Posted in 国内ニュース

大学でボードゲーム(2)

大学の授業でボードゲームを取り上げる動きとして、前回は多摩大学のコンビニゲーム大会、文教大学の歴史カードゲーム制作、東京情報大学のプレゼンテーションを取り上げた。今日紹介するのは、名古屋大学の基礎セミナー「ボードゲームを究める」だ。
この授業でボードゲームは学生のスキルを高めるための教材という位置づけであり、東京情報大学のケースに近い。しかし考えることの楽しさを味わうことが目的になっており、ボードゲームを通して何かを学ぶというよりは、ボードゲーム自体を学ぶという方向に近い。
もちろん、ただ遊んでいれば単位をもらえるわけではない。ゲーム内容や勝つための戦略などを授業中にプレゼンし、学期末にはレポートも課される。成績はルールの理解と分析、戦略の考案、全員による議論への参加、ルール説明のための表現、そしてゲーム成績が総合的に評価されることになっていて、時間と労力を相当費やすことになりそうだ。
ボードゲームの授業がもつ最大のセールスポイントは、モチベーション。配布資料「なぜボードゲーム?」(PDF)で説かれているように、学生の勉強に対するモチベーションの低さは近年の一大傾向であり、それを打破するためにはボードゲームのような新鮮な刺激がなければならない。ルールの理解と説明、戦略の考案と議論、外国の文化背景の学習など、ボードゲームを楽しみながら学ぶことは多い。
授業では『クク』『ニムト』『ボーナンザ』などのカードゲームから始まって要素の多い『アクワイア』『カタン』『サンファン』へと進んでいく。途中で全体ゲーム『ハグル』『たほいや』を挟むところもにくい。これは、担当教官の有田教授がボードゲーム大好き人間であることの証であろう。
しかも驚くべきことに、1年だけの単発授業ではなく隔年で開講され続けているという。その中でノウハウも蓄積され、より体系的で効果的な授業が作られているようだ。
受験生の皆さん、ぜひ名古屋大学へ!(難関ですが)
ボードゲームを究める(名古屋大学)
大学院情報科学研究科(自然情報学科)の有田隆也教授が全学対象の教養講座として開講。「海外のボードゲームを題材として,「調べる」,「考える」,「交渉する」,「表現する」ための基本的な能力と技術を身につける」という目標を掲げ、ドイツゲームなど数多くのゲームをプレゼンして、予備知識のないものについて多角的にリテラシーを身につけることを学ぶ。

Posted in 国内ニュース

健康マージャン

朝日新聞be on Sunday(2月4日)の『元気のひけつ』で健康マージャンの記事。「頭や手先を使うからぼけ防止にいい」ということで、麻雀をするお年寄りが紹介されている。
日本健康麻将協会(http://www.kenko-mahjong.com/)はく60才以上対象の健康マージャンを開いている。もちろん初心者もOKで、各コースを用意。「賭けない、飲まない、吸わない」の「3ない健康マージャン」がモットーだ。
順天堂大の新井平伊教授の談話では、40〜60代に何らかのゲームを多くしていた人は痴呆になりにくいとのこと。推理・集中・判断・注意で前頭葉が、指を動かすことで中心溝が、計算で頭頂葉が、見ることで後頭葉が、記憶で側頭葉がはたらくという。麻雀に限らず、ボードゲームをやっていると脳全体がフル回転している感覚になるが、脳全体が活性化しているというわけだ。ただしエコノミークラス症候群の恐れもあるので、30分から1時間おきに体を動かすことが勧められている。
そして最後に、会社関係しか友達がいない団塊世代が、地域に溶け込む手段として麻雀を利用するという方法も提案されている。いきなり見ず知らずの人とやって、すぐ打ち解ける趣味はそうあるまい。
ボードゲームの効能というと、とかく子どもの教育・発達面に偏りがちだが、これからの少子高齢化社会では、お年寄りも普及の鍵になるのは間違いない。ドイツのセレクタ社は、老壮年向けのボードゲームシリーズ『Nobile』を始めている。
ボードゲーム愛好者は、適度に運動することを忘れないでゲームを続ければ、将来アルツハイマーにならず長生きできる、かもしれない。