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フクロウがいる村(In Windes Eule)

「何となく」でもスピード重視

魔法の世界を舞台に、森、港、山、4つの村に手札の動物をリアルタイムで出して得点を競うスピーディなゲーム。『ゲームオブトレイン』『ネイティブ』のロシア人デザイナーチーム「トレーグラニック」が制作し、今年ツォッホ社(ドイツ)から発売された。

中央に場所を並べ、各自自分の色のカードを混ぜて山札にしてスタート。手番順なしで自由に、自分の山札からカードをめくっては好きなところに置いていく。誰かが置き終わって声を上げると他の人はもう置けなくなるので急いだほうがよい。

得点方法は場所ごとに異なる。

  • お城は動物の種類に関係なくカード枚数比べ。多く置いたプレイヤーから3,2,1点。
  • 港は動物の種類ごとに一番最初に出したプレイヤーだけが1点ずつ。
  • 森はプレイヤーごとに1枚だけ出している動物が得点
  • 村は全プレイヤーの合計で最も多い種類の動物が1枚1点。

ただし村では猫とネズミのチェックを行う。猫がネズミの数以上いれば猫にボーナスが入り、ネズミのほうが多ければその村での得点計算は行わない。

このルールを聴くと記憶力が重要そうだが、リアルタイムのため確認して覚えて出すというスピードでは到底間に合わない。「この村には何となく〇〇が多いから出しておこう」「この村はネズミでつぶそう」「ネズミが出てきたからネコで退治しよう」というようなことを何となく考えながらプレイするには、一瞬の判断力と感覚が試される。

3ラウンドの合計で勝負。ラウンドが進むにつれてコツがわかってきて、素早く確実に得点できるようになっていく上達曲線が心地よい。

In Windes Eule
ゲームデザイン・A.コノフ&A.パルツェフ&A.シクリャロフ
イラスト・A.ユング/ツォッホ出版(ドイツ, 2021)
2~4人用/8才以上/10分
メビウスゲームズ:フクロウがいる村

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自分で預けて自分で奪う『なんちゃって銀行強盗』日本語版、1月15日発売

グループSNEは1月15日、『なんちゃって銀行強盗(Banküberfall / Bank Robbers)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・R.クニツィア、アートワーク・TANSAN、2~5人用、12才以上、30分、2750円(税込)。

オリジナルは2006年、ピアトニク社(オーストリア)から発売された作品。翌年にトワイライトクリエーションズ(アメリカ)が『グレイブディガー』というタイトルで英語版を発売したことがある。小さな町の銀行員たちが自分たちの銀行強盗を企てるが、銀行には警備員やならず者が潜んでいて……。

手番には7枚のアクションタイルから1枚をめくって指示されたアクションを行う。アクションは銀行に手札(お金か4種類のキャラクター)から1枚を5ヶ所の銀行のいずれか置く、カードを盗み見する、カードをめくる、銀行強盗を発生させるの4種類。

銀行強盗が起こったら、そこに置かれたお金の分配を巡って握り競りを行い、少ない額を握った人から銀行のお金を獲得していく。なくなり次第終了なので、欲張ると分け前がなくなるかもしれない。

しかしカードを公開してキャラクターがいたら順番にアクションを行う。まずレディがいるとほかのキャラクターは全滅だが、レディが2人いると効果が消える。次に警備員がいると強盗は失敗。警備員も2人いると効果が消える。レディも警備員も効果がなかったとき、共犯者が多ければ分配方法が握った額が多い人からになり、ならず者が多ければ分配はなくなる。

盗み見たりめくったりしつつ置いていくことで情報が断片的にわかり、それによってプレイヤーの行動も変わる。カードがたくさん並んだ銀行をキャラクターカードでめちゃめちゃにするか、自分だけの銀行を育てて手堅く稼ぐか。しかし本当のところは……開けてみてのお楽しみ。