ボードゲーム十大ニュース2017
今年もあと1週間となったところで、今年の主なニュースをまとめた。記事のアクセス数・ブックマーク数などをもとにリストアップしてランキング。
1.ゲームマーケット、初の2日開催(URL )
国内最大のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」が2017秋から初めて、2日開催になった。結果、出展した730団体のうち、両日とも出展したのが42%、土曜のみが33%、日曜のみが25%。参加者は1日目は10000人、2日目は8500人と、2日目が少ないもののその分試遊ブースでゆっくり遊ぶ姿が多く見られた。土日のバランスについてゲームマーケット総責任者の刈谷圭司氏は「想像以上に理想的で、嬉しい誤算だった」と話した。
2.ボードゲームカフェ急増(URL )
今年新規オープンしたボードゲームカフェ・バー・プレイスペースは51軒と昨年の26軒から倍増。東京都内、大阪府内だけでなく、北海道から沖縄まで地方都市でも開店したのが今年の特徴で、全国的な広まりを感じさせた。その一方で、回転率の悪さや来客の伸び悩みから閉店を余儀なくされるところも出てきており、持続可能かどうかが今後の課題となりそうだ。
3.ドイツ年間エキスパートゲーム大賞に脱出ゲーム(URL )
経験者向けにおすすめのボードゲームを選出するドイツ年間エキスパートゲーム大賞に『脱出:ザ・ゲーム』シリーズ3作品が選ばれた。審査委員会は「これらの作品は、脱出ゲームファンと、それを目指す人たちにとってマストアイテムである」とコメント。謎解き・脱出ボードゲームはほかに『アンロック!』が日本語版で発売され、新しい愛好者を開拓している。
4.『インサイダー・ゲーム』、無許可コピー(URL )
ベジエゲームズ(アメリカ)が、オインクゲームズの『インサイダー・ゲーム』に類似した『ワーワード(Werword)』を発売した。オインクゲームズが事前にライセンスの申し出を断っていたことから、無許可で内容改変したものと見られる。オインクゲームズは「このような出版が相次げば、心を込めてゲームを作っているゲームデザイナーが、それをコピーする人たちに取って代わられてしまう」と懸念を表明し、他国の出版社からも批判が寄せられた。
5.マクドナルド・ハッピーセットにボードゲーム(URL )
全国のマクドナルドで11月、ハッピーセットにオリジナルパーティーゲームが付属した。付属したのはマクドナルドの新人クルーとなってスマイルをゲットしてゴールを目指す『クルー人生ゲーム』、ドナルドやハンバーグラーなどのキャラクターが描かれた『UNOマクドナルド』、スピナーで指示されたところに指を置いて絡まっていく『フィンガーツイスター』、ドナルドが飛び出す『ドナルド危機一発』、ドナルドデザインの『マクドナルドトランプ』、ドナルドたちがスポーツや音楽などを楽しむ『マクドナルドモノポリー』。ドイツのマクドナルドでは一昨年に付属したことがある。
6.『今夜はナゾトレ』に『ナインタイル』(URL )
8月にフジテレビ系列で放送されたクイズ番組『今夜はナゾトレ』で出演した松丸亮吾氏が『ナインタイル』を紹介した。出版元のオインクゲームズによると、この影響でアマゾンの在庫約400個が一瞬でなくなったという。『ナインタイル』は12月にもフジテレビ系列の情報番組「とくダネ!」で取り上げられ、ボードゲーム愛好者以外に広がりを見せている。
7.第1回イノシュピールに『マジックメイズ』(URL )
エッセン市(ドイツ)はエッセン・シュピールの主催であるフリードヘルム・メルツ社と共同で今年から、革新的なボードゲームを表彰する新しいゲーム賞「イノシュピール(innoSPIEL)」を制定した。プレイ時間が短めでルールが革新的な3タイトルがノミネートされ、『マジックメイズ』が受賞した。
8.プランBゲームズ設立(URL )
F2ZエンターテインメントのCEOだったS.グラーヴェル氏が同社のアスモデグループ合併後、今年1月にスタッフを引き連れてプランBゲームズを設立した。夏にはエッガートシュピーレ(ドイツ)を買収し、『センチュリー:スパイスロード』『アズール』を発表するなど、世界を席巻しつつあるアスモデグループの対抗勢力として存在感を強めている。
9.エラッタ・オン・パレード
今年も年間で約100タイトルの日本語版が発売されたが、日本語ルールの誤訳が相次いで発覚し、チェック体制が厳しく問われた。その背景には慢性的な人手不足や、タイトな出版スケジュールがあるものの、批判を受けてエラッタが迅速に発表されるようになってきている。
10.ハコオンナ舞台化(URL )
国産ホラーボードゲーム『ハコオンナ』(EJIN研究所)が5000部以上のセールスという創作ゲームとしては異例のヒットとなり、これを承けて8月、築地本願寺ブディストホールにて舞台版が上演された。映画版も制作も決定しており、メディアミックスが進行している。
過去の十大ニュース:2010年|2011年|2012年|2013年|2014年|2015年|2016年
小春日和の森林散策ゲーム『インディアンサマー』日本語版、1月下旬発売
ホビージャパンは1月下旬、『インディアンサマー(Indian Summer)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・U.ローゼンベルク、イラスト・A.ベークホフ、1~4人用、10歳以上、プレイヤー人数×15分、5500円(税別)。
ベルリンのボードゲームカフェ「シュピールヴィーゼ」から昨年発表された『コテージガーデン』が好評だったことから、「パズルゲーム三部作の第2弾」と銘打って今秋発表された作品。ローゼンベルクが『パッチワーク』(2014年)、『オーディンの祝祭』(2016年)と取り組んできたパズルタイルを組み合わせるボードゲームの系統作品だ。タイトルは日本語で小春日和という意味で、温かい秋の日を指す。森を散策して、小さな宝物を見つけよう。
プレイヤーは6つのエリアに分かれた自分の林床ボードに、さまざまなかたちの木の葉タイルを配置して埋めていく。木の葉タイルには穴が空いており、林床に配置するとその穴から宝物(木の実・キノコ・ベリー・羽根)が見えるようになっている。自分の林床を隙間なく覆い、かつ穴から宝物が見えるようにするにはパズル思考が求められる。
エリアを1つ埋めるたびにそのエリアの宝物を獲得し、宝物の効果で林床をより早く覆えるようになる。またさらに、穴のかたちを合わせて動物タイルを配置することで、さらに宝物が手に入るという二重のパズルになっている。使用するタイルは中央のストックから自分のストックに補充し、キノコを使うことでほかのプレイヤーのストックを使うこともできるため、ほしいタイルをめぐる先取りのインタラクションも楽しめる。
箱のサイズが『コテージガーデン』より大きくなった人気ゲームデザイナー・ローゼンベルクの注目の新作。1人プレイ用ルールも付属する。
内容物:両面印刷のボードゲームパーツ2枚、両面印刷でいろいろなパターンの林床ボード6枚、木の葉タイル75枚、動物タイル20枚、リスチップ32枚、宝物チップ80枚、リュックサック(サマリー)4枚、組み立て式のブルーベリーの茂みコマ1つ、ハイキングシューズタイル1枚、ルールブック1冊