ナショナルエコノミー(National Economy)
地元でお金を回す
労働者をいろいろな職場に送り込んで資産を増やすカードゲーム。ゲームマーケット2015秋に発売され、新作評価アンケートで1位を獲得している。シンプルなワーカープレイスメントと、コンボと労働者の数を踏まえた戦略性が面白い。
最初の労働者は各自2人の労働者をもっている。これを中央にある「公共職場」に1枚ずつ配置して、その効果を用いる。最初の職場は山札からカードを引く「採石場」「鉱山」、労働者を1人増やす「学校」、そして建物を作る「大工」である。1つの職場には原則1人しか労働者が入れない。そのためゲームの進め方がプレイヤーによってだんだん分かれてくる。
「大工」で建物を作るには、手札のカードを1枚自分の前に置き、指示されたコストの枚数を手札から捨て札にする。建物は自分だけが使える職場になり、最後は得点になるので重要だ。最初は手札が少ないので、安い建物から作っていこう。
全員が労働者を配置し終えるとラウンド終了。ここで給料日となり、労働者の人数に応じてお金を支払わなければならない。最初は1人2ドルで楽だが、ラウンドが進むごとにどんどん上がっていき、最後は1人5ドルにもなる。労働者も増えていくのでこの支払いがきつい。そのためのお金をどうやって調達するかが、このゲームの一番のポイントである。
手っ取り早いのは自分の建物を売ることである。結構な金になるが、得点を減らしてしまう上に、売った建物は「公共職場」に行って皆が使えるようになるのでできれば避けたい。しかし序盤にはある程度売ってお金の流れをよくして置くのは必須であるように思われる。
もうひとつは、「家計」からお金を獲得する「露店」や「スーパーマーケット」などの存在。「家計」とはみんなが給料として支払ったお金をストックしたもので、ラウンドごとに増えていくが限りがある(地域経済は、みんなの給料で回っているのだ)。これも労働者を配置して使うので早い者勝ち。後回しにして置くとあっという間にお金がなくなってしまうから、優先順をよく考えて。
給料の支払いが終わったら、労働者を回収して次のラウンドへ。9ラウンドでゲーム終了となり、建物の価値、建物に指示された条件でのボーナス、所持金、未払いのペナルティを合計して最も多い人が勝つ。
4人プレイで45分ほど。序盤はみんな建てては売り、売っては建ての自転車操業が続いた。その中で少しずつ労働者を増やし、終盤に備える。できるだけ建物を売らないようにして頑張ったがいけなかったようで、中盤に足踏みしてしまい、終盤の伸びを出せなかった。建物のコンボも大事だが、それに拘泥せず収支のバランスをうまく取れるかがカギで、次はもっとうまくできそうな気がする。
さりげなく、各建物や「消費財」(建物の建設に使うバナナ)の下に、小さい文字でフレーバーテキストが書いてあるのが読んでいて楽しい。
National Economy
ゲーム工房スパ帝国
1~4人用/12歳以上/30~45分
グループSNEコンテスト入賞『ギャンブラー×ギャンブル!』、2月20日発売
cosaicは2月20日、グループSNEのボード/カードゲームコンテスト優秀作『ギャンブラー×ギャンブル!』を発売する。デザイン・宮野華也、イラスト・平沢下戸、ディペロップ・安田均、3~4人用、10歳以上、15~30分、1,800円(税別)。2月21日のゲームマーケット神戸にて、グループSNEブース(A06)にて試遊可能。
2015年に初めて開催されたグループSNEボード/カードゲームコンテストで優秀作品に選ばれた2作品のひとつが、製品版として登場する(もう1作品は3月発売予定)。
カジノを潰すために集められたギャンブラーとなり、誰が一番稼げるかを競うカードゲーム。ほかのプレイヤーを出しぬいて、カジノに最も大きな損害を与えた者だけが報酬にありつける。
ギャンブラーカードには1~9の当たりナンバーが記されており、各プレイヤーは手札にある0~3の運命カードを1枚ずつプレイして、その数字の合計値が所持しているギャンブラーの当たりナンバーと合致することを狙う。ギャンブラーカードは各自の前に置いてあるので、どの数字を目指しているかが分かる。ほかのプレイヤーの当たりナンバーを避け、自分だけが当たるにはどの運命カードをプレイすればよいだろうか? 読み合いとブラフ渦巻くギャンブルが繰り広げられる。
・グループSNE:ギャンブラー×ギャンブル! 製品紹介