『バイブルハンター トリニティ』2月21日発売。三部作が完結
株式会社キリスト新聞社は2月21日、ゲームマーケット2016神戸にて『バイブルハンター トリニティ』を発売する。デザイン・中村誠、グラフィックデザイン・TANSAN & Co.、イラスト・ましう・NORIKO、1~6人用、8歳以上、15分、2,300円(税別)。単体でも、既刊の『バイブルハンター』シリーズと組み合わせても遊ぶことができる。
2014年に発売された『バイブルハンター』『バイブルハンター アドベント』に続く第三作。プレイヤーは聖書に登場する多彩な人物を召喚し、失われた聖書を獲得する。今回の人物カードには「イスカリオテのユダ」「マグダラのマリア」など、エルサレム入城、最後の晩餐、イエスの処刑(受難)、復活というクライマックスに関わる最重要人物が登場。「イエス・キリスト(昇天)」がプロモーションカードとして同梱される。
聖書の中でも最も本質的で難解といわれる「三位一体(トリニティ)」。バイブルハンターはこの謎を解き明かすことができるだろうか?
同社の聖書コレクションシリーズは『バイブルハンター』『最後の晩餐~裏切り者は誰だ』『バイブルハンターアドベント』『ロストバイブル』『バイブルリーグ』に続いて6タイトル目となる。
リスボン、世界への扉(Lisboa)
資源がひとつ足りなくて
15世紀のポルトガル・リスボンを舞台に商人となってアフリカから産物を持ち帰り、レアルを集めるボードゲーム。輸入ゲームの日本語版のようなパッケージだが、国産ゲームである。ゲームマーケット2015秋でColon Arcから発売された。作者は「おっさんゲーム」(パッケージにおっさんが大きく描かれた渋いゲーム)で定評のあるたなやんこと田邉顕一氏。
毎ラウンド、西アフリカで商品の手配から始まる。港からつながるように船員チップを置いていき、それぞれのマスの資源(胡椒、塩、ワイン、タバコ、コーヒー)を確保する。西アフリカボードは自分の両脇と中央にある分は無料だが、遠くにあるボードに置くには船コマが必要となる。また、奥まで進めば金塊マスがあり、強力な効果をもった「支援カード」が手に入る。
各プレイヤーがほしい資源はお互い分かっているので、どれを優先して確保するかをよく考えなければならない。金塊マスを目指せば、その通り道に必要な資源があるとは限らず、必要な資源ばかり集めていれば金塊マスには後れを取る。ここがゲームのメイン部分といえるだろう。「あー、塩取られた!」
船員チップを置き終えたら、次に手に入れた商品をリスボンで販売するフェイズ。商品は王家に献上するか、マーケットを建てるのに使うか、リスボントラックを進めるのに使う。いずれもどの商品を支払うかがボードで指示されており、それがないと何もできない。
王家に献上すると影響力が上がる上に、船やマーケットコマなどのさまざまなボーナスがもらえる。この影響力は誰かが「5」まで上げると、影響力の大きい順にお金が払い出される。ゲーム終了時にももう一度もらえるので、バランスよく上げておいたほうがよい。
マーケットを建てるとどっさりお金が入り、リスボントラックを進めると船員チップなどのボーナスがもらえる。マーケットは自分のコマがあるエリアにしか建てられないので、マーケットを建てる場所がなくなったらどんどん先に進んでいかなければならない。そして先に進むほど、マーケットで手に入るお金は増える。
商品を販売し終わったら再び西アフリカへ資源を手に入れに行く。これを繰り返して、全ての王家でお金が払い出されたらゲーム終了。順位を見て、誰が終了トリガーを引くかもゲームを盛り上げる。王家の報酬、マーケットのエリア別最多賞、支援カードのボーナスを足して、所持金の最も多い人が勝ち。
4人プレイで60分。基本はリスボントラックを進めるように資源を集めていくが、私は序盤からマーケットを狙いに行った。その分リスボントラックをさぼってしまい、あちら立てればこちら立たずである。そのうち自分の貴族を好きなマスに移動できる「貴族からの支援」と、胡椒以外の資源を2つ無料で手に入れる「西アフリカからの支援」を組み合わせ、最後のマーケットを早々と建てた鴉さんがゲームを圧倒。王家への影響力を上げる「賄賂」で報酬を増やしたが叶わなかった。支援カードを早めに入手したほうが、何かと楽かもしれない。
地道でタクティカルな資源収集と、その資源を使って大きな効果を得る販売が交互に繰り返され、メリハリのある作品になっている。
Lisboa
田邉顕一/Colon Arc(2015年)
2~4人用/10歳以上/45~60分