東京調布にプレイスペース「調布フォックス」3月5日オープン
東京・調布に3月5日、プレイスペース「調布フォックス」がオープンする。京王線調布駅徒歩5分、10:00~20:00、土日のみ営業。
学生時代にボードゲームにはまった店主のボドゲ狐氏が、社会人になってからボードゲーム仲間と場所に苦労した経験から、地元にボードゲームを楽しむ場を作りたいと考えたことが開店のきっかけ。リーズナブルな料金体系で短時間から利用でき、初心者から上級者まで楽しめる厳選されたボードゲーム300種類以上をジャンル毎に陳列。広めにとった44席(コロナ対策期間中は24席に制限)でグループでもひとりでも遊びやすい店舗にした。
料金は2時間まで1000円、3時間まで1500円、4時間まで1800円、以降は1時間ごとに+200円で、最大2500円。いずれも来店時にペットボトル1本サービス。
今後は「初めてのボードゲーム会」、「相席でカタンを遊ぶ会」「相席で2人ゲームを楽しむ会」などを企画しているという。3月28日までクラウドファンディングサイトMakuakeで割引利用券を発売中。
新幹線ゼロ系(Shinkansen: Zero Kei)
結局豊橋止まり
東京オリンピック(1964年のほう)を前に、東京~新大阪間に新幹線の路線と駅を建設すると共に、オリンピック開催に貢献するゲーム。ルドノヴァ社(スペイン)から発売されたもので、デザイナーもスペイン人。パッケージイラスト(左)が見てて飽きない。
たった5手番しかない中で、他のプレイヤーと駆け引きして路線を延ばすユーロゲームである。ゲームは1959年から始まり、5ラウンド(5年間)で行われる。各自、自分の先頭車と最後尾客車をとってスタート。
毎ラウンド、まず場に並んだ客車カードからほしいものを1つ選び、最も手前にある客車を選んだプレイヤーから手番を行う。ラウンドごとにアクション数が定められており、その中で収入、整地、線路の敷設、駅の建設、オリンピック会場への協力などのアクションを行い、勝利点を得る。何をしてもお金がかかるので、収入アクションは欠かせず、それを少しでもカードの永続効果などで節約するというカツカツぶり。
獲得した客車カードは、アクションの選択肢を増やすとともに、そこに書かれた都市に駅が完成しているとボーナスをもたらす。ただしそこに線路が敷設されていないとマイナス。そのため、獲得するカードを吟味し、獲得したカードの都市には線路も駅も整備したい。アクション数は少ないので、同じ駅を持っているプレイヤーと部分的に協力関係になる。「浜松に線路引いてもらえませんか? 駅は作りますので」「でもその先の静岡まで行けるかどうか……」
さらに線路がつながっていると、連続した駅のボーナスが入るため、手持ちの客車カードによって利害が絡み合う。どの駅を優先して開発するか悩ましい。
さらに3ヶ所のオリンピック会場への協力も欠かせない。こちらは無料で聖火台を置いてボーナスをもらうアクションだが、それでも1アクション費やす上に、最後に残った聖火台は失点になってしまう。また、聖火台のマジョリティでその都市のボーナス(線路ができていなければペナルティ)があるので、それも踏まえて協力する都市を選ばなければならない。
4人プレイで1時間強。大阪から建設が始まり、そちらに3人が行ってしまったので私はひとり静岡より東を進める。しかしひとりではどうしようもなく、結局新幹線は豊橋止まりでオリンピックを迎えてしまって最下位。東海地方の整地コストが高いのが響いた。
他のプレイヤーの思惑をうまく利用したアクションの組み合わせ方は創造的で、複雑すぎず、2020→21年のオリンピックにはすでになかった当時の熱狂が感じられた。古き良き時代の新しい鉄道ゲームである。
Shinkansen: Zero Kei
ゲームデザイン:イスラC&シェイS/イラスト:ロカメイドスタジオ
ルドノヴァ(2021年)
1~4人用、12歳以上、60分