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紅茶ロマン紀行(Romantic Tea Trip)

高い紅茶も安い紅茶も必要

カードの効果で茶箱を手に入れ、価値を高めて、カードを購入するロンデル&セットコレクションゲーム。植民地戦争+αがゲームマーケット2021春で発表した。カードが購入されるたびにロンデルの中身が入れ替わり、新しい戦略がどんどん生まれる。

カードを円形に並べ、各自のウサギコマを置いてスタート。手番には自分のウサギコマを1~3マス移動し、移動先のカードの効果を使って茶箱を手に入れたり価値を上げたりするか、茶箱を支払ってカードを購入する。カードには得点があり、合計100点以上になったプレイヤーが勝つ。

美味しそうな紅茶や、名産地が描かれたカードの効果はどれもユニークで、しかも購入されると新しいカードが登場する。自分の茶箱の状態と購入したいカードによって、新しい茶箱がほしいのか、それともすでにある茶箱の価値を上げたいのかが変わり、カードを回る順番を考える必要がある。

ところが同じロンデルを他のプレイヤーも回っているため、立ち寄る予定のカードに先に止まられたり(使用料が発生する)、あるいは購入されてしまったりして、作戦変更を余儀なくされることが頻繁にある。茶箱の価値がマックスになっているときに価値を上げるマスしかないというような事態にならないようにしたい。

購入したカードは、「獲得したカードを使える」というアクションで自分だけが使うことができ、一種の特殊能力のようになる。ロンデル上で行き詰まっても、購入したカードのアクションで打開できるかもしれない。

紅茶を取り扱っている感じはあまりしないが、種類の異なる貨幣価値をうまく操作して効率的に(他のプレイヤーに先を越されないように)お買い物をするゲームとして魅力的な作品である。紅茶の薀蓄が書かれた「エッセンス本」が付属する。

紅茶ロマン紀行
ゲームデザイン・千夜一葉、イラスト・猫転餅
植民地戦争+α(2021年)
2~4人用/10歳以上/20~40分
BOOTH:紅茶ロマン紀行

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オモゾンクライム(Omozon Crime)

この素敵なAEDが、今だけ半額で!

通販番組のうさんくささはついていけない。アナウンサーも巻き込んだわざとらしさ、もうひとつ付いて同じお値段という不思議、「限定○セット」「今だけ」「○分以内」という煽り……そっとチャンネルを変えることになる。

そんな通販のうさんくささをゲームにして楽しもうというのがこの作品。親が指定したお題に答える商品を、自分のスマホの通販サイトで注文/閲覧履歴から選び出してプレゼンするコミュニケーションゲームで、アクサン・シルコンフレックスがゲームマーケット2021春に発表した。こじつけたおすすめ商品に、うさんくさい画像カードの相乗効果がすごい。

親は3枚の単語カードから組み合わせて「今ほしいもの」を発表し、注文履歴か閲覧履歴のどちらかを指示。各自自分のスマホで通販サイトを開いて、指示された履歴をずらっとみて、単語カードに合いそうなものを1分以内で決める。その商品画像を出したまま、手持ちの画像カードを並べて発表。

親は最も魅力的だと思ったものをひとつ選んで、スターをあげる。親を一周して、スターが多かった人の勝ち。

親が発表した「今ほしいもの」に履歴がマッチすることはまずなく、苦しまぎれのこじつけを余儀なくされる。横につけた画像カードがどれもうさんくさいものばかりで、こじつけのおすすめがさらに不自然になり、笑いとツッコミを生むことになる。でもときに一周回って妙に説得力を持ち、本当に買ってみようかなと思わせるのが面白い。

「なんでそんな商品閲覧したことがあるんですか?」でさらにひとしきり会話が弾む。

オモゾンクライム
ゲームデザイン・こやしゅん/アートワーク・石原幽平&勝林
アクサン・シルコンフレックス
3~6人用/13歳以上/15~30分