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世界の七不思議(7 Wonders)

七不思議、同時進行中

3つの時代にわたって、自分が受け持つワンダーを発展させるフランスのゲーム。2010年のエッセン国際ゲーム祭でひときわ注目を浴びている。作者は『ゴーストストーリー』のボーザ。7人まで遊ぶことができ、何人で遊んでも30分くらいしかかからないというスピーディなゲーム展開がウリだ。
七不思議から、各自1つのワンダーを受け持つ。第一時代のカードとお金が全員に配られ、その中から1枚を選んで自分のワンダーに置く。全員が置いたら、残りのカードをそれぞれ隣の人へ。また1枚選び、残りを隣の人へ……というようにして、1枚ずつカードを置いていく。カードを置くのは全員同時なので、待ち時間がほとんどない。
カードには資源や軍事力や勝利点などがあり、新しいカードを出すために資源やお金、別の建物が必要だったりして、コンボを作りやすくなっている。また、ワンダーによって、資源が手に入りやすいものや、軍事力が強いものがなど能力が異なり、その方向でカードのコンボを考えていくと面白い。
しかし、隣の人はどんなコンボができそうか分かっているので、絶好のカードはそうそう回ってこない。隣の人に渡したくないカードは、捨て札にして換金もできる。しかし、自分も出したいカードがあるとき、相手を伸ばさないか自分を伸ばすか、選択が悩ましい。
最後に残った1枚を捨てて第一ラウンド終了。ここで両隣の人とだけ、軍事力を比較して、勝っていれば勝利点チップがもらえ、負ければマイナス点のチップを受け取る。両隣だけなので、時間はかからない。
同じように第二時代、第三時代を行う。時代が後になるほど、効果が大きく、出す条件が厳しいカードが増えてよりダイナミックになる。前の時代でしっかり準備して、高いカードを狙いたい。
最後に勝利点を計算して多い人が勝ち。たくさんの要素があるのでひと目では点数が計算しにくいのと、中にはほかプレイヤーの状況によって勝利点が変動するカードがあるのとで、勝敗は最後まで分からない。
神尾さんが、隣りの人のワンダーでボーナスを得るカードなどで大量得点し1位。私は行き当たりばったりで方向性のない発展をしてしまい、第三時代で行き詰まってしまった。
ゲーム紹介には「ドミニオンやレースフォーザギャラクシーに連なる発展ゲーム」と書いてある通り、流行のゲームで高い評価を受けるのは間違いない。同時進行によるインタラクションの薄さは、隣の人にどのカードを渡さないか選ぶのと、軍事力の競争をすることで解決されている。
なお、エッセン国際ゲーム祭で限定販売された第八の不思議「小便小僧」は初日午前中で瞬殺していた。
7 Wonders
A.ボーザ/レポスプロダクション(2010年)
2〜7人用/10歳以上/30分
ホビージャパンより近日発売予定

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エッセン4日目

会期は日曜までだが、私は今日が最終日。朝一番から通訳の事があったが、午後に3時間、夕方に2時間の自由時間があった。その間にメビウスおやじさんと『ブルゴーニュ(Burgund)』試作版(アレア)をプレイ。ダイスの目でタイルを選び、マイボードに置くことで特殊能力や勝利点を得るというゲームである。同じダイス目でも選択肢が数多く、どれが一番有効かを考えるのが楽しい。
それから今日到着されたジーピーの米川さんとお会いする。『カタン』携帯キャリーケース版をコスモスに売り込むのだという。ほかに『カタン』の全国展開計画など。いつもはいろんなゲームを広く浅くということが多い私だが、『カタン』ならば同じゲームに狭く深く入り込む価値がある。
夕方はふうかさん、karokuさんとハバの新作を試遊。『ターボチーム(Turbo Team)』はダイスでウンコの目が出るとバーストするレースゲーム。「ウンコ出ろ!」「ゲゲ、ダブルウンコ!」などと下品に盛り上がる。『ロビンフント(Robin Hund)』はほかの人の手札を記憶して宝を集めるゲーム。手札がどんどん移り変わっていくので記憶がなかなか難しい。
夜は、グループSNEの安田均氏、秋口ぎぐる氏ご一行とトルコ料理屋さんで会食。実は安田氏とお話するのは初めてである。これまでは遠くでお見かけする程度だったが、私の知らない日本ボードゲーム史や、今後のトレンドの推移など、興味深い話をお聞きできた。登場人物はいずれも知っている人ばかりで狭い世界だとつくづく思う。
宿に帰ると夕食パーティは終わっていたが、バネストの中野さんがゲストでいらしていたり、宿のショーコさんがすっかり溶け込んでいたりして、たいへん賑やかにしていた。荷物整理をしながらのんびりしているとこんな時間。毎日25時過ぎまでの夜更かしである。これから3時間ほど眠って、デュッセルドルフに向かう。
フェアプレイのスカウトアクションでは、『七不思議(7 Wonders・レポス)』、『トロワ(Troyes・パールゲームズ)』、『ザヴァンドールの鉱山(Die Minen von Zavandor・ルックアウトゲームズ)』あたりが票数と人気の両方を集めている。明日、明後日の結果も楽しみだ。

地下鉄エッセン中央駅。青い照明とも来年までお別れ