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第2回ゲームデザイン討論会、2月7日

日本デジタルゲーム学会と遊戯史学会は2016年2月7日、東京・本駒込の東洋文庫ミュージアム(JR駒込駅徒歩8分)にて、第2回となるゲームデザイン討論会の公開ディスカッションを行う。13:30~17:30、参加費1500円、予約制で定員100名。
今年の3月に奥野かるた店で行われた討論会の2回目。テーマは「ゲームと歴史学との遭遇」で、ゲームにおいて歴史的事件やそのメカニズムがどう描かれてきたか(例えば三国志のゲームと古代中国や、『艦これ』と第二次世界大戦の比較)と、歴史学におけるゲームの有用性を議論する。
前準備として、ツイッターで今年6月と8月にこのテーマで意見交換が行われている。
togetter:ゲームデザイン討論会 第十二回「史実とゲームデザイン」
togetter:ゲームデザイン討論会 第十三回「不謹慎ゲーム」について
パネリストはシリアスゲーム研究者の池尻良平氏(東京大学情報学環)、歴史知学の石塚正英氏(東京電機大学理工学部)、ゲーミフィケーション研究者の岸本好弘氏(東京工科大学メディア学部)、AI研究者の三宅陽一郎氏、ドロッセルマイヤーズ代表の渡辺範明氏、ゲーム研究家の草場純氏。スペシャルゲストにゲームデザイナーの鈴木銀一郎氏。当サイトの管理人もコメンテーターとして参加する。司会は蔵原大氏。
参加申し込みは遊戯史学会のフォームから先着順。歴史をテーマにしたボードゲームのデザインや、逆にボードゲームの学術的な活用に興味のある方は参加してみてはいかが。
遊戯史学会:ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション2016.02.07

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コルセア~海賊~(Korsar)

安い商船に意地の張り合い
コルセア~海賊~
海賊で商船を奪い合うカードゲーム。R.クニツィアが1992年にアミーゴ社(ドイツ)発表し、第2回アラカルトカードゲーム賞を受賞したものを、今年グループSNEがイラストも新たにリメイクした。ミニマルな手番の流れから生み出されるジレンマは、複雑化する現代では却って新鮮に感じる。
手番にやることは商船・海賊船のカードを1枚引くか1枚出すかのどちらかだけ。商船は自分の前に出し、海賊船はほかのプレイヤーの商船につける(海賊船を誰が出したかは、カードを置いた角度で見分ける)。商船は、1周の間に海賊船に襲われなければ得点、海賊船は、それを上回る強さの海賊船がほかに出されなければ商船を奪える。
ポイントは先に出された海賊船の色と違う色を出さなければいけないこと。商船には価値(コイン)の違いがあり、高い商船はみんなに狙われるため、どの色の海賊船で襲うかの選択が大事だ。
ほかのプレイヤーがより強い海賊船を出した場合、カードを足して挽回ができる。各色の最強カード「船長」と1枚しかないオールマイティーカード「提督」は一気に片を付けられるカード。しかしあまり価値の高くない商船なのに意地の張り合いになることも。先に出した海賊を無駄にしたくないという「損失回避性」の心理だ。
しかしその間に、もっと価値の高い商船が出てくるのは悶絶もの。「うおー、こっちを捨てるしかないのか!」意地を張り合っているうちに美味しいところを持っていかれる漁夫の利も頻繁に起こる。危険を承知で商船カードを出港させるか、航海中の商船を海賊船カードで襲わせるか、将来のために手札を補充するか、プレイヤー同士の様々な思惑や利害が入り乱れて、奥深い駆け引きが展開する。
5人プレイで20分ほど。「提督」が早々と出てしまったので、商船を取れるかどうか読みやすくなったと思いきや、商船の出てくる順番で複雑な状況が生まれた。価値の高い商船を終盤まで取っておく人と、それを見越して少し前に出す人が現れ混戦模様に。ゲームが終わって蓋を開けてみるまでトップが分からないほどだった。短時間で細かな戦術が散りばめられたゲームを楽しめるのは素晴らしい。
Korsar
R.クニツィア/グループSNE(2015年)
2~6、8人用/10歳以上/20分