ギプフシリーズ、組み直し
ベルギーのゲームデザイナー・K.ブルム氏が手がけ、2人用アブストラクトゲームの傑作とされるギプフシリーズ6作の内容が変更されることが分かった。6作の中で異彩を放つ『タムスク』がシリーズから独立し、代わって今年『ツァー(Tzaar)』という新作が追加される。
ギプフシリーズは『ギプフ(1997)』から始まり、『タムスク(1999)』、『ゼヘツ(2000)』、『デュボン(2001)』、『インシュ(2003)』、『ピュンクト(2005)』と発表されてきたアブストラクトゲーム。国内では桃源郷が輸入販売を手がけている。
このうち『タムスク』は砂時計のコマを用い、砂時計が落ちると動けなくなるという、時間の要素をもったゲームで、じっくり考えながら一手一手を打つほかのゲームとは明らかに系統が異なっていた。しかしこのたびギプフシリーズから外されるのは人気がないからではなく、ブルム氏の独立した作品として『インバース』などのように別立てするためである。
新しく仲間に加わる『ツァー』の詳細は未定だが、今年のエッセン国際ゲーム祭でプレリリース版が1000個、作者のサイン入りで発売され、来年、オランダのスマート社から正式に発売されるという。ギプフシリーズが終わってブルム氏の今後が心配されていただけに、新作の発表は嬉しいニュースだ。
Boardgamenews: Sixth Game in Project GIPF to Appear at Spiel 07
ドイツゲーム賞2007に『大聖堂』
フリードヘルム・メルツ社は9月17日、今年のドイツゲーム賞を公式サイトにて発表した。ドイツのボードゲーム愛好者の一般投票の結果、『大聖堂』が今年一番のお気に入りに選ばれた。
10位までの結果は以下の通り。ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた5タイトルでは、『イスファハン』の4位が最高で、大賞作の『ズーロレット』も5位と人気を集めきれなかった。年間ゲーム大賞の受賞作で5位というのは、2004年の『チケットトゥライド』(6位)に次ぐワースト2位記録。
一方、1〜3位の『大聖堂』、『ノートルダム』、『ヴァイキング』は推薦リスト止まりで、両賞の受賞傾向がはっきり分かれる結果となった。
ダントツ1位の『大聖堂』は昨年のエッセン国際ゲーム祭で発表されて以来人気を保持し続け、オーストリアゲーム賞エクスパート部門、オランダゲーム賞ノミネート、国際ゲーマーズ賞ノミネート、ドイツ年間ゲーム大賞トト中間集計1位と実績を積んできた。ドイツゲーム賞の受賞は、また多くのフリークを喜ばせるだろう。
フリークが選ぶキッズゲーム賞として注目されるドイツキッズゲーム賞、図解を多くして分かりやすいルールのゲームに贈られるエッセンの羽根賞にはともに『チーズのお城』が選ばれた。
【ドイツゲーム賞2007】
1位:大聖堂(Die Säulen der Erde / M.リーネック、S.シュタドラー / コスモス) 3957pt.
2位:ノートルダム(Notre Dame / S.フェルト / アレア) 2980pt.
3位:ヴァイキング(Wikinger / M.キースリング / ハンス・イム・グリュック) 2576pt.
4位:イスファハン(Yspahan / S.ポーション / イスタリゲームズ) 2298pt.
5位:ズーロレット(Zooloretto / M.シャハト / アバクスシュピーレ) 1293pt.
6位:アルカディアの建設(Die Baumeister von Arkadia / R.ドーン / ラベンスバーガー) 1222pt.
7位:インペリアル(Imperial / W.ゲルツ / エガートシュピーレ) 1177pt.
8位:レオナルド・ダ・ヴィンチ(Maestro Leonardo / F.ブラシーニほか / ダヴィンチ) 1016pt.
9位:テーベの東(Jenseits von Theben / P.プリンツ / クイーンゲームズ) 965pt.
10位:コロッセウム(Colosseum / M.リュプケ、W.クラマー / デイズ・オブ・ワンダー) 855pt.
ドイツキッズゲーム賞
チーズのお城(Burg Appenzel / B.ヴェーバー、J-P.シュリーマン / ツォッホ)
エッセンの羽根・模範ルール賞
チーズのお城(Burg Appenzel / B.ヴェーバー、J-P.シュリーマン / ツォッホ)
・Deutscher Spiele Preis: Das Jahresergebnis 2007