クレニアム(Cranium)
これが原点
「クレニアム」を聞いたことがあるだろうか。アメリカのパーティーゲームシリーズとして何十タイトルも発売されている。多くは原語依存が強いためほとんどが国内発売されていないが、どれも注目に値する。
その原点となったゲームがこの『クレニアム』である。4つのジャンルで時間内にチャレンジをクリアし、コマを最初にゴールさせるのが目的。
4つのジャンルとは、絵や粘土でお題を表現して当ててもらう「クリエイティブキャット」、クイズに答える「データヘッド」、単語の綴りや意味を当てる「ワードワーム」、ジェスチャーやハミングでお題を表現して当ててもらう「スターパフォーマー」。現在止まっているマスの色でチャレンジが決まり、当たればサイコロで進む。
「クリエイティブキャット」では「目をつぶって絵を描く」というチャレンジがあり、簡単なお題でも難しい。「本棚」というお題で、四角と本を何度も描いたが当ててもらえず、終わって目を開けてみたら確かに何だか分からなかった。自分でも大笑い。
日本人には厳しい問題も多い。「データヘッド」は1問目から見たことない絵が出てきて「この女性は誰?」。正解は軍隊に入ろうキャンペーンのスージーだったが、アメリカ人でも分かるか微妙な問題が、日本人に分かるはずもない。「ワードワーム」は「ガーゴイル」「クルトン」のアルファベット綴りを書くという問題で撃沈。「スターパフォーマー」も聞いたことのない俳優がわんさか。
答えが誰も知らなさそうなときは、カードを交換してよいルールにした。ときどきチーム別ではなく、全員一斉に同じお題に取り組んで、早く正解した人が進めるというものもあり、4人が思い思いに意味不明のジェスチャーをしている図は爆笑。
機転とひらめきでチーム福島の勝利。最初に見ず知らずの絵が出て以来、みんなが尻込みしていた「データヘッド」を後で開けてみたら、意外と簡単な問題もあった(「V6エンジンのVは、気筒がVだからである。イエスかノーか」とか)。
Cranium
W.アレクサンダー、R.テート作/クレニアム社(1998年)
4〜16人用(2人以上で4チームまで)/13歳以上/60分
国内未発売
江別自宅ゲーム会
恩師の披露宴に招かれ札幌へ。せっかく札幌まで来たのだからと、以前仙台にお住まいのときに知り合った北海道の筒井さんに連絡を取り、札幌のとなりの江別にてゲーム会を設定していただいた。kak-A(かくえい)さん、西宮さんと4名。Phage(ファージ)というボードゲームサークルのメンバーである。10時から10時間たっぷり遊ぶ。ゲームの合間にはたっぷりボードゲーム談義も楽しんだ。
札幌でもボードゲーム人口は増えているという。出張のついでに週末オープンサークルを探して参加する人もいると聞いた。全国津々浦々にボードゲームサークルがあって、どこに出張・旅行してもそこでボードゲームを遊べるといいなと思う。
・屋台料理大食い勝負(Taiwan Snackbar)
ゲームマーケットで台湾のスワンパナシア社が販売している密かな人気作。チキンレースと、カード枚数のマネージメントが楽しい。山札から1枚ずつめくっていって、「もうたくさん」カードが出るとアウトなのだが、1枚目からめくってしまったり、最後の1枚がそうだったりして盛り上がった。ぎりぎりの見極めで手札を増やし、危ない場面は指名カードで回避した私の勝利。
・シティ・タイクーン(City Tycoon)
近未来都市をタイルで広げ、物資を輸送して勝利点を増やすポーランドのゲーム。建物タイルはドラフトで手に入れ、お金を出して配置する。電力・水・商品の3種類のアイテムがあり、これを建物に運ぶことで収入や得点になる。タイルは4時代でグレードアップし、値段も上がっていくのに乗り遅れないようにしたい。建物のコンボで高得点できるエリアを作った西宮さんが先行したが、後半の高得点の建物で筒井さんが逆転1位。所持金と建物のコスト、アイテム配達の収入と支出の勘定、さらにタイルを置く位置と使う順番と、多岐にわたって頭を使う。終わってから「もっとこうすれば」という思いがふつふつと湧いてくる。
・ケベック(Quebec)
カナダで街を作り、5つのジャンルで影響力を競うボードゲーム。自分が開いた街は、ほかの人が多く利用するほど価値が上がるので、みんなが求めているものを予想して場所を選ぶのがカギとなる。もうひとつのカギは、毎ラウンド最後にコマの数を競う5つのジャンル。1つ目のジャンルで一番多かった人は、半数を2つ目のジャンルに持ち越し、2つ目のジャンルで一番多かった人は、半数を3つ目に……というシステムで、上流にたくさん置くのが有利。ここで大量得点した私がちまちまと稼ぎ、最後のボーナスで一気に追い上げたほかの人を振りきって1位。得点方法はたくさんあるので、ベターな選択の積み重ねが勝利を近づける。
・ブロッケーデ(Blockade)
S.サクソンのアブストラクトゲームアンソロジー。このタイトルのゲームはごまんとあるが、英題は「Sly」というタイトルで1975年の作品。6つのルールが入っているが、このうち4人でも遊べる「トランスミッター」と「スターゲイト」をプレイ。「トランスミッター」は○△□の3つコマでL字を作るたびに新しいコマを投入でき、先に全部投入した人が勝つ。ほかの人の邪魔をしつつ、いかに手数を減らして新しいコマを生めるかが勝負。スマートにkak-Aさんの勝利。「スターゲイト」は中央にある4つのマスに自分のコマを入れる将棋ライクなゲーム。取るときの射程距離はコマによって決まっているが、移動は何マスでも、ほかのコマを飛び越えてもいいのでかなりダイナミック。誰が上がってもおかしくない、先の読めない状況で私に勝利が転がり込んだ。
・ダンジョンレイダース(Dungeon Raiders)
ダンジョンで待ち受けるモンスターやトラップをかいくぐり、財宝を集めるゲーム。5つのイベントに手札から1〜5のカードを出して対処するが、最初から表になっている場合と、そのときが来たらめくる場合があって、パワー配分が難しい。モンスターを倒すときは協力するが、微妙に手を抜くことで犠牲者を出すという腹黒いプレイができるのが醍醐味だ。最もダメージを受けた筒井さんが脱落し、残った3人の財宝比べで西宮さんが勝利。
・変遷の年代記:久しぶりの自宅ゲーム会
・書き込み専用メモリー:T井氏宅ゲーム会