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ハリネズミは時計回りに(Hedgehog Go around Clockwise)

ダイスが揃うようにマンカラする

ダイスをグレードアップしつつ揃えて、注文を満たすセットコレクションゲーム。『ダイ公望』『地獄Queue部』などたくさんのダイスを使うゲームを発表してきたマーチヘアゲームズがゲームマーケット2021春で発売した。運の要素はかなり抑えられており、代わってマンカラのシステムを用いたパズル要素が強い。

集める素材(ダイス)は4色のカタツムリ(6面ダイス)、3色のカエル(10面ダイス)、1色のドラゴン(20面ダイス)。最初はカタツムリだけ、5枚ある保管庫に1個ずつ置かれている。

手番には保管庫の1つからダイスを取り出し、そのダイスを使って「新たな素材を加える」「注文を達成する」「振り直すか出目を変える」から2アクションを行う。納品カードには「黄色の4と5と6」などという指示があるが、最初はどの保管庫にもカタツムリダイスが1個しかないので、とりあえず無料のカタツムリダイスあたりから加えることになるだろう。

しかし2アクションが終わった後、手元のダイスはマンカラの要領で1個ずつ、別々の保管庫に戻さなくてはならない。せっかく集めてもここでばらばらになってしまうのである。しかしどの保管庫にどのダイスを置いていくかは選べるので、次の手番、次の次の手番には注文を達成できるようなセットが、どこかの保管庫にできあがる。

手番は2アクションしかないというのが効いていて、注文を達成するには、保管庫から取り出したときにすでにセットができているか、あと1個だけ追加すればセットになっていなければならない。それを逃すとダイスは再び分散することになる。

各注文は1枚ずつしかないため、ほかのプレイヤーに先を越されないように気をつけなければならない。ここにインタラクションが生まれる。しかも注文の難易度はどんどん上がっていき、最初は同色のカタツムリダイス3個などだったのが、そのうちカエルダイスやドラゴンダイスが必要になってくる。

注文を達成したときに、指定されたダイスを捨てなければならないので、そこからいかに早くリカバリーできるかがポイント。捨てなくてすむカエルダイスをうまく活用して、次の注文に備えよう。調整の難易度が高く、その分高得点の注文を達成できると気持ちいい。

ハリネズミは時計回りに
ゲームデザイン・ナカムラサトル/イラスト・タグチマミコ
マーチヘアゲームズ(2021年)
3~4人用/12歳以上/40~60分
通販:ボドゲーマ

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マグノリア(Magnolia)

インスタントユニット

3×3のエリアにカードを並べてパラメータを上げ、勝利点につなげるコンボゲーム。『ヴォーパルス』『ペーパーテイルズ』の作者が、ユニットの配置にフォーカスして制作した。ドラフト・建物・経年といった要素はなくなったが、同時プレイで進めるようにして、極めて短時間で濃厚なコンボ体験ができる。

毎ラウンド5枚の手札から、2枚まで自分の前に配置する。最終的に3×3のエリアになるようにしなければならないが、5枚の手札は総取っ替えもできるのでかなり自由だ。カードを配置するとき、縦か横のラインを揃えるとボーナスがもらえる。

次に各自の場で各列の一番前にあるカードの戦力を合計して、高い人は勝利点をもらえる。相対的なものなので軍拡競争で疲弊することもあり、降りて別の道に注力するのもよい。

それからカードの効果が発動し、技術レベルや信仰レベルが上がり、勝利点が入る。どちらかに特化したほうが高得点が狙えるため、カード選択の方針に影響を与える。誰かが40点を取るか、9枚のカードを並べたらゲーム終了。これだけの内容なのに、プレイ時間が10~20分というのは驚異的で、すぐにもう1ゲーム遊びたくなる。

「縦か横のラインを揃えるとボーナス」「一番前にあるカードの戦力」「技術か信仰に特化」という縛りが、カードの置き方を悩ましくする。あちら立てればこちら立たず。シナジーを考えずに漫然と並べていては、どんどん点数が離されていくだろう。

インタラクションは薄めだが、他プレイヤーに邪魔されずのびのびとプレイできるということでもある。カードを研究して序盤・中盤・終盤の戦略を考え、ハイスコアを目指すのも面白い。

マグノリア
ゲームデザイン・上杉真人/イラスト・長谷川登鯉
スイッチゲームズ(2021年)
2~5人用、10歳以上、10~20分