テンデイズラジオのフォローの4回目。オリジナルは増えすぎたゲームの整理が目的だが、私の場合は、自分が持っているゲームの中から、ジャンル別にベストゲームを選ぶことで、記憶の奥底に埋もれているゲームに光をあてる機会にしている。
第6回の「原作ありゲーム」は『大聖堂』『ボトルインプ』『ジキルとハイド』『パレード』くらいしかもっていないのでパス。遊んだことのあるゲームはもっとあるが、私の経験では、原作を読んでいないと面白くないし、読んでいると物足りないというゲームが多いように思う。
さて第7回はトリックテイキングゲームである。ドイツには『スカート』や『ドッペルコプフ』などの伝統があり、トリックテイキングゲームが異様に発達している。トランプでできるものをわざわざ製品にするのだから、ルールにひねりを加えるだけでなく、テーマやイラストなどに工夫をしなければならない。
私のノミネートは『ニエット』『ポートロイヤル』『ジュピターのもとに』。
『ニエット(Njet!)』はラウンド毎に切り札などのルールを予めみんなで決め、チーム戦で争うゲーム。ルールは消去法で決めるというところが絶妙で、どこを消すかが、副官選びの重要な情報となる。後半にレートが上がってヒートアップするのが面白い。ロシアンテイストもグッド→TGW
S.ドーラ/ゴルトジーバー(1997年) (『4in1(2007年)』に収録)
3〜4人用/10歳以上/20〜30分
『ポートロイヤル(Port Royal)』では、リードプレイヤーがラウンドのルールを全て決めるが、そのリードプレイヤーは得点を減らした競りで決める。取れるカード(宝)は船に積めるだけで、それを超えると船が沈んでしまうから慎重な戦いが要求される。各プレイヤーが持つボードで戦況が分かる。→TGW
W.パニング/クイーンゲームズ(1999年)
3〜4人用/10歳以上/30〜45分
『ジュピターのもとに(Beim Jupiter)』は、獲得トリックを予想して当たれば得点になる。予想に使うカードは手札から出し、それは得点になるから、手札はラウンドごとに減っていく。だんだん予想しやすくなるにつれて、相手の予想を妨害するなどの駆け引きも熱くなっていく。神々の意思はどこまではたらくのか?→TGW
M.フェルトケッター/コスモス(2008年)
3〜5人用/10歳以上/45〜60分
テンデイズラジオで取り上げられた中でも『シュティッヒルン』『バス・シュティッヒ』『トランプトリックゲーム!』『乗り間違い』など、本当によいゲームが多い。ドイツゲームの特徴はシステムにあるわけが、基本的なシステムにひねりを加えて発展させるトリックテイキングゲームは、ドイツゲームの粋といっても過言ではない。コアなファンが多いのもよく分かる。
さてベストゲームは『ニエット』。チーム戦自体が楽しいわけだが、どんな相手とチームを組むかが、始まる前の予想である程度見当がつくのが面白い。弱気な予想をしていた人が妙に強かったりという番狂わせも盛り上がる。
日本では複雑すぎるとか、面白さのツボが分からないとか言われることが多いトリックテイキング。私もはじめは『シュティッヒルン』とか『ピサ』とか、何が面白いのか分からなかった。いろんなゲームを遊んで、力の配分やほかの人との駆け引きに気づいたら、きっとハマることだろう。