『エバーデール:剣ヶ峰』日本語版、5月26日発売
アークライトゲームズは5月26日、『エバーデール:剣ヶ峰(Everdell: Spirecrest)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.A.ウィルスン、イラスト・A.ボスレー&D.メイ、1~4人用、14歳以上、40~100分、9680円(税別)。プレイするためには『エバーデール』基本セットが必要。
『真珠の入り江』に続く拡張第2弾で、オリジナルは2020年に発売された。剣ヶ峰ボードが新しく追加され、新しい土地や大型動物を発見する。
険しい山道へウサギの旅人を派遣すると、新しい土地や大型動物によってゲームを有利に進めることができるようになる。さらに地図タイルを集め、ゲーム終了時にコストを支払うと旅人を遠征に向かわせて追加得点を獲得できる。
一方、各ラウンドにはプレイヤーの邪魔をする天候カードが猛威を振るう。厳しい天候にさらされながらも新たな名所や街、そして特別な能力を持った新たな仲間に出会いに行こう。
拡張第1弾『真珠の入り江』も第2版となって同日発売。労働者や大使コマが3色21個、追加カード10枚、看板コマ6個、3勝利点トークン3個が追加されている。
内容物:発見カード 42枚、天候カード 12枚、剣ヶ峰ボード 1枚、地図タイル 30枚、労働者コマ 24個、カエル大使コマ 4個、ウサギの旅人コマ 15個、プラスチック製の鞍 8個、大型動物コマ 8個、3勝利点トークン 12個、ルール説明書 1冊(カードサイズ 小:44×63mm、大63×89㎜)
クニツィア作品がBGG上位100タイトルから消滅
世界のボードゲーム愛好者が集うデータベースサイト「ボードゲームギーク」で3月下旬、R.クニツィアの作品が上位100タイトルから消滅していたことが、愛好者の指摘で判明した。その後『チグリス・ユーフラテス』がかろうじて90位代に復帰したものの、愛好者に衝撃が走っている。
R.クニツィアはドイツのボードゲームデザイナーで、ボードゲームギークには667タイトルが登録されている。2000年代の最盛期には100位以内に『チグリス・ユーフラテス』『ラー』『サムライ』『タージマハル』『モダンアート』『アメンラー』『バトルライン』『インジーニアス』『砂漠を越えて』など約15タイトルがランクインし、デザイナー別でダントツの1位だった。
100位から転落した原因としては、近年の新作リリース急増で旧作が顧みられなくなっていること、一世を風靡したクニツィア作品が絶版になっていること、近年のクニツィアの軽ゲー指向と重ゲーを好むBGGユーザーとの乖離、全般的なプレイヤーの嗜好やトレンドの変化などが指摘されている。
イギリスの愛好者グループのアンケートでは、2019年からボードゲームを始めた愛好者の35%以上がクニツィア作品を一度も購入したことがない一方、3年以上ボードゲームを趣味にしている愛好者の22%が6タイトル以上のクニツィア作品を所有しているという(下記リンク)。ズィーマンゲームズ(カナダ)によるクニツィア作品などの復刻「ユーロクラシック」シリーズは昨年終了した。最近ボードゲームを始めた日本の愛好者間では「クニツィア=つまらない」という認識があるという報告もある。
とはいえクニツィア作品のリリースは続いており、今年アレーキャットゲームズ(イギリス)が『アメンラー』のリプリントを、コスモス社(ドイツ)が『マイシティ』の続編『マイアイランド』の発売を計画している。日本では『バイキングシーソー』『ギャラクシーねこのばし』『TATARI』などオリジナル作品を発表し、高い評価を得ており、クニツィアブームの衰退ではなく、嗜好の多様化と捉えたい。
ちなみにボードゲームギーク上位100タイトルで現在最も多くランクインしているデザイナーはU.ローゼンベルクで、『オーディンの祝祭』をはじめ7タイトル。ほかの著名デザイナーも2~3タイトル程度で、W.クラマーは『エルグランデ』のみ、K.トイバーもA.ランドルフもS.サクソンも入っていない。
BGG: There is no longer a Knizia game in the top 100…So long, and thanks for all the fish.