ボードゲームを選ぶ基準
マンハイム大学で教育学を専攻している学生が、アンケート「ボードゲームを選ぶ基準」を行っている。質問は上から順に以下の通り。重要1〜6重要でないで回答する。
・ルールの最初にある概要や箱裏の説明
・テーマ
・専門家(販売員、ゲーム図書館の館員など)の意見
・箱の対象年齢
・イラスト
・友だちや親戚の薦め
・年間ゲーム大賞などの受賞
・メーカー
・デザイナー
・シンプルで短いルール
・その他(自由記入)
それから年令、性別(男/女)、子ども(有/無)、誰のためにゲームを買う?(子ども/自分/友だち/親戚(名づけ子・孫))、ゲームの頻度(毎日〜週に何度か/週1回/月に何度か/月1回/たまに)を答えて、”Abschicken”で送信。
日本からの回答は期待されていないかもしれないが、この機会に考えてみるのも面白い。以下、私の場合について書いてみたい。
まず「ルールの最初にある概要」「専門家の意見」は、お店で見るのが初めてだった時期はじっくり読んで/聞いていたが、今はインターネットで調べられるのでそれほど重要ではなくなった。
代わって重要になったのが「友だちや親戚の薦め」。友だちといっても、ウェブの評価なので知り合いとは限らない。国内で評価をきちんと書いているのはmoonさんのところと鷹村ナクトさんのところぐらいで、あとはplay:gameの個別評価、BGGの評価、H@LL9000の評価を見るしかない。生の声を聞きたいので、ブログやミクシィのレポートから感想にあたる部分をよく読む。
「箱の対象年齢」は、メビウスママさんが指摘するとおり(『メビウスママ ボードゲームのおはなし(PDF)』4-2参照)、たとえ子ども向きに選ぶのだとしてもほとんど意味がない。もし子ども向けに買うとしたら、ゆうゲームズなどを参考にするだろう。
「テーマ」と「イラスト」は非常に重要だと思う。ちょっと聞いただけでその世界に入ってみたいと心浮き立ってくるテーマ、そしてそのテーマを引き立たせるイラスト、さらにコンポーネントは遊びたい欲・所有欲を大いに刺激するものだ。これさえしっかりしていれば、「ルールのシンプルさ・短さ」はわりとどうでもよい。
「デザイナー」については、いわゆる有名デザイナーが失敗作や焼き直しとも取れるような作品を発表するようになってしまったため前ほど重視していないが、それでもドーラやローゼンベルクはデザイナー買いしてしまう。「メーカー」はアレア、デイズ・オブ・ワンダー、ハンス・イム・グリュックあたりを注目しているが、それは大人好みのテーマとイラストをもっており、バランスも信用できるからだと思う。
「受賞歴」は、年間ゲーム大賞に関してはここ数年、安心して遊べるが少し物足りないと思うようになってしまった。ドイツゲーム賞上位というほうがずっと面白い。これは年間ゲーム大賞があくまでゲームをあまり知らない人をターゲットにしたものであるということと関連があるだろう。
私の場合はこんなところである。ユーロ高でボードゲームの値段も上がるこの頃、みなさんはどのようにして買うゲームを選んでいますか?
川崎晋氏、学研から『テンプラス』発表
頭のよくなるゲーム テンプラス(ショップ.学研)
2002年からボードゲームの販売を手がけている学研から、3月16日に新作『テンプラス』が発売される。数字の書かれたカードとタイルが入っており、「合計が10」をキーワードに3つのゲームが楽しめる。2〜4人用、1500円。
「サムズテン」は縦横に並べられたタイルの上を移動しながら、同じ色の合計が10になるようにタイルを取っていくストラテジーゲーム。合計が10より多くなると直ちに負けというルールがゲームに緊張感をもたせている。
「カウントアップテン」はカードを順番に出していって合計が10になれば得点、それ以上は失点というゲーム。同じ色なら何枚でも出せることから、うまく組み合わせて合計が10をめざしたい。
「ハンドテン」は山札からカードを引き、自分が取るか誰かに押し付けるかしながら、手札の合計が10になることをめざすゲーム。手札の合計が10より大きくなったら失点になってしまう。
いずれもシンプルにして運と戦略の要素を兼ね備えたエキサイティングなゲームに仕上げられている。
作者は『R-ECO』『グラグラカンパニー』の川崎晋氏。、『アルゴ』の若杉栄二氏、『ハッピードッグ』のA.R.ムーン氏、『ことば博士』『熟語博士』の馬場雄二氏などに続き、同人ゲーム界で高い評判を得ているデザイナーが入った。『R-ECO』に共通する小気味のいいジレンマがこのゲームのルールにも感じられる。
このゲームの売れ行き、そして今後の学研のラインナップにも注目しておきたい。
これまでの学研のボードゲーム(パズル、ブロックを除く。リンク先はショップ.学研)
アルゴ/ジュモク/マティックス/トルーゴ /トリンカ /ハッピードッグ /ベルニーニ/だぶるすとん/テンプラス/あいうえおプラス /ジャンケンプラス /タングラムプラス /テトラキューブプラス/ことば博士/熟語博士