ゴールデンボックス賞2022に『まちがいさがし開発課』ほか
ゴールデンボックス・ボードゲームアワード運営委員会は31日、先日発表されていたノミネート作品の中から、会員による最終投票の結果を発表した。7部門の各受賞作品は以下の通り。各部門賞には賞品として金のボードゲーム箱が授与される。
作品賞:『まちがいさがし開発課』(制作:オインクゲームズ、ボドゲイム)
ゲームデザイン賞:『OPEN(オープン)』(ゲームデザイン:齋藤隆)
アート賞:『破宮の十重奏(デクテット)』(アートワーク:久坂んむり)
グラフィックデザイン賞:『キャット・イン・ザ・ボックス』(グラフィックデザイン:内古閑智之・中島泉紀・井上磨)
プロダクション賞:『ナッツアゴーゴー』(制作:itten)
ルールブック賞:『ゴジラ』(ルール初稿:川崎晋、世界観テキスト:渡辺範明、テキスト編集・レイアウト指定:野澤邦仁、グラフィックデザイン:福島了、校正・校閲:後藤翔&小池淳皓)
特別賞:『スカウト』(制作:オインクゲームズ)
下記ウェブサイトにはノミネート作も含めた全19タイトルへの、運営委員会メンバーによるコメントが掲載されている。
ゴールデンボックス賞はボードゲーム制作者にフォーカスしてその優れた活動を讃える賞で、ボードゲーム業界従事者が選ぶところが特徴。デザイナー・イラストレーター・プロデューサー・ディレクター・翻訳者などの会員約40名が専門家の目で推薦し、運営委員会がノミネートした上で、再び会員による最終投票を行った。今回が第1回目で、今年1年間に発表された作品の中から、来年の同時期に2回目の選出作品が発表される予定となっている。
マイシティ:ロール&ビルド(My City: Roll & Build)
2020年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされたクニツィアのタイル配置ゲーム『マイシティ』を、ロール&ライトにした作品。レガシー要素はなくなっているが、4種類のシートで徐々にルールを追加して遊べる。
3個のダイスを振ると、建物の種類と形態が定められる。形態は2個のダイスがドットでつながるようにするので選択の余地はなく、全員同じものを各自のシートに記入する。
記入の仕方は『マイシティ』と同じく、川から始まり、既存の建物に隣接し、川の上には置けない。シートに記入できない、または記入したくないときはパスのマークに印をすれば続行できる。続行したくなければ抜けて、全員が抜けたら得点計算。
最初のシナリオでは残した樹木が1本1点、残した石が1個マイナス1点、空いているマスが1マスマイナス1点になる。章が進むと新しいシートになり、井戸、教会、盗賊など新しい要素が登場する。
ダイス目次第なので偏りで同じ形、同じ建物が続くこともある。同じ建物の連続が得点になるルールでは、この偏りによって高得点が狙えるだろう。計画性の要素は減るが、最後まで一縷の望みをもってプレイでき、もう1回パスするか、それとも降りるかの選択が悩ましい。
コンパクトなボックスで、ルールの累積もないので気軽にプレイできる。「『マイシティ』これでいいのでは?」感がある。
My City: Roll & Build
ゲームデザイン:R.クニツィア/イラスト:M.メンツェル
コスモス(2022年)
1~6人用/10歳以上/30分