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目隠しでルートを手探り『ニュクトフォビア』日本語版、1月16日発売

アークライトゲームズは1月16日、『ニュクトフォビア(Nyctophobia)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・C.スティッペル、3~5人用、9歳以上、30~45分、4800円(税別)。
オリジナルはパンダザウルスゲームズ(アメリカ)から2018年に発売された。真っ暗闇の森の中で、追いかけてくる殺人鬼から逃れることを目指す協力型生き残りゲーム。タイトルは「暗闇の恐怖」の意味。
1人のプレイヤーが殺人鬼役となり、残りのプレイヤーを追いかけ、ライフをゼロにすることを目指す。殺人鬼以外のプレイヤーは暗闇メガネをかけてプレイし、ゲームボードの地形が分からない。ゲームボードは立体の柵をはめこんで作られており、手探りで逃げ道を探り、警察が到着するまで生き残ることを目指す。
盤上のコマは殺人鬼役のプレイヤーがGMとなって管理し、ほかのプレイヤーが隠れたり、石を投げたりするたびにボード上の位置によって判定する。こうした行動によって殺人鬼をかわし、自分の位置を推理していく。殺人鬼と隣接するマスに入ったら戦闘。ライフを失うだけでなく、石を投げて反撃もできる。
車に戻って警察を呼び、1ラウンド生き残ればプレイヤーの勝ち、その前に1人でもライフ0になれば殺人鬼の勝ちとなる。暗闇の恐怖をリアルに味わえる作品。
内容物:ゲーム盤 1枚、暗闇メガネ 4本、逃走者コマ 4個、殺人鬼コマ 1個、樹木マーカー 37個、石つぶてマーカー 7個、殺人鬼負傷マーカー 1個、HPトークン 11個、騒音マーカー 1個、車 1台 、キャラクターカード 6枚 、逃走者特定カード 4枚、狂人カード 12枚、魔術師カード 12枚、方角カード 4枚、ルール説明書 1冊(※カードサイズ:63mm×88mm)
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ボルカルス(Vulcanus)

たとえ東京が焦土となっても
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全身から溶岩を噴出しつつ東京を襲う怪獣と、怪獣緊急対策本部の戦いを描く1対多のボードゲーム。連作ボードゲームプロジェクト『KAIJU ON THE EARTH(カイジュウ・オン・ジ・アース)』の第1弾となる作品で、デザイナーの上杉真人氏(『ペーパーテイルズ(ヴォーパルス)』)ほか豪華制作陣で作られた。先行予約のクラウドファンディングは予想を遥かに超える1167人が709万円を出資し、注目の高さを物語っている。
3枚のゲームボード、各自のプレイヤーボード、テキストいっぱいのカードが並ぶコンポーネントに怯んでしまう人もいるかもしれないが、砂時計を使うこともあってプレイ時間は長くない。プロデュースした渡辺範明氏(ドロッセルマイヤーズ)によれば、ルール説明は20~30分くらいにしてカードの説明を敢えてせず、ゲームを始めたほうがいいという。実際、始めてみると複雑さは感じられない(正確には、感じる余裕がない)。
ボルカルスが渋谷周辺に着いたところからゲームは始まる。すでに緊迫した状況である。ラウンドの進行は、怪獣緊急対策本部のプレイヤーが相談してカードをプロットし、その後ボルカルスのプレイヤーがカードをプロット、順番にめくって解決するという流れだ。
カードが実行される順番は4人プレイの場合、プレイヤーAの1枚目、怪獣、プレイヤーAの2枚目、プレイヤーBの1枚目、怪獣、プレイヤーBの2枚目、プレイヤーCの1枚目、怪獣、プレイヤーCの2枚目。A、B、Cの順番もプレイヤー間で相談して決める。攻撃のための予算をとったり、市民を避難させたりするのは先になるだろう。
問題は、怪獣緊急対策本部の相談を、ボルカルスが聞いてからプロットできるということだ。プレイ感が似ている『パンデミック』との大きな違いがこれである。予算を取っていれば先制攻撃され、避難しようとすれば先回りされる。そのため相談内容は時にぼかさなければならない。しかも相談時間は砂時計で制限されている。焦りやミスコミュニケーションでプロットミスも出る。
しかし制限時間があるのはボルカルスも同じで、裏をかいて行動するのは容易でない。全員避難して攻撃が空振りということも。しかしボルカルスは溶岩を撒き散らしながら、ゲームの始めに密かに指定された街(陥落させると勝利に大きく近づく)に向かう。しかも溶岩を撒き散らすと進化を遂げ、ただでさせ強力なアクションがさらに強化されるのだ。
怪獣緊急対策本部は消火や救出、怪獣への攻撃をするたびに「防衛」トラックにコマやタイルが置かれ、ボルカルスは市民を殺したり街を陥落させたりするたびに「被害」トラックにコマやタイルを置く。最後のマスまで先に埋めたほうが勝利する。序盤はボルカルスが圧倒的な力でマスをどんどん埋めていくのに、怪獣緊急対策本部が追いつけるかの勝負である。
「ボルカルスが六本木に向かっています! 六本木には市民がまだ残っています」「仕方ない、六本木はどうせカップルばかりだろ!」「ひどい……」「それよりも兵器の開発を優先しよう!」ボルカルスのプレイヤーすらも苦笑いする非情プレイで「特殊冷凍弾」を発射。最後の最後に「人工降雪作戦」まで成功させ、東京を陥落させたボルカルスを寸でのところで撃退。多大なる犠牲を払っての人類の勝利であった。
映画の登場人物になったかのような没入感。怪獣緊急対策本部側には役職がいくつかあるので、ボルカルス役も含めて役割を交替すれば、新たな気持ちで、さらにレベルの高い戦いを繰り広げられそうだ。『シンゴジラ』を繰り返し見たくなるかのように。
ボルカルス
ゲームデザイン・上杉真人、イラスト・開田裕治&中村豪志
アークライトゲームズ(2019年)
2~4人用/10歳以上/60~80分