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ディエゴ・ドラゴンの牙(Diego Drachenzahn)

フェイントかけてるのか素でハズしてるのか
エッセン国際ゲーム祭で発表されたハバので一番目を引いた新作。見ただけでだいたいどういうゲームか分かるが、ビー玉をはじいて狙った穴に入れるというゲームだ(ほんと見たまんま)。
自分の番になったらタイルを引くと、アイテムが指示される。その穴に向かってビー玉をコロコロ。ボードの中は斜面になっていて、方向さえ決めれば後はひとりで転がっていく。ビー玉は3つあり、1つ入るごとに1点で最高3点入る。
それだけだったら小学校の図画工作でもできそうだが、ポイントはほかのプレイヤー。ビー玉を3つはじいた後に、どのアイテムを狙っていたかを予想してそのアイテムのカードを出す。当たれば1点。
狙い通りに入ったと思っても、はじき方が見え見えだと得点差が開かない。あたかも偶然入ったふうにさりげなく弾く。ほかのプレイヤーは指先や視線、さらには表情までしっかり観察しなければならない。これだけのルールでゲームの緊張感ががらりと変わるのがすごい。
フェイントをかけて脇の壁にバウンドさせてみたりもしたが、そういう姑息な手では当然のごとくトップは取れなかった。ふうかさんがkarokuさんの狙いをことごとく読みきっていたのが驚き。どうも心理戦の要素まであるらしい。
Diego Drachenzahn
M.ルートヴィヒ/ハバ(2009年)
2〜4人用/5歳以上/15分
ドラゴンの牙

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千の鏡のお城(Burg der 1000 Spiegel)

覚えきれない迷宮
鏡を差し込んで、お目当ての宝物を探す記憶と思考のゲーム。今年のドイツキッズゲーム賞に選ばれた。
ドイツキッズゲーム賞は、ドイツゲーム賞の投票のついでに1タイトルだけ、好きなキッズゲームを投票して決められる人気投票である。投票をしている人の大半が大人、しかもゲーマーだけあって、子ども向けではなく大人でも遊べる子供ゲームという傾向が強い。過去5年間の受賞作は『誰だったでしょう?』『チーズのお城』『魔法使いの夜』『アカバ』『墓場の吸血鬼』。ドイツ年間キッズゲーム大賞と比べると、一般の子ども向けではないことが明らかだろう。
さてこのゲームは、ダイスを振ってコマを進めると、止まったマスに探すべきアイテムが指示される。ボードのわきに窓があって、そこから覗いたときに、お目当てのアイテムが見えるように鏡を配置する。鏡は3枚あって、大人ならば造作もなく配置できるだろう。ただし、そのアイテムがどこにあるか分かっていればの話。
アイテムの数は11。一応はじめに、どこに何があるか確認しながら差し込んでいくのだが、もう覚えていられない。1つか2つ確実に覚えておき、そのアイテムが指定されるのを待つぐらいか。覗くたびにどこに何があるか少しずつ分かってくるが、それより早く忘れてしまってはどうしようもない。
ほかのプレイヤーは何をしているかというと、正解か不正解かをカードで賭ける。実際ほとんど当たらないので、不正解に賭けたほうがお得になっており、探す前に皆から口々に「ハズれろ!」なんて言われる。たくましく生きよう。
karokuさんが冷静な不正解ビッドと、高い正解率(ちょっと前に止まったアイテムにまた止まったという)で1位。やはり子供ゲームではなかった。
Burg der 1000 Spiegel
M.ブラント、I.ブラント/コスモス(2009)
2〜4人用/6歳以上/30〜45分
千の鏡のお城