水力発電がテーマの伊ゲーム『バラージ』と拡張『レーフワーテル計画』日本語版、11月28日発売
テンデイズゲームズは11月28日、水力発電ゲーム『バラージ(Barrage)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・S.ルチアーニ&T.バティスタ、イラスト・A.デ・ルカ、1~4人用、14歳以上、60~120分、9800円(税別)。日本語版だが、ボードは英語表記。ゲームマーケットではテンデイズゲームズは出展しておらず、イエローサブマリンのブースで先行発売される。
クラニオ・クリエーションズ(イタリア)がキックスターターで資金を集め、今年のエッセン・シュピールに合わせて発売した作品。シュピール前から輸入版が日本に入り、愛好者の間で話題となっていた。スカウトアクション4位。デザインは、『マルコポーロの旅路』『ツォルキン』などのルチアーニと、初クレジット作となるバティスタ。
架空のヨーロッパの山間部を舞台に、国営企業のCEOとなり、ダムによる水力発電によってエネルギー開発を競う。ワーカープレイスメントでアクションを選び、水をダムに溜め、導管で発電所へと送って発電する。自分が建設した設備だけでなく、他プレイヤーのものも使用できるため、非常に限られた水源の流れや貯水量をうまくコントロールするのに有利な位置取りと共に、コストパフォーマンスも見極めなければならない。
また、設備の建設には重機が必要となるが、一度使うとしばらく手元に戻ってこないため、マネージメント力や計画性も問われる。ここで使われる「建設ホイール」は、技術や資材を投入して回転させ、一周すると完成して手元に戻る仕組みで、このゲームのセールスポイントとなっている。
発電量によって履行できる契約や、設備を一定数建てることなどから得られる報酬は、得点やお金だけでなく、重機や特殊アクションもあり、ゲームを有利に進めることができるだろう。そのほか、さまざまな特殊能力を持った重役や、アクションをより効率のいいものにする「上級技術」といった要素など、戦略性が高められ、複合的なメカニズムとインタラクションでやりごたえのある作品になっている。
・テンデイズゲームズ:バラージ 日本語版
さらに拡張セット『バラージ:レーフワーテル計画(Barrage: The Leeghwater Project)』も日本語版で同日発売となる。重機を使う「外注仕事」、追加で建設できる「私有建物」、オランダ企業や、追加の重役でゲーム展開をさらに多様にする。4400円(税別)。
・テンデイズゲームズ:バラージ:拡張 レーフワーテル計画 日本語版
テンデイズゲームズでは現在、オープン10周年を記念して、税込18000円以上の注文をすると4000~10000円のボードゲームがランダムでプレゼントされるキャンペーンを行っている。26日まで。『バラージ』と拡張セット、プラスもう1品ほどでこの金額になる。
残ったダイスが決め手『ノコスダイス』11月28日一般発売
Engamesは11月28日、ダイス&トリックテイキングゲーム『ノコスダイス』を発売する。ゲームデザイン・松本裕介、イラスト・別府さい、3~4人用、10歳以上、30~40分、2500円(税別)。ゲームマーケット2019秋で先行発売あり。
オリジナルはゲームマーケット2016神戸でQuoth Gamesから少数頒布されたトリックテイキングゲーム。作者はポッドキャスト「卓上遊戯の快楽」に出演しているyskこと松本裕介氏。精力的に海外ゲームの日本語版を手掛けているEngamesからは初めてとなる、同人作品の商業出版である。配られたカードだけでなく、ドラフトしたダイスも手札として使える異色の作品だ。
タイトルの通り、残されたダイスが勝利の鍵を握る。ダイスのドラフトが終了すると、ドラフトプールにはダイスが1つ残され、そのダイスの色と数字が切り札になる。さらに、手元にドラフトしたダイスは、最後に1つだけ残し、その残ったダイスの出目がビッドになる。
国内販売だけでなく、来月にフィラデルフィアで開催される「PAX Unplugged」にも出展予定で、海外のメーカーへのサブライセンスも視野に入れている。世界のトリックテイキングファンも唸らせる作品となるだろう。