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ハラータウ(Hallertau)

巧みなカードプレイをしたい

ドイツ最大のホップ生産地であるバイエルン州ハラータウ地方を舞台に、農作物の栽培と羊の飼育で村を発展させるワーカープレイスメントゲーム。『アグリコラ』のローゼンベルクによる今秋の新作で、『カヴェルナ』サイズの大箱とあっては期待も膨らむというものである。テーマは「いつものやつ」感があふれるが、ゲームメカニクスとしてはカードによるセットコレクションの要素を取り入れて、柔軟で新しいプレイ感を生み出している。

手番には中央のアクションボードに労働者コマを配置してアクションを行う。アクションスペースは20あって増減しないが、労働者コマを増やせば同じアクションスペースを使えたり、前のラウンドで人気のあったアクションスペースは労働者コマが残っていて使いにくくなったりと言った仕掛けがある。労働者コマは増やせるものの限りがあるので、やりたいアクションと、できるアクションのバランスを取らなければならない。

アクションスペースのうち4つではカードを獲得できる。カードの内容は多岐にわたるが、リソースを別のリソースや勝利点に変換したり、ある状況を満たしていればボーナスがもらえたりするものが多い(なお300枚以上もあり、もはや1枚1枚にカード名は入っていない)。このカードは、いつでも(手番以外でも)プレイできるところが特徴で、例えば「〇〇を〇個以上もっている」という条件を満たしていれば、プレイしてから別な用途にリソースを支払うことができる。手番以外というのは、「1つのアクションスペースがすべて埋まったとき」など、他のプレイヤーのアクションで条件が満たされる場合もあるからだ。

カードをいつでも使えるというと、プレイ時間が間延びするように思うかもしれないが、少なくとも慣れたゲーマー同士では、お互いミスもチートもしないという前提で同時進行できる。タイミングが問題になることは稀で、たまに他の人の効果を見て「それ無双っすね!」みたいなコメントが出るくらいだ。

リソースはホップ・大麦・亜麻・ライ麦といった畑で栽培する農作物と、羊毛・ミルク・肉・毛皮といった羊を育てて手に入れるもの、ほかにレンガ、工具、宝石がある。毎ラウンドの最後に、これらのセットコレクションで5つの作業所を発展させ、作業所が全てスライドすると村の公民館もあわせてスライドし、ワーカーが増えたり勝利点が入ったりする仕組みになっている。全ての作業所をスライドさせるには、満遍なくリソースを集めておかなければならないが、畑重視か羊重視かで得意不得意が生まれ、そこをカードで補うことになる。

その他、工具を使ってずらす漂石、羊の延命、畑の二圃式農業といったちょっとした工夫も楽しい。6ラウンドで、村の発展度合いと、最後まで生き延びた羊、プレイしたカードの勝利点などを合計して勝者を決める。

最初に配られたカードをなかなか達成できず、終盤は自分の状況に合ったカードを引き続けるというダメダメプレイだったが、カード運もそこそこあると思う。それをどれくらいプレイングでカバーできるかが腕の見せどころであり、多様さと奥の深さを生み出している。カードの種類によってデッキを選んで使うものもあり、まだ見ぬカードがたくさんあると思うと、もっとプレイしたくなる。

Hallertau
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク/イラスト・L.ジーグモン
ルックアウトシュピーレ(2020年)
1~4人用/12歳以上/50~140分

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『ティチュー』『盲目のニワトリ』などカードゲーム10タイトルの日本語版、1月15日発売

ジーピーは1月15日、アバクスシュピーレ(ドイツ)のカードゲーム10タイトルを日本語版で一挙に発売する。各1380円(税別)。

日本語化されるのはいずれもルールがシンプルでプレイ時間が短めなライトな作品ばかりで、内容もバラエティーに富んでいる。販路の広さで定評のあるジーピー社が扱うことで、カジュアルプレイヤーの拡大が見込まれる。

また側面に縦書きのロゴを配置することにより、書籍のようなディスプレイも可能になっているところが新しい。デザインが統一されており、集めて並べても楽しめるだろう。

カードゲームとはいえ、10タイトルの日本語版が同日発売されるのは異例。

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