ビンジョー×コウジョー(Piggyback x Factory)
便乗してどんどん生産
工場の生産ラインを作って、さまざまな製品を作るボードゲーム。すまいる120円工房の『ススムカ×モドルカ』に続く第2作目で、ゲームマーケット2016神戸で発表された。タイトルにもなっている便乗のルールが面白いインタラクションを生み出している。カードテキストがなく、練り込まれたシステムだけでこれだけの展開を生み出しているのがすごい。
自分の工場には製造ラインが3本ある。ここに「熱する」「切る」「固める」「混ぜる」「組み立てる」という5種類の工程タイルを配置して、生産体制を整えよう。
工程タイルには「手作業」と「工場」がある。「手作業」は無料で配置でき、すぐに使えるものの生産するとなくなってしまう。「工場」は有料だが、生産してもなくならない。値段の高い「工場」ほど、短期で生産できる。序盤はこの2つをほどよくミックスして、簡単な製品が作れるようにすることを目指す。
手番の最初には、各製造ラインの工程タイルにあるコマを1マスづつ進める。これは時間が経って、その工程が進んだことを表す。次の生産では、工程が終わった(コマが進んだ)ところまでしか製造できない。無駄な製造ラインを作らないように効率よく回そう。
次に生産。市場から注文が出てくるので、その製品に対応する製造ラインを使って生産する。例えばプラスチックだったら、「熱する」と「固める」の工程が必要。この両方の工程が終わっている製造ラインから、コマを戻して製造する。製造すると収入が入る。
このとき、ほかのプレイヤーも「ビンジョー」できる。「ビンジョー」は収入が下がるが、1つ少ない工程(プラスチックだったら「熱する」か「固める」のどちらか)でできるため生産しやすい。ゲームは、どれくらい「ビンジョー」できるかが勝敗を分ける。ほかのプレイヤーの製造ラインをよく見て「ビンジョー」しやすいようにしておくことも大事だ。
それから、製造した収入を使って新たな設備投資か、投資を行う。設備投資では「工場」タイルを購入して、自分の製造ラインに追加。投資ではその金額だけ投資コマを進める。ゲームは先に60マネー以上したプレイヤーが勝つので、前半でどこまで設備投資して、どこから投資に切り替えるかの判断も重要だ。
4人プレイで60分。手作業を多めで回して小金を稼ぎ、できるだけ高い工場をタイルを各製造ラインに分散させて小回り重視。工程の多い製品は作れないが、「ビンジョー」がどんどんできるので回転がよい。ほかの人が大きな工場を目指すのに手間取っている間に投資に切り替え、先行逃げ切りで勝利。でもみんながこの戦術にすると工程の多いラインも必要になってきそうで、各プレイヤーの出方によって戦術が変わるのが面白い。
ほかの人が何を作ろうとしているのか、それに「ビンジョー」するにはどれが一番早いか。「ビンジョー」して安い収入を選ぶか、製造ラインをもっと進めて高い製品を作るか。プレイヤーの狙いが絡みあってインタラクションを生み出す。たった4ページのルールでここまでの展開になるとは思っていなかった。
ビンジョー×コウジョー
すまいる120円/すまいる120円工房(2016年)
3~4人/9歳以上/40~60分
新ワイルドカードを追加して『ウノ』リニューアル
マテル・インターナショナルは3月中旬から、発売以来初めてカードを追加した『ウノ カードゲーム』を発売する。2~10人用、7歳以上、980円(税別)。
『ウノ(UNO)』は1971年に、米オハイオ州にある理髪店のマール・ロビンス氏が考案し、世界中で知らない人のいないカードゲーム。発売45周年を迎え、新たなカードを追加した。
リニューアル版では従来のカードに4枚の新しいワイルドカードを追加。指定した相手と手札を全交換する「とりかえっこワイルド」1枚、自分で考えたルールを鉛筆で書き込める「白いワイルドカード」3枚が入っている。ツイッターでは早速、いろいろなルールが考案されている。
リニューアル記念として、人気ユーチューバーのHikakin(ヒカキン)氏、Masuo(マスオ)氏、水溜りボンドが新版を体験する動画も本日19時から配信されている。
・UNO|ウノカードゲーム