『人生ゲームドリームチェンジ』発売
変化と夢を盤上に盛り込んだことが今回の特徴。盤面は「田」の字の正方形で、スタート&ゴールステージ、ファミリーステージ、ランクアップステージ、ハッピーライフステージと4つのブロックに分かれている。
ハプニングマスに止まったりすると、「ステージチェンジ」といって各ステージをひっくり返すことができ、得られる金額が大きかったり、お宝をゲットできる確率が上がったり、ギャンブルでひと儲けできるチャンスが増えたりと、夢のように人生が好転する。ボード反転に伴って、家もひっくり返るというギミックも楽しめる。
でもいつ元に戻るか分からないので、そのタイミングによって劇的に勝敗の行方が左右される。「ステージチェンジ」の確率を上げたり、職業をランクアップさせたりできるチェンジカードが勝負の鍵を握る。
また世相を反映させたマスも笑いどころ。「子供手当てが出る」「地デジ対応に思い切って3Dテレビを購入」「家庭の政権交代!お小遣いが上がった」など、読み上げるだけでも楽しめるようになっている。
・タカラトミー:人生ゲームドリームチェンジ
ハンザ・テウトニカ(Hansa Teutonica)(2)
お互いに手を取にか
ゲーム内容はこちら。プフェファークーヘルでは4位と評判は上々で、ドイツゲーム賞でも1位は難しいかもしれないが間違いなく上位に入ってくるだろう。私はこのゲームをとても気に入っていて、昨年のエッセン国際ゲーム祭で発売された新作で5本の指に入ると思う。
序盤は1回のアクションで通商路を完成させることができない。手下を3人置くところで2アクションとか、4人置くところで3アクションしかないからである。そのため半分置きになったところにほかのプレイヤーが1人だけ置いてブロックするという手が横行する。これを追い出すには、相手に手下を1人余計に消費させるだけでなく、自分も追加で1人置けるのでとてもお得なのである。
でも、このために膠着することはない。完成させなければ自分の手下が減り、ほかのところに置けなくなってくるから、放置しておくのは得策でないからである。むしろ、お互いに追い出して手を伸ばしあうほうがよい。
序盤はレベルアップ(特にアクション数)のルートが当然混むが、そこは2ルートあるし、両方埋まっていてもほかにやりたいことはいくらでもある。今回は、くさのまさんがレベルアップはほとんどせずにルートをつなぎまくっており、それに伴って鍵(つながっている都市数分の得点)だけ上げたり、チップも積極的に集めれば十分勝ち目はあった。
確かにアクション数を増やし、ついでルートをつなぐのが王道である。でも皆が同じことを狙えば、それ以外の戦法を取った人に勝ち目が出てくる。そんなクニツィア的なジレンマを感じた。
通商路ブロックを近隣ルートへ広げるチャンスと捉え、またアクション数のレベルアップを経ないでも勝ち目があると考えれば、このゲームには随所に駆け引きがあり、それによって深みは一段と増すように思われる。前回は4人、今回は5人。どちらも概ね好評だった。
Hansa Teutonica
A.シュテーディング/アルゲントゥム出版(2009年)
2〜5人用/12歳以上/60分
ゲームストアバネスト:ハンザ・テウトニカ