パニックステーション(Panic Station)
人知れず寄生するエイリアンの恐怖
寄生エイリアンが蔓延する宇宙船内で、エイリアンの巣を焼却することを目指す協力ゲーム。エイリアンに寄生された裏切り者が次々と増えていくが、誰が裏切り者なのか分からない恐怖を味わう。
各自、自分のキャラクターとアンドロイドを1体ずつもってスタート。手番には体力に応じたアクションポイントを使って、宇宙船内を探索し、アイテムを手に入れ、湧いてくるエイリアンを倒していく。
探索では、部屋カードを1枚引いて中央の部屋につなげる。新しい部屋にプレイヤーコマを移動したら、部屋の中を調査してアイテムカードを引く。アイテムにはエイリアンを攻撃する銃弾や手榴弾やコンバットナイフ、ダメージを軽減する防弾チョッキ、扉が閉まっているところを通るカードキー、そしてエイリアン殲滅に重要なガソリン缶などがある。
エイリアンは、アイテムカードの山札から「エイリアン警報」が出るか、調査済みの部屋でさらに調査を行うと出現する。4面ダイスを振って方向を決め、隣の部屋に出現。毎ラウンド1回、全てのエイリアンは4面ダイスの方向に移動し、同じ部屋にいるとダメージを食らう。体力がなくなると脱落になるので、協力して倒したいところ。しかし裏切り者の影が忍び寄る……。
アイテムカードの山札の上のほうに1枚だけ、宿主カードが入っており、これを引いた人は裏切り者として、ひそかに人間殲滅を始めることになる。ヒッヒッヒ。
宿主になったプレイヤーは、ひそかに感染を拡大させる。ここで重要なのが、プレイヤーが同じ部屋で出くわしたら、必ずアイテムを交換しなければならないというルール。同時に裏にしてカードを渡すが、このとき宿主は、アイテムに見せかけて「感染カード」を渡せる。相手はガソリン缶を渡せば感染しないが、それ以外のアイテムだと感染してしまう。第2号誕生。
感染してしまったプレイヤーは、さらにアイテム交換で感染を広げていく。最初は1人しかいなかったエイリアン人間が、プレイヤーの半数、そして全員と増えていくのである。この恐怖が疑心暗鬼を生み出す。敵だと思えば、エイリアンだけでなくキャラクターも撃ってよい。しかしそれは味方かもしれない。途中、全員のウィルススキャンが行われるが、そこでは感染者の人数しか分からない。恐怖はどんどん高まっていく。
全員がエイリアンになってしまったら、脱落した人と、最後に感染した人以外の勝利。その前にガソリン缶を3枚集めて、エイリアンの巣で焼却できれば、人間側の勝利となる。人間側の最後の1人になって巣を焼却できればヒーロー。まるで映画みたいな展開である。
ベルギーのデザイナーがオランダのメーカーから出版した作品。エッセン国際ゲーム祭では、100部しか販売されないというニュースが流れ、大行列ができていた(私も並んで買った1人)。初版のルールで遊んでみたが、宿主は1人感染させられれば御の字という状態。その後ルールが2回改訂されていたことを知った(下記)。宿主が非常に不利だったのが解消されているようなので再挑戦したい。
Panic Station
D.オースロー/ホワイトゴブリンゲームズ(2011年)
4〜6人用/10歳以上/40分
国内未発売
『ドミニオン:異郷』、12月中旬発売
ホビージャパンは『ドミニオン:異郷(Dominion: Hinterlands)』日本語版を12月中旬に発売する。2〜4人用、8歳以上、30分、4200円。人気デッキ構築ゲーム『ドミニオン』シリーズはこれで7タイトル目となる。先月ドイツで行われた世界選手権で日本人が優勝したこともあり、一層注目を集めそうだ。
この拡張セットでは、次々と世界の土地を手に入れていった領主たちが、ついにたどり着いた世界の最果ての地、まだ見ぬ世界の土地や人々がテーマ。プレイヤーがカードを購入するときや獲得するときに即座に効果を表す能力が特徴となっている。
26種類の王国カード(アクションカード20種類、勝利点カード3種類、財宝カード3種類)が入っており、中にはリアクションの能力を合わせ持つ「財宝−リアクション」「勝利点−リアクション」といった強力な新カードも含まれる。今までのカードセットと組み合わせて、さらにバラエティに富んだゲーム展開が楽しめるだろう。
カードの内容やイラストは、下記のリンクでプレビューできる。初回入荷数が限られているため、確実に手に入れたい方は予約したほうがよさそうだ。
・ドミニオンの日々:ドミニオン〜異郷〜カードレビュー