『アグリコラ:泥沼からの出発 リバイズドエディション』日本語版、8月上旬発売
ホビージャパンは8月上旬、『アグリコラ:泥沼からの出発 リバイズドエディション(Agricola: Die Moorbauern)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:U.ローゼンベルク、イラスト:K.フランツ、1~6人用、12歳以上、人数×30分、4950円(税込)。プレイするためには『アグリコラ:リバイズドエディション』の基本セットが必要。
2009年(日本語版は2010年)に発売され、長らく絶版となっていた拡張セットを新版に合わせてリニューアル。オリジナルは2018年に発売されている。全てのカードを改訂したほか、グラフィックをリバイズドエディションに合わせた。プレイヤーボードが森林と泥炭地になっており、また価値の高い馬が新たな家畜として追加される。
マイボードははじめ、指示された通りに森林タイルと泥炭地タイルが置かれており、アクションでタイルを取り除いていく。森林はアクションスペース「木を切り倒す」で草原にしたり、「焼畑」で畑にしたりする。また泥炭地は「泥炭を掘る」で燃料にして住居の暖房に使う。暖房が足りないと家族は病気になり、次のラウンドのアクション数が減ってしまう。
これらの新しい要素に焦点をあてた14の大きい進歩と117の小さい進歩が入り、さらに多様な展開が楽しめる。
内容物:増設ゲームボード1枚、追加のサプライボード1枚、森/泥地タイル52枚、木の部屋/畑タイル6枚、拡張農園2枚、ベッド(部品3つ)6個、木製の馬コマ25個、汎用カウンター10枚、特別マーカー2枚、燃料トークン55枚、代用マーカー6枚、カバーカード1枚、スタートカード9枚、特別アクションカード12枚、大きい進歩14枚、小さい進歩117枚、スコアシート1冊、ルールブック1部
リビングフォレスト(Living Forest)
デッキビルド、協力、タイル配置
自然の精霊たちが動物たちの力を集めて鬼火の炎から森を守り、神木を植え神花を集めるファンタジーゲーム。デンマークの新人デザイナーの作品で、ルドノートが2021年に発表した。今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされている。
各自同じ構成の動物デッキをもってスタート。毎ラウンド、この動物デッキからカードをめくって好きなところで止める。動物の中には「一匹狼」タイプがおり、これが3枚出てしまうとバーストしてしまうので、だいたいは2枚で止めることになるだろう。
動物カードにはさまざまなアイコンがついており、めくった動物についている要素の合計で手番のアクションを行う。バーストしていなければ2アクション、バーストすれば1アクション。新しい動物を手に入れたり、鬼火を消したり、マイボードに木を植えたり、精霊を移動したりする。
全員の手番が終わったら鬼火チェック。残っている鬼火と各自の水要素を比べて、鬼火が多いとお邪魔カードを受け取る。その後、鬼火を追加して次のラウンドへ。こうして誰かが鬼火を12個消化するか、木を12種類植えるか、動物カードをめくったときに神花が12個揃ったら勝利(同じラウンドに複数のプレイヤーが達成したら総合成績で勝負)。
めくった動物カードは捨て札になるが、デッキがなくなったらシャッフルしてまた使う。動物カードは強力なものほどコストが高く、ゲーム中盤になってだんだん入手できるようになっていく。3つの勝利条件のどれを狙うかで、新しく手に入れる動物カードの系統も変わり、一匹狼のアイコンを中和する動物を入れればより多くのカードをめくれるようになる。こうしたデッキビルドの要素がこのゲームの一つの楽しさである。
鬼火は全員共通であるため、協力して消火して被害を抑えることもあれば、水要素がたくさん出たプレイヤーが一気に消してヒーローになることもある。対戦ゲームだが、ここに関しては協力の要素があるところも面白い。
マイボードの木はタイル配置になっていて、永続的な要素をもたらす上に、コーナーまで伸ばせば追加アクションもある。精霊の移動では、ほかの精霊を追い越すと勝利条件にかかわるトークンを奪えるというインタラクションで逆転もある。デッキビルド、協力、タイル配置、直接攻撃というメカニクスを各アクションに落とし込み、それをすっきり40分にまとめ上げているところがこのゲームの醍醐味といえるだろう。精霊も動物も目が光っていて神秘的なところも、雰囲気を統合するのに役立っている。
Living Forest
ゲームデザイン:A.クリスチャンセン/イラスト:A.エティエンヌ
ルドノート(2021年)
1~4人用/10歳以上/40分