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シンボルで言いましょう(Sag’s mit Symbolen)

微妙に外してヒントを出す

絵をヒントにして、8枚のお題カードから正解を当てるコミュニケーションゲーム。『ヒントをもうひとつ』と趣向が似ており、それで思い出してゲーム棚のコミュニケーションゲームコーナーから取り出してきた。メーカーはアミーゴだが、日本にはプレイスペース広島とオフィス新大陸でちらっとしか入らなかったようだ。
8枚のお題カード(付属のものはひねりがないので『私の世界の見方』から流用)を並べ、親が見ていないところで正解を1つ決める。親のとなりからヒントスタート。25のイラストから正解に関連していそうなものを1つずつ選んで、コマを置く。
親はヒントが1つ出されるたびに、2つの選択肢がある。「これは違う」というものを取り除く消去法と、「これが正解だ」と1つ指定する方法。だいたいは消去法である程度絞り込んだところで、正解を指定するのが正攻法である。
消去法の場合、うまく取り除ければヒントを出した人に1点。親が誤って正解を取り除いてしまった場合、親とヒントを出した人以外が3点を取る。一方、正解を指定した場合は、当たっていれば親だけが残り枚数の分だけ得点し、外れればやはり親とヒントを出した人以外が3点を取ってしまう。
親が正解しても、ヒントを出した人は得点できないのがポイントで、そのためど真ん中のヒントが出せないようになっている。いいルールだ。
序盤は無理をして枚数が多いところでチャレンジしていたが、なかなか当たらない。絵からイメージしているものが、人によってずいぶん違うのである。そこでかなり絞り込んでから正解を指定する安全策に変更。ほかの人が無謀なチャレンジを繰り返したこともあって1位。
絵にコマを置いたとき、正解を知っているほかの人から「は?」とか、「ああーなるほどねー」とか反応が出るのが面白い。親もその反応を見て、重要なヒントかそうでないかを見分けるのだが、誰が反応したかによってもヒントの重要度が変わる。鴉さんの感性は皆と正反対じゃないのとか、大笑いしながら遊んだ。
Sag’s mit Symbolen
C.ウェーバー/アミーゴ(2005年)
3〜6人用/12歳以上/45分
絶版

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シルクロード(Seidenstraße)

キャラバン内の戦い

全員共通のキャラバンを進めながら、他の人より多くの交易品を運ぶドイツのボードゲーム。『ウルク』などでいぶし銀の作り込みが評価されたDDD出版の作品。同じタイトルのゲームはシュミット社(1998年)とズィーマン社(2006年)があるが、全て別ゲームである。
手番には、交易品カードを出して(自分の前に並べる)、ボード上にある3つのキャラバンのいずれかを進め、止まった先のイベントを行う。キャラバンにはそれぞれ運んでいる荷物があり、目的地に到着した時点で、その荷物を一番多く出している人が宝石を手に入れる。最後は宝石の種類と数で勝敗を競う。
宝石を手に入れた人は、その荷物のカードを半減し、キャラバンは荷物を全部交換して次の目的地を目指す。半減というところがミソで、カードを出しすぎると捨て札も増えるから、ほかの人より1枚多いくらいを狙う。しかしそれは逆転されやすいということでもあり、到着まで安心できない。
自分が宝石を取れるタイミングでキャラバンを目的地に到着させるべく、ほかの人が荷物をたくさん出しているキャラバンを進めなかったり、たくさん出して一気に進めたりといった駆け引きがある。また、道中の交易で荷物の種類が変わったり、出しているカードを奪われたりすることもあって益々油断できない。
次はどの荷物が運ばれるか、ボード上のコマで分かるようになっている。一歩先の荷物を出せるよう、トレンドを見極めたい。
道中の交易で得られるダイヤモンドを稼いだぽちょむきんすたーさんが1位。目的地で得られる色のついた宝石は、種類を集めれば高得点になるが、色がかぶるとダイヤモンドのほうが得点が高い。私は色つきを中心に集めたが及ばなかった。
先手を打ってどんどんキャラバンを突っ込んでくる人と、品物を揃えてチャンスを待つ人の、どちらにも勝ち目があるように思う。幅広い戦略が取れるゲームである。
Seidenstraße
H.クーン、W.クーン/DDD出版(2009年)
2〜5人用/12歳以上/60分
BoardGameGeek:Japanese Rulebook