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『ホワイトチャペル』日本語版発売

ホビージャパンは本日、切り裂きジャックをテーマにしたイタリアのボードゲーム『ホワイトチャペル(Letters from Whitechapel)』の日本語版を発売した。2-6人用、13歳以上、60〜150分、5,880円。昨年10月のエッセン国際ゲーム祭で発表されたが、製造が遅れたため、日本語版が世界で一番早い発売となる。
19世紀末、ロンドンで発生した非常に有名な連続殺人事件。切り裂きジャックと呼ばれる殺人犯と、彼を止めようとするロンドン市警の必死の捜索を題材にしたゲームである。ジャックを演じるプレイヤーは、毎夜新たな殺人を実行して隠れ場所へ逃れようとする。一方で捜査員となる他のプレイヤーたちは、ジャックを追跡し、彼を逮捕する手掛かりを集めていく。正確な歴史考察に基づく雰囲気たっぷりのアートワークが雰囲気を盛り上げる。
一対多のシステムで、ドイツ年間ゲーム大賞受賞作の『スコットランドヤード』タイプのゲーム。同社ではイタリア統一を成し遂げた軍事家をテーマにした『ガリバルティ』に続く2タイトル目で、史実をゲームに盛り込むことによってオトナが楽しめる作品に仕上げた。
馬車や裏道を使用して追跡をかわしたり、有名な「ホワイトチャペルからの手紙」を出して捜査を混乱させることができるジャック。交通封鎖で移動先を絞り込んでいく警察。この恐ろしい獣を果たしてロンドン市警は狩り出すことができるのか?

Whitechapel Demo – BoardGameGeek Booth – Essen Spiel 2010 from Scott Alden on Vimeo.

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紫禁城(Die verbotene Stadt)

禁を犯して衣装集め

「紫微垣」という天帝の住処として、人間が立ち入ることを禁じられた「紫禁城」。しかし皇帝の力は弱まり、結婚式用の衣装が盗まれてしまった。宦官を使って部屋を移動し、衣装をたくさん集めよう。1992年、ドイツ年間ゲーム大賞候補作品。
宦官は帽子と服が色分けされており、各自のボードで密かにプロットしておく(設定としては賄賂を送ったことになる)。紫禁城内にある8つの部屋の中から、ダイスでランダムに1部屋が指定される。手番になったら、宦官を移動して、指定されて部屋に入ることを目指す。
宦官の移動は、ランドルフの傑作『ハイパーロボット』(1999年)と同じで、行き止まりまでは止まれず、行き止まりのみ方向転換できるというもの。紫禁城ではたくさんの袋小路があり、プロットした宦官を入れるには、それ以外の宦官を袋小路に入れて通路を作っていく。
宦官を1コマ移動するたびに、隣の人がダイスを振り、最高4コマまで移動できる。ダイスは大中小と小さくなるにつれてストップする確率が上がるので、たいていは2〜3コマぐらいで部屋に入れなければならない。
うまく部屋に入ると結婚衣装カードをゲット。宦官は処刑され、新しい部屋がダイスで指定され、新しい宦官をプロットしてゲームを続ける。
途中から、自分がプロットしていない宦官を入れることもできるようになる。誰もダウトしなければ結婚衣装カードをゲットできるが、疑われてウソだった場合、結婚衣装を取られてしまう(ウソじゃなかったら逆に奪えるので、ダウトをかけるのもリスクがある)。
中盤までは結婚衣装カードを1枚ずつ取っていくが、終盤になるとあるだけ全部取れるようになり、また部屋のカードがなくなったらほかの人から奪うこともできるというインフレが起こる。大逆転なるか。
宦官が15人処刑されたらゲーム終了。結婚衣装カードを1枚1点で計算するが、上中下で揃っていれば得点が上がる。
袋小路に大方入れ終わると、あとは1,2手で部屋に入れるようになった。『ハイパーロボット』と違って何回曲がってもよいので、ぐるっと回れば何とか部屋に入れることが多い。終盤に大量の結婚衣装を集めた私の1位。プロットあり、ブラフあり、パズル要素ありと、ランドルフの気合が感じられる作品だった。
Die verbotene Stadt
A.ランドルフ、J.リュッティンガー/ラベンスバーガー(1992年)
2〜4人用/12歳以上/60分
絶版・入手難