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「頭がよくなる玩具」にボードゲーム

本日発売の『プレジデントファミリー』2月号に、「頭がよくなる玩具50連発!」という特集があり、その最初にボードゲーム(誌面では「テーブルゲーム」)が紹介されている。クリスマス・年末商戦を控えてか、ゲーム情報誌日経『ゲームエンタ!』創刊号や、写真情報誌『スタジオ・ボイス』1月号にもボードゲームの記事があるが(リンク先:すごろくやブログ)、これらが1?2ページのコラム的紹介であるのに対して、この度は第一特集の冒頭5ページという待遇になっているあたり、ボードゲームに対する教育分野での期待が大きいことを示す。小学生ママの子育て応援マガジン『edu[エデュー]』の付録に『コンティニュオ』が付いたこともあった。

今回紹介されているゲームは『もんじろう』、『カヤナック』、『ラビリンス』、『お月様バランスゲーム』、『ヌメロ』、『ザーガランド』、『ねことねずみの大レース』、『フレームイット!』、『にわとりのしっぽ』、『バルバロッサ』の10タイトル。1ページ2タイトルずつ、大きい写真を使ってボードゲームの魅力を伝えることに成功している。対象年令層・入手難易度ともにバラエティーあふれるラインナップを選んだのは、脳科学者の池谷裕二氏

池谷氏は著書で「脳の適切なスペックや性能は、好奇心や注意力によって引き出されうるわけだ。脳は育てよう」(『脳はなにかと言い訳する』)と書いており、この特集でも「指先への刺激は、大脳皮質の活性化につながるといわれている」と説く。川島隆太氏のDSトレーニングがヒットしたり、学研が「頭のよくなるシリーズ」として次々とゲームを発売したりしているあたり、ボードゲームが今一番世間に訴えかけるセールスポイントは「頭脳」のようだ。ただそればかりでは親が「やめろショッカー!」と嫌がる子どもを改造人間にしてしまうみたいで好ましくない気がするが。

問い合わせ先に「頭脳スポーツ協会」。副会長の成田義也氏がインストしている写真と、『頭脳絶好調』『シンペイ』『チケットトゥライド』などを並べた写真が載っている。池谷氏がどれくらいゲームに詳しいのか分からないが、頭脳スポーツ協会のラインナップから多くを選んでいるので問い合わせ先以上の協力があったのかもしれない。また『にわとりのしっぽ』と『バルバロッサ』の取扱店として「すごろくや」、この頃マスコミでどんどん取り上げられているのは店長のボードゲーム選択眼だけでなく人脈の広さもあるだろう。

「コンティニュオ」で検索すると親子が夢中になっている日記が出てくる。こうして雑誌の記事に取り上げられるたびに少しずつボードゲームの認知度が高まって、目的は何であれ興味をもつ人が増えてくれたら嬉しいと思う。ボードゲームファンの方も、この雑誌は買って損はありませんよ。

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ファクトリーファン(Factory Fun)

勢いで導入、後で苦労

あまり広くない工場に機械を並べて、よく分からない工業製品を作るパズルゲーム。オランダのメーカー、クワリから。
ゲームは機械タイルを人数分だけ表にして、早い者勝ちで取り、自分の工場に並べるというのを繰り返す。機械は赤青黄3種類の原材料を入れたり出したりしてはたらき、最終的に黒い製品を完成させる。しかしゲームの目的は製品を完成させることではなく、機械を上手につなぐこと。
原材料は貯蔵庫から出せるが、機械が遠くにあるとパイプでつながなくてはならない。パイプはコストがかかって減点になってしまう。そこでほかの機械から出てきたラインを次の機械へ。パイプが節約できるだけでなく、最後にボーナスも入る優れた方法だ。
下手に配置していると後からどんどん苦しくなる。とんでもなく長いパイプを引かなければならなかったり、パイプを引こうにも場所がなかったり。そうなるとコストを払って場所を変えるか、置けなかったタイルを戻してペナルティを払うかとなる。計画的に、そしてタイル選びは慎重に。
序盤は貯蔵庫をできるだけ使わず機械同士をつなげるよう心がけて1位。お隣のT.V.Flipperさんは対照的に、貯蔵庫を序盤に置ききってしまってツライ状況になっていた。最初のタイル早取り以外にインタラクションがなく、パズルゲーム好きのための作品だろう。ホームページでは与えられた機械を使って最高点を考えるソリテア・コンテストまで開かれている。
Factory Fun
C.ファン・モーセル / クワリ, 2006