フヴァチルの『コードネーム』日本語版、2月中旬発売
ホビージャパンは2月中旬、V.フヴァチルのコミュニケーションゲーム『コードネーム(Codenames)』日本語版を発売する。2~8人用、14歳以上、15分、3,000円(税別)。
『スルー・ジ・エイジズ』『ピクトマニア』『タシュ=カラール:伝説の闘技場』『ダンジョンロード』など、軽重問わず傑作を作り続けるチェコのボードゲームデザイナー、V.フヴァチルが今年のエッセン・シュピールで発表したパーティーゲーム。スパイマスターのヒントを手掛かりに、敵対組織より先に味方のエージェント全員と接触するという極秘任務を背負ってチームで戦う。
2つの敵対するスパイ組織がある。各組織のスパイマスターは、25人のエージェント全員の正体を知っている。一方、現場諜報員はエージェントたちのコードネームしか知らない。相手の組織よりも先に味方のエージェント全員とコンタクトを取ることがゲームの目的だ。
スパイマスターは、自分の組織のエージェントのコードネームに関するヒントとして、単語を1つだけいうことができる。1語で複数のコードネームのヒントを表現していこう。これを手掛かりに組織の部下たちは、敵のエージェントに接触することなく、味方のエージェントを探し出さなければならない。ただし、1人だけ紛れている「暗殺者」には絶対に触れてはならない。
登場するコードネームは全400種類。ヒントから正解の言葉をみつける、勝っても負けても楽しめるパーティゲームだ。
内容物
エージェントカード(2色)16枚、ダブルエージェントカード1枚、一般人カード7枚、
暗殺者カード1枚、キーカード40枚、ルールブック1部、カードスタンド1個、砂時計1個、
コードネームカード 200 枚(両面印刷) ほか
オロンゴ(Orongo)
道を切られてモアイ建たず
イースター島で資源を集め、モアイ像を建設するゲーム。R.クニツィアの作品で、競りあり、陣取りありの、ドイツゲームの王道的な作品である。ルール説明も、プレイ時間も短め。
ゲームの中心となるのは入札で、貝のコマを握って一斉に公開する。一番多く握った人は3つの地形を獲得、二番目は2つの地形を、三番目は1つの地形を獲得できる。そして貝を握らなかった人は、場にある貝がもらえる。一番多く握った人はその貝を全部支払わなければならず、場に貝がたまっていくので、どのタイミングで握らないという選択をするかが悩ましい。何人かが握らないと、場の貝を分けることになるので裏をかいていこう。
獲得した地形には自分の色のマーカーを置き、そこにある資源(石材、神殿、仮面、鳥、鳥の巣、食料)が手に入ったことを表す。決められた資源を揃え、それらの地形から海岸につなげれば、すぐにモアイが建立される。モアイの建立に使った地形には手持ちの貝を置かなければならないので、その分も残して入札額を考える必要がある。手持ちのモアイを全部建てた人の勝ち。
4人プレイで30分ほど。イースター島は広いようで狭く、各所で激しい陣取りが生まれる。内陸部で資源を確保しても海岸までのルートを絶たれてしまう。だからといって海岸から内陸に入ると資源が残っていないこともある。ほかのプレイヤーの動向を見て、入札額から考えていくところが面白い。それでいて使用できる地形は毎ラウンド、ランダムに決められるので運の要素があり、自分の陣地にほしい地形が出ると嬉しい。
ボード上に置いた貝のコマが転がりやすいのが玉に瑕だが、随所に悩みどころが満載で遊びごたえのある作品。ここまで洗練されたデザインは、特殊能力カードなどで理プレイアビリティーを高める今時のトレンドではないようだが、むしろこれくらいのミドルクラスがちょうどいいと感じる今日この頃である。
Orongo
R.クニツィア/ラベンスバーガー(2014年)
2~4人用/10歳以上/30~45分