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平日ゲーム会

土日が忙しくてなかなか空けられない今日この頃、トンデモブラウさんと鴉さんをお招きして平日ゲーム会を開催した。子供の保育園の送迎という私の都合で、10:00〜16:00という時間帯にさせて頂く。早い時間から遠くからお越しいただいたお二人に感謝。
以下、遊んだゲームの短評。詳しいレポートは後日アップする予定。
ダンジョンロード(Dungeon Lords)
ダンジョンの魔王となって、モンスターを雇ったりトラップを仕掛けたりして、勇者たちをやっつけるボードゲーム。昨年のエッセン国際ゲーム祭の代表作である。集まってくる勇者を見ながらじっくりダンジョンを作って、その結果を戦闘で試す。小心者だったり頭脳派だったり、悪の親玉もたいへんだなと思った次第。
ドミニオン:錬金術(Dominion: Alchemy)
シリーズ最新作の拡張。新たな財宝カード「ポーション」と、お金とポーションで購入するアクションカードが追加された。とりあえずポーションを買っておかないと買えるアクションカードの選択肢が少ないし、でもある程度買うとポーションが邪魔になるというバランス。
チョコラトル(Chocolatl)
6箇所のエリアで一度にビッドして勝利点などのアドバンテージを得るボードゲーム。一度なのであちら立てればこちら立たず。ほかの人の狙いを読んだり、足元を見たりして、ちょうどよいビッドをめざす。6箇所のパラメータがラウンドごとに変わるのでビッド配分に変更を迫られるのが面白い。
たんとくおーれ(Tanto Cuore)
自分専用の場札(TCGでいうところのパーマネント)というコンセプトを加え、テーマをメイドにしたドミニオン。ドミニオンほどテキスト効果は複雑でないのでとっつきやすい。この自分専用の場札から発揮されるアクションが強力で、これに対して直接攻撃もできるようになっている。

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コミュニケーションゲーム:マイベスト

コミュニケーションゲームは、私の最も大好きなジャンルである。なので、ノミネートを絞り込むのも、ベストを決めるのも候補が多すぎてたいへん難しい。でも、ここでは悩んだ軌跡を記しておこうと思う。
コミュニケーションは、対人のボードゲームに不可欠の要素で、たとえアブストラクトゲームでも皆無ではない。そのため広義ではどんなボードゲームもコミュニケーションゲームと言えるが、ここでは狭い意味でコミュニケーションがメインの、次のようなゲームを考える。

プレイヤーそれぞれの思考を表明し合い、つきあわせるゲーム。初対面同士が打ち解けたり、場の雰囲気を盛り上げるのに有効。可能であれば異性がいることが望ましい。(ドイツゲーム用語辞典

私のノミネートは『私の世界の見方』『リンク』『クイズいいセン行きまSHOW!』。
私の世界の見方『私の世界の見方(Wie ich die Welt sehe…)』は、親が読んだお題の空白部分に当てはまると思うカードを全員が出し、親が自分の主観で選ぶスイスのゲーム。お題も単語も詩的だったりグロかったりエロかったりするのが、さらに妙な組み合わせになって笑いが止まらない。ランダムにカードを混ぜ、そのカードを選んだら失点というダミープレイヤーのルールも秀逸。カード枚数も400枚以上と豊富で飽きが来ない。→TGW
U.ホシュテトラー/ファタ・モルガーナ+アバクス(2004年)
2〜10人用/8才以上/30〜45分

『リンク(Linq)』はヒントを出し合って、同じカードを持っているパートナーを予想するアメリカのゲーム。あからさまなヒントを出すとばれて失点してしまうし、難しいヒントでは相手が分からない。さらに誰のパートナーでもないジョーカーがいて事態を混乱させる。相手を見てこれなら通じると思ったヒントが通じたときは快感。→TGW
E.ニールセン/エンドレスゲームズ+ビーウィッチトシュピーレ(2004年)
4〜8人用/10才以上/45分

私の世界の見方『クイズいいセン行きまSHOW!』は正解がないような問題の答え(数字)を考えて、全員の回答の中間になることを目指す日本のゲーム。問題は「「贅沢な食事」と呼べる外食は、何円以上からでしょう?」というような世間の常識的なところから、プレイヤーをネタにしたものまでさまざまあり、さらに自分で考えてもよい。戦略的に数字を調整したつもりが、思いっきり外れていたりしておかしい。→TGW
川崎晋/カワサキファクトリー(2008年)
3〜10人用/10歳以上/10〜30分

今年のドイツ年間ゲーム大賞にコミュニケーションゲームの『ディクシット』がノミネートされ、新たな時代の到来を予感させる。ボードゲームがより多くの人に遊ばれるには、ルールが簡単で、人数を問わず(多いほうが楽しいが)盛り上がれるというコミュニケーションゲームが大きなカギを握るのではないかと思う。
さてベストゲームは『私の世界の見方』。ドイツから取り寄せて、水曜日の会で遊ぶために全部のカードを翻訳したのもいい思い出だ(この翻訳を手直ししたものが、現在テンデイズゲームズで取り扱われている)。そのときに、ドイツでしか分からない人名やキャラクターを日本風にローカライズするという術を覚えた。こうして生まれた「ガチャピン」カードは無敵カードのひとつ。でも同時に、政治家やアイドルは次々と変わっていくので難しいと感じた(同じ系統の『アップルトゥアップル』もそうだった)。もっと目いっぱいローカライズして、日本語版出ないかなと思っているんだけど。