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ショウ・ミー・ユア・サウンズ(Show Me Your Sound)

音と写真の関連付け

スマホの専用サイトでランダムに出てくる音を聞いて、NGカード以外の写真を全て裏返す協力ゲーム。これが一作目となるGATゲームスタジオ(韓国)の作品である。何の音かはわかるが、それがどう写真と関連付けられるかで解釈が分かれる。

写真カードを並べ、親は今回のNGカードの番号を密かに確認する。NGカードがめくられないようにするのが目標である。スマホで音を流して、親はその音に「最もイメージが近い/遠いものをめくれ」という指示をする。やや直感的ではないが、NGカードに近かったら遠いものをめくらせ、遠かったら近いものをめくらせるというわけだ。

ほかのプレイヤーは相談して、これだと思うものをめくる。NGカードでなかったら次の音へ。こうしてNGカード1枚だけ残せばラウンドクリアとなる。誤ってNGカードをめくってしまったら、その時残っているカード枚数だけ失点。写真カードを1枚ずつ増やし、失点の合計が規定に達する前に8ラウンドクリアできれば全員の勝利となる。

出てくる音は、いずれかの写真の音が収録されているが、その写真が場にあるとは限らない。場になければ、「静かな雰囲気」「食べ物関係」などといった意味付けで親の意図を読み取ることになり、これが結構難しい。

ポイントは、前後のヒントを関連付けることである。単体のヒントで考えてもできないことはないが、以前のヒントを覚えておけば、親が何を意図していたのか推理しやすくなる。これは、似たような写真が2枚あるときに有効な戦略だ。

アンユージュアル・サスペクツ』を想起させるが、あちらが人の見かけを独断と偏見で決めるという、少しもやっとするテーマであったのに対し、こちらは論理的な推理が可能で、聴覚と視覚の隔たりを結びつけるというチャレンジも面白い。意見が分かれたり、ぎりぎりまで迷ったりするため、最後までクリアできたときは本当に嬉しい。

ショウ・ミー・ユア・サウンズ
ゲームデザイン・ハンソマン&キムグンヒ&ゴヨハン/アーティスト・ジョンオリン
GATゲームスタジオ(2021年)
2~8人用/8歳以上/20分
ゲームストア・バネスト:ショウ・ミー・ユア・サウンズ

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シュネッペンヤークト(Schnäppchen Jagd)

ある人のゴミは別の人の宝

ガラクタを集めてリサイクルするというテーマのトリックテイキングゲーム。ローゼンベルクがデザインし、『ボーナンザ』の翌年に発売された。もう23年も前の話である。『バーゲンハンター』というタイトルで2010年に1度リメイクされている。The Opinionated Gamersの昨年の記事で、BGGのユーザーに聞いたトリックテイキングゲームベスト10の中に、『ザ・クルー』に続いて2位につけたので久しぶりに遊ぶことにした。

記録では前回遊んだのが2003年だから、18年ぶりのプレイ。その間に数多くのトリックテイキングを遊んできたわけだが、トリックテイキングは遊べば遊ぶほど見えてくるものがある。

毎ラウンド、はじめに自分が集める数字を1つ決めておき、獲得トリックでその数字のカードは得点、それ以外は失点になる。色ではなくて数字というところがポイントで、どの数字を集めているかは公開されているので、4人で4枚のカードをプレイしたとき、自分の得点になるのは1枚あればいいほう、残り3枚は失点になってしまう。リードプレイヤーに近いほど失点になるカードを押し付けられやすく、弱いカードを出してトリックを回避する場面が多い。

トリックテイキングはマストフォローで、もっていない場合は別の色を切り札にできるルール。これによって低い数字のカードでも、切り札といえば容易に集めることができる。それでも自分が得点になるカードだけ獲得するのはまず無理だ。

それでは一切取らないほうがいいのかというと、そうともいえない。毎ラウンド、失点の山から数字をひとつ選んで、捨てたり、得点にしたりできるためである。失点の山は累積しているので、終盤まで待って一気に捨てれば高得点が狙える。しかし数字がばらばらでは、これでも赤字から脱出できない。できるだけ同じ数字を集めて、どの数字をどのラウンドで捨てるか計画を立てていかなければならない。

集めているカード以外の押し付け合いと、その裏でひそかに集めるリサイクル用カード。上家が何を集めているかを読んで、特定のカードが自分のところによく回ってくるようコントロールできれば、高得点が狙えるかもしれない。洗面器の水面下で、策略を練るのが楽しい。

Schnäppchen Jagd
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク/イラスト・R.ホルスト
クイーンゲームズ(1998)
3~4人用/10歳以上/45分