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エイジオブジャーニー(Age of Journey)

ワーカーのマストフォロー

山間の小さな村で、略奪した家畜を売って技能や屋敷を買うワーカープレイスメントゲーム。サザンクロスゲームズの「エイジオブ」シリーズ17作目で、ゲームマーケット2021秋に発売された。ショートゲームで60分、フルゲームは90分という、シリーズ屈指の重量級作品で遊びごたえがある。

中央には9~13(プレイ人数によって変わる)のアクションスペースがあり、手番には手持ちの戦士チップ(4種類)を配置してそのスペースのアクションを行う。いわゆるワーカープレイスメントだが、興味深いメカニクスが採用されている。

・そのアクションスペースの空きマスだけ戦士チップを出さなければならない(だんだん出しにくくなる)
・複数出す場合、全て同じ種類の戦士でなければならない(後で出すと少なくてすむ)
・複数出しても配置するのは1枚だけで、残りは全て家畜として獲得できる(たくさん出すほど得)
・そのアクションスペースに先に出している人がいたら、同じ戦士を出さなければならない(マストフォロー)

いずれも『ゲームメカニクス大全』のワーカープレイスメント章に掲載されていないものばかり。これらのメカニクスによって、他のプレイヤーの動向も踏まえた優先順位付けと、先に取られたアクションをしたい場合の縛り、ワーカーの配分に新味が生まれているのはかなり衝撃的だ。

アクションは大きく分けて、家畜を売却して収入を得るもの、その収入で特殊能力や得点をもたらす「技能カード」「屋敷カード」を購入するもの、家畜とは異なるリソースである「ワイン」「食料」「斧」を獲得するもの、ワーカーである戦士チップを増やすものがある。家畜の価格は金貨と銀貨で別々に変動しており、そのときに得なほうで売れる。「ワイン」「食料」「斧」は屋敷の建設、追加アクション、家畜の越冬などに使う。

もうやれることがなくなった人からパスをして、全員がパスをしたらラウンド終了。使わなかった家畜も戦士も次のラウンドにいなくなってしまうので、できるだけ使い切ってからパスをしたい。ゲームはショートゲームで3ラウンド、フルゲームで4ラウンド行って、完成した屋敷や目標カードの達成などによる得点の合計を競う。

お金も資源もカツカツの中、幅広い得点要素がある中で、ワーカーの状況を踏まえたアクションスペースの選択が悩ましい。たくさん配置して家畜を獲得すればその分手数が少なくなり、後出しで少しずつ配置していては収入源がなくなる。さらにマストフォローのルールによって、他の人が持っていない種類の戦士を置ければそのアクションスペースをブロックして独占できるわけだが、他のプレイヤーも同じことを考えている。獲得したカードのコンボによって分岐していく戦略性も面白い。海外版が大箱で出てほしいくらいの非常に完成度の高い作品である。

エイジオブジャーニー
ゲームデザイン:N2/監修:北条投了
サザンクロスゲームズ(2021年)
1~4人用/10歳以上/30~70分
通販:iOGMDDT

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ポルトガルの鬼ごっこゲーム『カレトス』日本語版、3月18日発売

サニーバードは3月18日、『カレトス(Caretos)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・P.ペレイラ、イラスト・M.ピアナ、アートワーク・長谷川登鯉、2~4人用、8歳以上、45分、5280円(税込)。

メボゲームズ(ポルトガル)から2020年に発売された作品。サニーバードでは『ポルト』(2019年)に続く日本語版の制作となり、長谷川登鯉氏によるパッケージのリデザインを行った。北ポルトガルの荒野を徘徊するモンスター「カレト」を操って、より多くの人間を捕まえる鬼ごっこゲーム。

ボード上には7つの村に村人(ミープル)が5人ずつ集まっている。各プレイヤーはそれぞれ能力の異なる8匹のモンスターから2匹を操る。

手番にはカードをプレイして、そのアイコンによってモンスターの能力を発動。村人を驚かせて周囲に分散させた上で、ひとりになったところを捕まえる。ゲーム終了時、捕まえた村人に加えて、ボーナスカードによるセットコレクションの得点を加えて勝敗を決める。

村人を驚かせるともらえる焚き火マーカーによる追加アクション、分散した村人を再び集めるカード効果、プレイヤーたちのモンスターを捕まえて鍋に入れてしまう上位モンスターもおり、比較的短いプレイ時間ながら、しっかりとした考えどころも用意されている。アートワークも可愛く、かつスタイリッシュで、ファミリーからゲーマーまで楽しめる作品だ。

サニーバード:カレトス日本語版

(写真はポルトガル語版)