アイスクリームタワー(Icecream Tower)
セルフでお願いしまーす
おいしそうなアイスクリームを、崩さないように積み上げるバランスゲーム。2009年にエポック社から発売された国産品である。
アイスの種類は定番のバニラやストロベリーから、粒入りのベリーストロベリーやチョコミント、変わったところではバナナミルクやマシュマロチョコなど16種類。プラスチックだが実によく塗装されていて本物のよう。遊んでいるうちにアイスが食べたくなってくる。
手番にはお客様となって手札から「注文カード」を出し、となりの人にいくつ積むかを指示。「シングル1つ下さい。」となりの人はアイスクリーム店の店員となって、注文どおりにアイスを積む。
積むのは素手ではなく、ちゃんとディッパーが付いている。アイスクリームにセットして、コーンの上で上のボタンを押すとアイスが落ちるという本格設計。本物のアイスを重ねているような雰囲気だけでなく、素手よりもバランスが取りにくいので器用さが試される。
崩したら、その時点で積んであったアイスの数だけお客様が得点。店員は失敗しても得点を献上するだけで、失点にならないのがいい。
店員になったとき、「店員カード」を出すと自分で積むのを回避できる。積まなくてよい「品切れです…」や、ほかの人に積ませるものなどもあるが、盛り上がるのが「セルフサービスでお願いします。」これを出されると、注文した客が積まなくてはいけなくなる。大人はもちろん、わざとずらして積むので、それが自分の首を絞めてしまう。さらに手番の周りはリバース。一難去ってまた一難である。
基本ルールではコーンを台の上に載せて積むが、発展ルールでは手持ち。アイスがグラグラしているコーンを渡され、その上で「トリプルお願いします!」だった日にはもう!
単なるバランスゲームというだけでなく、注文カードと店員カードの応酬が緊張感をもたらすよくできたゲームだった。対象年齢の下限は低いが、大人でも盛り上がって楽しめるだろう(アイスクリーム好きがいればなおよし)。
作者不明/エポック社(2009年)
2〜4人用/4歳以上/20分
・Amazon:アイスクリームタワー
『砂漠を越えて』日本語版発売
輸入ゲーム販売のホビージャパンは今月、陣取りボードゲーム『砂漠を越えて』日本語版を発売した。アマゾンでは2月13日の発売予定となっているが、ボードウォーク(岡山)やアークライト(東京)が2月5日付で販売を開始している。2〜5人用、15〜45分、10歳以上、4200円。
『砂漠を越えて』(原題Durch die Wüste)は、日本でも人気の高いイギリス在住のドイツ人ゲームデザイナー、R.クニツィア氏によるもので、1998年にコスモス社(ドイツ)から発売された。砂漠を舞台に、ラクダのコマを置いてキャラバン隊を伸ばし、井戸やオアシスを囲んで確保する。囲碁の要素をもった陣取りゲームで、ルールはシンプルながら奥が深い。また、人が乗った色とりどりのラクダがボードに並ぶ様子は美しく、見た目にも惹きつけるゲームだ。
1998年にはドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞4位を獲得し、オランダ、フランスでもゲーム賞にノミネートされている。また、『チグリス・ユーフラテス』、『サムライ』(ボードゲーム)と共に、クニツィア氏のタイル配置ゲーム三部作のひとつにも数えられる名作である。
今回ホビージャパンが発売したのは、ファンタジーフライト社(アメリカ)の英語版を元にしている。アラビア語風のロゴがゲームの雰囲気をよく伝えている。定番ゲームとして、ロングセラーになることが期待される。