アンケート:個人輸入
Q.33:ボードゲームを海外から個人輸入したことがありますか?(2010年2月)
A.何度もある 56票(34%) | |
B.1、2度ある 24票(14%) | |
C.ない 85票(52%) |
日本のショップでは手に入らなかったり、入手が難しかったりすることはよくあります。かつては高い手数料で銀行振り込みしかなかった支払い方法もペイパルやクレジットカード決済で簡便となり、さらにドイツアマゾンの登場で敷居はぐっと下がりました。アンケートでは約半数の方が個人輸入経験者で、3人に1人が何度もしていると回答。個人輸入のゲームが広く流通している様子です。とはいえ、翻訳が付かない、欠品や破損などトラブルの対応は自分でしなければならないなどのリスクもありますから、利用の際は十分なご注意を。
3月のアンケートは、ネットオークションの利用についてです。現在ヤフオクなどで盛んにボードゲームが出品されていますが、どれくらい利用されているかをお尋ねします。トップページ右に「Q」というボックスがありますのでこちらから回答をお願いします。
マイナーメーカーの売り出し方
『アドアストラ』は、イタリアのネクサス出版が初めて取り組んだデザイナーゲームシリーズである。ルールブックには、作者であるB.フェデュッティとS.ラジェ(フランス)の紹介文を、デザイナー仲間のB.カタラが特別寄稿したり、代表作を並べたりしてデザイナーを前面に打ち出している。今後もシリーズが予定されている。
『カヴァム』は、オランダのQWGゲームズが大賞作家のW.クラマー(ドイツ)に委嘱した作品。これで一躍注目を浴び、第2弾の『カーソンシティ』の成功につなげている。
どちらにも共通するのは、そこそこ定評がありながら知名度が低かったメーカーが、ドイツで有名なゲームデザイナーを担いで注目を集めるというパターンである。今やエッセン国際ゲーム祭に出展する団体は763団体(2009年)にものぼり、特に非ドイツメーカーは何らかの売りがないと簡単に埋もれてしまう。ところが1作でも有名デザイナーを看板にしてオリジナル作品を出すと、その後の展開ががらりと変わる。
アジアでは韓国のボードゲームカフェ・ペーパーイヤギがR.クニツィア(イギリス)に『ドラゴンマスター』というオリジナルゲームのを作らせたことがあるが、ほかのボードゲームカフェとの差別化のためであり、海外に売り出す意図はなかった。結局、フランスのカクテルゲームズから『ロボットマスター』としてリメイクされているが、商売としてはもったいない話ではある。
昨年から、香港のゲームメーカー・ウォーゲームズクラブが水墨画を使った『モダンアート』の中国語版を発売したり、『スチーブンソンズロケット』の中国マップを計画したりするなど、面白い動きを見せている。既存のゲームでも、デザインを変えれば注目される。『ウントチュース!』日本語版を作者のワレス(イギリス)にもっていったタナカマさんは、ワレスファンにもみくちゃにされて大変だったという。
学研がA.R.ムーン(アメリカ)に作らせた『ハッピードッグ』のようにあまり成功しなかった例もあるから、一足飛びにオリジナルでなくともよい。例えば『チケットトゥライド』の関東版などをデイズオブワンダー社公認で作ったら海外でも引く手がありそうだ。
デザイナーブランドはまだまだ確立されていない日本だが、海外ゲームの日本語版ばかりでなく、有名デザイナーや有名タイトルを足がかりに海外展開するメーカーが出てきてもよいのではないかと思う。ヤポンブランドに参加しているメーカーあたり、そのような展開を検討してはどうだろうか。