ボードゲームサークルのマナー
不特定多数の人が集まるオープンのボードゲームサークルにおいて、知らず知らずのうちに他人を不快にさせているのではないかと心配する方が多いようなので、自分用のチェックリストとしてまとめてみた。
こういったことは(サークルで明文化されていない限り)「ルール」ではない。サークルによって状況はかなり異なるので、TPOに合わせて適当に気になったものを拾って、自分個人の問題として心がけるためのヒント程度に捉えて頂ければ幸いである。したがって、これをもとにして他人に注意するようなことも本意ではない。他人のマナー違反をどう解消・許容していくかは別問題で、ちょうどてらしまさんが考察されているのでご覧ください。
マナーの本質は「他者を気遣う」ということ
・マナーを押し付けたり、守らないからといってその人間の全人格を否定したりしない
・サークルのルール(持ち込み、TCGやTRPGのプレイ、子供の参加、飲食、喫煙、差し入れ、名札などについて)があれば従う
知らない人同士が集まるところ一般に気をつけること
・体調を整える…集中力が保てるよう、睡眠と食事は十分に
・臭くなく…入浴、清潔な服装、制汗剤、ニオイのきつい食べ物を避けるなど
・挨拶する…会ったときの「こんにちは」、終わりの「ありがとうございました」
・丁寧な言葉遣い…タメ口をきかない、親しくもないのにプライベートに踏み込まない
・主催者に負担をかけない…片付けに協力する、ゴミは持ち帰る
・宗教・ビジネス・政治などの勧誘をしない
プレイ前に気をつけること
・身内の空気を作らない…言葉遣いや内輪受けで初参加の人に疎外感を与えない
・ゲーム選びはサークルの方針や相手に合わせて…苦手なゲーム(特にワード系、リアルタイム系、アクション系、長時間系、創作ゲームのテストプレイなど)を強要しない、特定のゲームにこだわりすぎない
・他人の持ち込みゲームを無断でプレイしない…持ち主の許可を得る
・後から来た人を待たせない…回転の早い卓を用意する、積極的に声がけして誘う
・手洗いの励行…カードに手垢や皮脂がついて汚れるのを防ぐ
・銀行係を決める…イカサマやミスを防ぐ
・インストは丁寧に行う…初プレイの人に合わせて
プレイ中に気をつけること
・用具を丁寧に取り扱う…食事・喫煙しながらプレイしない、カードを曲げて持たない、リフルシャッフルしない(ディールシャッフルが安全)、机に叩きつけない
・騒ぎすぎない…盛り上がっても周囲に気を配って
・過剰なアドバイスをしない…不慣れによるプレイの遅れや、定石と異なるプレイも寛容に
・途中で投げない…敗色が濃くなっても、いい加減にプレイしない
・全体のリズムを乱すほど長考しない…考えどころでは予め断る
・卓外から無断で観戦しない…断って観戦していても口出しはしない
・プレイ以外のことをしない…メールや携帯電話は使う前にひとこと断る、外野との会話に熱中しない
・手札はきちんと隠す…見えてしまうことで戦略が変わってしまう
・口三味線はほどほどに…「失敗した〜!」「シマッタ」「ダメだ」などの発言はコミュニケーションのスパイス程度にする
プレイ後に気をつけること
・プレイヤーを批判しない…ミスをなじらない、嫌味をいわない
・ゲームを批判しない…面白いと思った人もいるかも
・聞かれてもいない薀蓄を語らない…デザイナーやメーカー、ゲームの背景など、興味がある人ばかりではない
・丁寧に片付ける…床に落ちているコマなどないか確認する
アップ・ザ・リバー(Fluß aufwärts)
ゴールは目前なのに遠く
どんどん流れていく川を上るすごろく。強制ストップの中洲や、もう1回進める大波を計算に入れて、自分の3隻のヨットのどれを進めるか考えよう。20年以上前のゲームで、日本語版も発売されていた。2002年にハバ社から『マラケシュ(Marrakesh)』というタイトルでリメイクされた。
川の流れを表すのはタイル。全員1回ずつ手番を行ったら、川下にあるタイルを川上に移動する。相対的にコマは1マスずつ下がるわけで、川に流される様子がよく出ている。
はじめに与えられるヨットは1人3隻。自分の番にはダイスを振って、1隻だけ進める。進まないでいると、タイルがどんどんなくなっていって滝つぼに落ちてしまう(復活しない)ので、後方優先でいきたい。でも、ゴールは着いた順に得点が高い。1隻くらいあきらめてトップを目指すか、全体的に進めて着実に得点するか。
タイルの中には中洲があり、ここまできたら残りの目がなくなる。滝つぼが後ろに迫っている時などは焦る。一方、大波タイルは追加で3マス進める。ここに止まる目を逃さないようにしたい。
子供たちとプレイ。1つ滝つぼに落ちたが、残りでトップを取って1位。長女は全部生き残り、最後まで手番を行っていたので勝つかと思ったが、到着が遅れたので得点が伸びなかった。シンプルなすごろくだが、どれを進めるかはなかなか考えさせられる。
Fluß aufwärts
M.ルートヴィヒ/ラベンスバーガー(1988年)
2〜4人用/6歳以上/20分
ゲームストアバネスト:マラケシュ
プレイスペース広島:マラケシュ