カタン:港は建設した手番から使える
来月18日と19日、ドイツでカタン世界選手権が行われる。現在、カタン世界選手権はアメリカとドイツの交互開催となっており、ドイツで行われるのは2年ぶり。昨年のアメリカ大会よりも多い20カ国以上の代表を集めた模様だ。
さて、大会ルールの中に、「港は建設した手番から使える」というのがあった。多くの人はNGだと思っているのではないだろうか。
このルール変更は、交換フェイズと建設フェイズを分けるか否かというルールと関係している。初版のルールでは、ダイス→交換→建設の順番は守らなくてはならず、いったん建設を始めたらもう交換できない。港の使用は交換にあたるから、港を建設した手番にはもう使えないということになる。
ところが現在のルール(2010年版)では、交換と建設を分けているのは初心者向けにゲームの流れを分かりやすくするためのものであって、「経験者は、交換と建設を分けないことをお勧めします」となっている。そして交換→建設→交換→建設というように、1回の手番に2つのフェイズを何度も行き来できるとする。初心者は順を追ってプレイしたほうがよいが、慣れたら交換と建設の区切りを取り払ってよいというわけだ。
「経験者(Erfahrene Spieler)」という表現がルールに加えられるあたり、いかに『カタン』が世界中で遊びこまれているかを示すものであろう。このルールによって三角貿易のようなこともできるようになり、ゲームに深みが出る。
『カタン』に「今更」はない。しばらく遊んでいない人は、棚の奥から引っ張り出してみてはいかがだろうか。
ひとつの文でどうぞ(EinSATZ – bitte!)
ミスマッチなヒントに四苦八苦
『プライバシー』で新たな側面を見せたシュタウペが、昨年2タイトルのコミュニケーションゲームを発売した。そのひとつがこの作品である。穴埋めをした定型文でヒントを出して、みんなに当ててもらうというゲーム。
多人数で遊べるが、何人でも2チームに分かれ、1チームずつゲームを行う。親はお題と定型文カードを引き、定型文カードに言葉を入れてヒントにする。ほかの人はそのヒントを聞いてお題を当てる。
定型文のヒントは、必ずお題に関係していなければならない。「それは大部分……からできています」「それを電気につなぐと……」定型文カードはたいていお題とミスマッチなものだから、ヒントを出すのも一苦労。定型文以外のヒントを出してはいけないため、もどかしくてたまらない。
当たったら、親を交代して次のお題へ。制限時間になったら、相手チームの番になる。何ラウンドか行って、トータルで多く当てたほうのチームが勝ち。砂時計のカウントがあるので、落ち着いて考えていられない。焦って手当たり次第にヒントを出すさまがおかしい。
さりげなくちょっとエッチなお題も入っていて、シュタウペの趣味を感じさせる。
EinSATZ – bitte!
R.シュタウペ/ハイデルベルガー(2009年)
3〜24人用/10歳以上/20分