる。繊細なカード選択が求められるトリックテイキングゲームである。
Mopsen
ゲームデザイン・A.ペリカン/イラスト・C.フィオーレ&S.コンディロッリ
フッフ(2019年)
3~5人用/7歳以上/30~40分