ゲームマーケット2022春:新作ゲーム(2)
4月23日・24日に東京ビッグサイトで開催されたゲームマーケット2022春で発表された新作ボードゲームは数百タイトルにのぼると見られる。その中から当サイトの管理人が注目したいくつかの作品をピックアップ。→その1(ストラテジーゲーム)
トリックテイキングゲーム
アメノキリフダ(モーモーゲームズ)
四季のスートでマストフォロー。次の季節が切り札となる。トリックに勝利すると、ボード上で自分が出した季節のマスに石を配置し、最後に配置できた石の数×一列に並んだ石の数が得点になる。ただし石は3~4個しかなく、石がないのにトリックに勝利してしまうと女神の怒りを買ってボード上の石を全て戻さなくてはならない。勝ちすぎに注意しつつ、狙った季節でトリックに勝利できるか。押し出しもあり、さらに決められたボード上の決められたパターンで得点が入るカードもあり、テクニカルなプレイが求められる。
ゲームデザイン:せんちゃ/イラスト:warmtail
3~4人用/10歳以上/15分
敗者の権利(千発百中)
切り札なしのマストフォローで、トリックの勝者は全員が出したカードから2枚を場に配置でき、敗者は全員、カードに隣接するようにチップを置ける。カードは5×5になるように並べられ、配置したチップのエリアマジョリティーで獲得したカードが得点になる。勝者は次のリードプレイヤーを指名するか、数字の強さを逆転するか、自分の通貨チップを1枚移動できので、必ずしも損ではない。
ゲームデザイン:すづき/イラスト:すず
3~5人用/10歳以上/30分
不知火(TanTan)
マストフォローで、フォロースートの数字の一番小さい人が、次に数字が大きい人との差分だけ得点できる。色ごとに合計の最も大きい色がフォロースートとなるため、リードスート以外がフォロースートになることもある。これに加えて最初に袋からランダムに宝石コマを引いて持っており、前に出ていたカードに同じ色の宝石コマを置いて数値を上げることができる。これによって最強スートを作りつつ、自分の得点を最大化していくわけだが、どこで出し抜くか悩ましい。
ゲームデザイン:ザグラス/イラスト:Studio Turbine
3~5人用/10歳以上/40分
いやどす(ましかまる)
トリックテイキング&チキンレース。配られたカードを順番を変えずに差し込みカードで分割。差し込みカードから左側はマストフォローで出す通常カード、右側は通常カードでフォローできるのに出したくないときに使う「いやどす」カードとなる。通常カードがなくなったら脱落で、最後まで脱落しなかったら得点できる。通常カードを多くしていたほうが脱落しにくいが、そのぶん「いやどす」カードが少なくなる。「いやどす」カードを先に使い切ると得点が下がり、0点になってしまうこともある。
ゲームデザイン:ましかまる/イラスト:Studio Turbine&おいも3、らびン
3~5人用/12歳以上/30分
ツーシーソー(ORUCAgames)
マストフォローでトリックテイクを行うが、前のトリックで勝利したスートによって「高ランク強い/低ランク強い」と「シートリック/ソートリック」がトリックごとに変わる。「シートリック」と「ソートリック」1組で2点。単独では-1点。
ゲームデザイン:外鴨なきく/イラスト:Moyy
1~5人用/14歳以上/30分
魔女の一撃宅配便(猫柳大金星)
手札を見て自身が運べる荷物の数を「ノルマ」として宣言するビッド式トリックテイキングゲーム。獲得したトリックの荷物が「自分の運搬した荷物」となるが、許容量を超えた荷物を一度に運搬すると腰が粉砕されてしまう。
ゲームデザイン:猫柳生/イラスト:た介
3~4人用/7歳以上/20~40分
ダイスゲーム
モンスターコロシアム(ラフゲームズ)
サバイバルダイスアクションゲーム。壁で囲まれたコロシアム内にモンスターダイスを投げ込んで、ダイス目の合計値を競う。相手のダイスに当てて出目を変えたり、コロシアム内にある穴に落としたりすることもでき、熱いサバイバルとなる。
ゲームデザイン:無界/イラスト:日本アニメ・マンガ専門学校
3~4人用/6歳以上/30~40分
ノゾクダイス(金沢小立野ゲームズ)
中央の場から獲得したダイスの出目をカードアクションで変更して、できるだけ大きい目をたくさん揃えることを目指す。カードはダイスの側面を参照することができ、うまく組み合わせて目を増やしつつ揃えていく。
ゲームデザイン:久慈とら/イラスト:別府さい
1~4人用/12歳以上/20~30分
忍者マスター(itten)
今夏発売予定のファンブリックシリーズ07の試作品がお目見え。ダイスを振って出た目の忍者を数え、対応する忍者や刀を素早くつかむパターン認識&リアクションゲーム。
ゲームデザイン:R.クニツィア
すごろくやで「オトナちょうどいい」ラベル
高円寺・神保町のボードゲーム専門店すごろくやが、大人が60分ほど遊んで満足できるボードゲームの新ラベル「オトナちょうどいい」をスタートした。該当するボードゲームはステッカーが貼付されるほか、通販や店舗で専門コーナーが設けられる。
選定基準は「大人が30分から1時間くらいでじっくり集中して遊ぶことで真価を発揮する」「ルールが複雑すぎない」「独自のゲーム性があり、考え甲斐のある深みにつながっていて何度も遊びたくなる」の3つ。『カタン』『カルカソンヌ』『チケットトゥライド』『パンデミック』『世界の七不思議』などがラインナップされている。
近年、ボードゲームの多様化とリリース数の増加に伴い、ルール説明がほとんど要らず5~10分で遊べるパーティーゲームから、ルールが多くプレイ時間も2時間を超える重量級ゲームまで幅広くなっており、中量級の定番が相対的に目立たなくなっているほか、ミスマッチも起こりやすくなっている。アスモデ社(フランス)には同社の定番ボードゲームを集めたラベル「アンボックス・ナウ(Unbox Now)」があるが、このようなラベルが付されることによって、ボードゲームに興味を持った人がとりあえず何を遊んだらいいかわかりやすくなるだろう。
今後は、Youtubeチャンネルで解説動画を増やしたり、ハッシュタグでSNS投稿キャンペーンを展開したりするなど、さまざまな企画を展開していく予定だという。