神田川温泉(Bathtime)
小さな石鹸カタカタ鳴った
石鹸箱の中に入ったお金の金額を、振った音で当てるゲーム。ゲームマーケット2015秋に発表された。南こうせつのフォークソング『神田川』がモチーフになっていることに気づいた人はどれくらいいるだろうか。サブタイトルは「あなたはもう分かったかしら?」。
手札からカードを1枚選んで、そのカードに指示されたコインを石鹸箱に入れる。コインは本物の10円玉と5円玉。そしてコインを見えないようにして、石鹸箱を振る。カタカタカタ。これを聞いて、ほかのプレイヤーは何円が何枚入っているかを、チップで予想する。
全員が予想したら公開して、当たっていれば親からチップをもらい、外れていれば差分だけ親に支払う。当てるのはとても難しいが、外れても差分が大きくならないようにしたい。これを繰り返してチップの多い人が勝ち。
デザイナーの居椿さんを交えて4人プレイで10分ほど、居椿さんが堂々の1位。「どうやって聞き分けるんですか!」「5円玉のほうが音が軽いんですよ。」最初は分かるわけないと思っていたが、よく耳を澄ませると確かにそんな気もする。ポイントは、石鹸箱の下にいくつか空いている穴を、手で塞いだり半分開けたりして、音をカモフラージュすることだという。「なるほど(笑)!」
神田川温泉
居椿義久/サイ企画(2015年)
2~5人用/7歳以上/15分
K.トイバーの名作『さまよえるオランダ人』日本語版が3月発売
ニューゲームズオーダーは3月、海賊船に気をつけて商売を成功させるボードゲーム『さまよえるオランダ人(Der Fliegende Holländer)』日本語版を発売する。デザイン・K.トイバー、アートワーク・ママダユースケ、3~6人用、12歳以上、60分、4,500円(税別)。
オリジナルは1992年、ドイツ・パーカー社から発売され、ドイツゲーム賞の1位に輝いた作品。作者は『カタン』のトイバーで、発表は『カタン』の3年前に遡る。これまでドイツ語版以外が制作されてこなかった知る人ぞ知る作品だ。
プレイヤーは交易商となり、各自、自分が株券を持っている色の船が商売で成功することを目指す。海には「さまよえるオランダ人」と呼ばれる不幸を呼ぶ幽霊船が徘徊しており、ダイスを振って出た「ラッキーナンバー」に一番近い数を蹄鉄チップで出したプレイヤーが動かせる。海賊船が島に着くと株券に応じて配当がもらえるが、船のマスではその色の株券が暴落し、罰金を支払わなくてはならない。
ラッキーナンバーが複数いたときに起こる交渉、手持ちの株券をカモフラージュするブラフ、そして幽霊船が移動するたびに起こる悲鳴と、24年の月日を経てなお色褪せないゲーム。『枯山水』『曼荼羅』とオリジナルゲームで手応えを掴んできたニューゲームズオーダーは今回、5000部の製作で価格を抑え、国内でのボードゲーム受容を試す。
・B2FGames:クラウス・トイバー作「さまよえるオランダ人」を3月に発売します。
・play:game評価コメントリスト:さまよえるオランダ人