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スカリノ(Scalino)

重ねずにつなげる

長さの異なる積み木をピラミッド状に重ねて、最終的に上から見て自分の色が多くつながっているようにするゲーム。『ブロックス3D(ルミ)』の元祖ともいうべき作品で、1988年にドイツ年間ゲーム大賞の候補に選ばれている。タイトルはイタリア語で「(階段の)段」の意。
ずっしりと重い木製のコマは各プレイヤー、2マス分・3マス分が3個ずつと、1マス分が6個。最初の人がボードの真ん中に好きなコマを置いて、一段目を始める。手番には、ほかのコマに接するように1個ずつコマを置く。自分の色には上下左右に接してはいけないというのと、コの字になるように置いてはいけないというのがルール。
一段目が終わったら二段目。一段目の最後を置いた人から、色が接していなければ好きなところから始められる。二段目が終われば三段目。だんだん狭くなっていくので、大量得点を狙って大きいコマを温存しておくとどこにも置けない恐れもある(置けないときはパス)。
四段目でピラミッドが完成する。上から見て、1マスだけなら1点、2マスつながっていれば3点、3マスなら6点……6マスなら21点となる。この合計が多い人が勝ち。
くさのまさんと2人でプレイ。1人2色担当なのでコントロールが難しい。端に置けばその上には置かれないので、端を狙う。しかしその上の段では、同じ色のコマを重ねられないため中央付近で礎になることも。そんな中、うまくつながるポジションを取ることができて2戦連勝。置けるパターンが多くて先の読みにくい序盤から、次第に選択肢が狭まる終盤にかけて、相手の置き方を読んでいくところが面白かった。
Scalino
P.パラ/ビューテホルン(1970年)
2〜4人用/10歳以上/15〜20分
絶版・入手難

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ブラックプリンス(Der schwarze Prinz)

カードで攻防

フランスの王位継承をめぐって14世紀に始まった百年戦争。イングランドを勝利に導いたエドワード黒太子がこの作品のタイトルになっている。対するはフランス王フィリップ6世。カードを用いるチェスライクなボードゲームである。ドライマギア社を設立したヨハン・リュッティンガーの処女作で、1983年にドイツ年間ゲーム大賞候補作品に選ばれた。
両陣営には4種類のコマがある。いずれも8方向に移動できるが、歩兵は1マス、テントは2マスまで、騎兵は3マスまで、黒太子/フィリップは何マスでも移動できる。テントは防御専用のコマで攻撃はできない。
お互いに1手番ずつコマを移動して、相手のマスに入ったら攻撃である。3枚の手札から1枚を出し、相手が対抗できなければそのコマを盤上から取り除く。攻撃できるカードは弓矢、剣、槍の3種類で、対抗できるカードはそれぞれ盾、鎖帷子、鎧になっている。手札交換もできるが、何を引いてくるか分からないので、防御できるかどうかは運次第。
攻撃に成功すれば引き続き手番を行い、さらに別のコマを攻撃してもよい。防御されると相手の手番になり、同じ場所で反撃されることもある。
テントを集めて縦横に囲めば、相手の王様しか攻撃できなくなる。ただし、相手のテントを一度にばらばらにできるカードもあるので、一時的な守りしかできないだろう。
このほかに、自分の歩兵や騎士を復活させたり、相手の歩兵や騎士をいきなり取り除いたりするカードもある。相手の王様を取るか、歩兵と騎士を全滅させれば勝ち。
くさのまさんと一戦。相手の歩兵や騎士をいきなり取り除くカードが出されて、盤面からコマが減っていく。テントを集めてもカードでばらばらにされてしまう。その上攻撃しても必ず取れるわけではないから、盤上の位置取りはほとんど意味をなさない。しかし、その分戦闘が熱い。終盤は取ったり取られたりの激しい攻防の末、くさのまさんの黒太子を討ち取って終了。
古き良き時代のゲームである。チェスや将棋でも、相手のコマがあるマスに入ったとき、じゃんけんで勝たないと取れないルールだったら、勝つチャンスが均等になるかもしれない。
Der schwarze Prinz
J.リュッティンガー/ノリスシュピーレ(1983年)
2人用/8歳以上/40分
絶版・入手難