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名門大学を作ろう『アルマ・マータ』日本語版、1月21日発売

アークライトゲームズは1月21日、『アルマ・マータ ~我らが母校~(Alma Mater)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・アッキトッカ(F.ブラシーニ&V.ジッリ&S.ルペルト&A.ティント)、イラスト・C.クイリアムス、2~4人用、14歳以上、75~150分、7800円(税別)。

エッガートシュピーレ(プランBゲームズ)から今夏発売された新作。ゲームデザインはイタリアのデザイナー集団アッキトッカ(『エジツィア』『テラマラ』)が担当し、同社の『コインブラ』(2018年)の後継作に位置づけられている。

ルネッサンス期のイタリアを舞台に教授を雇って研究を進め、時代を代表する名門大学を目指す。タイトルはラテン語で「母校」の意味。

プレイヤーは修士コマ(ワーカー)を配置して、学生を自分の大学に引き入れたり、教授を雇ったり、教本を購入したりする。教本が学生や教授のコストとなっており、研究を進めてアップグレードしたり、他プレイヤーから購入したりして必要なものを揃えよう。

獲得した学生や教授はさまざまな特殊能力を持っており、これらをうまく組み合わせて目的を達成し、得点に結びつける。遊ぶたびに変わる学生・教授・目的の中から最適なものを見つけ、当代一の大学を作るのは一体誰か。

内容物:ゲーム盤 1枚、準備カード 24枚、学長カード 10枚、胸像カード 12枚、イグノトゥスカード 16枚、研究カード 20枚、学生タイル 48枚、大学ボード 4枚、教授カード 48枚、栄誉タイル 9枚、本棚タイル 28枚、教本トークン 100冊、辞書トークン 20冊、修士コマ 24個、講師コマ 6個、値段タイル 9枚、ドゥカート硬貨トークン 50枚、プレイヤーマーカー 12枚、ラウンドマーカー 1個、フェイズマーカー 1個、ルール説明書 1冊(カードサイズ:56×88mm)

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ハラータウ(Hallertau)

巧みなカードプレイをしたい

ドイツ最大のホップ生産地であるバイエルン州ハラータウ地方を舞台に、農作物の栽培と羊の飼育で村を発展させるワーカープレイスメントゲーム。『アグリコラ』のローゼンベルクによる今秋の新作で、『カヴェルナ』サイズの大箱とあっては期待も膨らむというものである。テーマは「いつものやつ」感があふれるが、ゲームメカニクスとしてはカードによるセットコレクションの要素を取り入れて、柔軟で新しいプレイ感を生み出している。

手番には中央のアクションボードに労働者コマを配置してアクションを行う。アクションスペースは20あって増減しないが、労働者コマを増やせば同じアクションスペースを使えたり、前のラウンドで人気のあったアクションスペースは労働者コマが残っていて使いにくくなったりと言った仕掛けがある。労働者コマは増やせるものの限りがあるので、やりたいアクションと、できるアクションのバランスを取らなければならない。

アクションスペースのうち4つではカードを獲得できる。カードの内容は多岐にわたるが、リソースを別のリソースや勝利点に変換したり、ある状況を満たしていればボーナスがもらえたりするものが多い(なお300枚以上もあり、もはや1枚1枚にカード名は入っていない)。このカードは、いつでも(手番以外でも)プレイできるところが特徴で、例えば「〇〇を〇個以上もっている」という条件を満たしていれば、プレイしてから別な用途にリソースを支払うことができる。手番以外というのは、「1つのアクションスペースがすべて埋まったとき」など、他のプレイヤーのアクションで条件が満たされる場合もあるからだ。

カードをいつでも使えるというと、プレイ時間が間延びするように思うかもしれないが、少なくとも慣れたゲーマー同士では、お互いミスもチートもしないという前提で同時進行できる。タイミングが問題になることは稀で、たまに他の人の効果を見て「それ無双っすね!」みたいなコメントが出るくらいだ。

リソースはホップ・大麦・亜麻・ライ麦といった畑で栽培する農作物と、羊毛・ミルク・肉・毛皮といった羊を育てて手に入れるもの、ほかにレンガ、工具、宝石がある。毎ラウンドの最後に、これらのセットコレクションで5つの作業所を発展させ、作業所が全てスライドすると村の公民館もあわせてスライドし、ワーカーが増えたり勝利点が入ったりする仕組みになっている。全ての作業所をスライドさせるには、満遍なくリソースを集めておかなければならないが、畑重視か羊重視かで得意不得意が生まれ、そこをカードで補うことになる。

その他、工具を使ってずらす漂石、羊の延命、畑の二圃式農業といったちょっとした工夫も楽しい。6ラウンドで、村の発展度合いと、最後まで生き延びた羊、プレイしたカードの勝利点などを合計して勝者を決める。

最初に配られたカードをなかなか達成できず、終盤は自分の状況に合ったカードを引き続けるというダメダメプレイだったが、カード運もそこそこあると思う。それをどれくらいプレイングでカバーできるかが腕の見せどころであり、多様さと奥の深さを生み出している。カードの種類によってデッキを選んで使うものもあり、まだ見ぬカードがたくさんあると思うと、もっとプレイしたくなる。

Hallertau
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク/イラスト・L.ジーグモン
ルックアウトシュピーレ(2020年)
1~4人用/12歳以上/50~140分