書籍『本当に面白いボードゲームの世界』5月12日発売
昨年夏にセブンイレブン限定で発売されたぴあMOOK『おとなが愉しむ ボードゲームの世界』の制作スタッフ・レビュアーによるボードゲーム紹介本。話題の最新作からリメイク作、マーダーミステリーまで、各ゲームごとに3名のクロスレビュー方式で多角的に紹介する。
またボードゲーム好き著名人として高野麻里佳、オーイシマサヨシ、宮下兼史鷹の各氏へのインタビュー、カタンシリーズ、チケットトゥライドシリーズ、紙ペンゲーム、1~2人用ゲーム、トリックテイキングゲームのジャンル別ガイド、『おとなが愉しむ ボードゲームの世界』では未紹介のボードゲームデザイナー紹介など盛りだくさん。
さらに『ベルリンうわの空』などで知られるドイツ在住の漫画家・香山哲氏によるマンガ「ふだんのボードゲーム」に加え、付録ゲームとして『スポットライト』(居椿善久氏『ナイスミドル』のリメイク。イラストは香山哲氏)、ジーピー社の『エスケープルーム ザ・ゲーム』とアークライト社の『ワードッチ』体験版、全国ボードゲームショップ・ボードゲームカフェのクーポンがつく。
最近のトレンドを知りたいという方から、ボードゲームフリークまで、幅広く楽しめる一冊。「第1号」とされており、続編も計画されているようだ。Amazonでの予約はこちら。
チャクラ(Chakra)
同じ色まで運ぶ落ち物パズル
インドのヨーガで脊柱の基底から頭頂まで7つあるとされるエネルギーの中枢チャクラ。ここに頭頂部からエネルギー水晶を投入して同じ色のチャクラにいち早く届けるパズルチックな作品。ブラム!社(フランス)が2019年に発売し、ゲームファクトリー(スイス)によるドイツ語版がドイツ年間ゲーム大賞の推薦リストに入った。
各自プレイヤーボードをもってスタート。手番には、場から水晶コマを取って自分のプレイヤーボードに配置する。各色1個までで、負のエネルギー(お邪魔水晶)は優先的に取らなければならない。
取った水晶は一番上の入り口に置くか、チャクラに直接配置する。そして「3つの水晶を1つずつ下へ」「1つの水晶を3つ下へ」などのアクションを使って、同じ色のチャクラまで移動するのだ。同じ色の水晶を3つ届けられたチャクラは「調和」して得点になる。
移動アクションではアクショントークンを使い、使った移動パターンは、一手番休んで全回復するまで使えなくなる。しかもチャクラに直接配置するにはアクショントークンを消費し、そのチャクラが調和するまで帰ってこない。アクション回数を減らしてでも深いところにあるチャクラに水晶を直接入れたほうが得か、それとも上から地道に送り込むべきか悩ましい。
チャクラによって調和したときの得点が異なり、その得点はアクショントークンを全回復するたびに少しずつわかっていくようになっている。他のプレイヤーが優先的に集めている色は得点が高いかもという推理はできるが、運の要素を加えて早解きパズル特有の息苦しさを緩和している。
誰かが5つのチャクラを調和させたら最後のプレイヤーまで手番を行ってゲーム終了。調和させたチャクラの得点と、一番下まで送り込んだ水晶、下の第1チャクラから一番長くつながっている人のボーナスを加えて勝敗を決める。
水晶の移動では空きマスがないと通れず、途中で詰まらないようにあれこれ悩むが、調和すると素通りできるとようになるのが気持ちいい。やりがいのある落ち物パズルゲームである。
Chakra
ゲームデザイン:L.クルレザ/イラスト:C.コナン
ブラム!(2019年)
1~4人用/8歳以上/30分