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日本ボードゲーム大賞2018に『コードネーム・デュエット』『テラフォーミング・マーズ』

NPO法人世界のボードゲームを広める会「ゆうもあ」は9日、日本ボードゲーム大賞2018を発表した。選考部門(ゆうもあ賞)には『コードネーム・デュエット』、投票部門には『テラフォーミング・マーズ』が選ばれた。
今年で17回目を迎える日本ボードゲーム大賞。昨年1年間に日本国内で新発売された国産・日本語版・輸入・同人ゲーム345タイトルの中から大賞を選んだ。
投票部門は昨年12月から今年2月まで、約2ヶ月にわたってネットなどで行われ、39都道府県から224名(昨年比+21名)が参加した。各自ベスト5まで記入できる方式で、1位5点、2位4点、3位3点・・・として集計した結果、『テラフォーミングマーズ』が1位となった。火星の開拓をテーマにした2時間クラスのボードゲームで、一昨年のドイツゲーム賞を受賞し、アークライトから日本語版が発売されている。
2位には僅差で『アズール』。3位以下の順位は下記の通り。例年海外ゲームが独占するが、今年は5位の『ヒト+イロ』をはじめ、10位以内に国産ゲームが5タイトルも入った。同人ゲームカテゴリーでは『アルペンツィアン』が最高得点。
選考部門(ゆうもあ賞)は、ゲームをあまり遊ばない家族向けにゆうもあがお薦めする作品。大賞に選ばれた『コードネーム・デュエット』は、ヒントを出しあってお目当てのカードを当てる2人用協力ゲーム。多人数でも遊べるところが評価されたという。ノミネートには『雲の上のユニコーン・デラックス』と『ヒト+イロ』が選ばれている。
【日本ボードゲーム大賞2019】
選考部門
ゆうもあ賞:コードネーム:デュエット(Codenames: Duet)
ノミネート:雲の上のユニコーン・デラックス(Einhorn Glitzerglück : Eine Party für Rosalie)
ノミネート:ヒト+イロ
投票部門
大賞:テラフォーミング・マーズ(Terraforming Mars)238点 (得票率:26.14%)
2位:アズール(Azul)235点 (得票率:26.56%)
3位:サイズ – 大鎌戦役 -(Scythe)179点 (得票率:19.09%)
4位:クアックサルバー(Die Quacksalber von Quedlinburg)139点
5位:ヒト+イロ 97点
6位:テラミスティカ:ガイアプロジェクト(Gaia Project)82点
7位:タイムボム 77点
8位:東京サイドキック 76点
9位:ワードスナイパー 74点
10位:シャドウレイダーズ 61点
NPOゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2018 ゆうもあ賞 決定 link
NPOゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2018 投票部門 発表! link

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ゲームマーケット2019大阪レポート

雨模様の寒空となった3月10日(日)、インテックス大阪にて「ゲームマーケット2019大阪」が開催された。関西での開催は2012年に始まって8回目。規模は毎回増加の一途をたどっており、6729㎡の会場に395ブースが出展し、6900人(公式発表)が参加した。
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会場面積は前回より3割広くなったが、それでも人気ブースの前では行列や渋滞が発生した
本日の大阪の日中の気温は約14℃。インテックス大阪は、ホール部分以外が屋外であるため、外気が絶えず流れ込み、会場内も冷え込んだ。限定販売のボードゲームを求めて開場の2時間前から並んでいた人はなおさらのことだろう。しかし開場すると、行列していた人がなだれこみ、温度が1~2℃上がったような気がする。
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今年もミープルのコスプレが登場
『ブロックス』や『ウノ』シリーズを全国的に展開するマテル社が、ゲームマーケットに出展するのは、実は東京・大阪を含めて初めてである。マス・マーケットをメインターゲットとしている会社がゲームマーケットに参入し始めたことは、それだけゲームマーケットが成長した証拠といえるだろう。昨年、担当者が東京での開催を見て出展を決めたという。お客さんの反応もよく、売れ行きは好調。
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マテル社のブース
多くのファンから注目されている「機動戦士ガンダム」の協力ボードゲームは今月末の発売を前に、サンプルが展示されていた。規模が大きくなれば、従来難しかった版権ものも可能になる。
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ガンダムの協力ゲーム
まさかゲームマーケットで、海外ゲームの試作品が遊べる日が来ようとは。まだキックスターターのプロジェクトも始まっていない『グレンモア2』の試作品をEngamesが出展。説明付きで試遊できるようになっていた。発売元と共同出版というかたちで、今秋に日本語版が発売されるという。
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『グレンモア2』プロトタイプ
今回の大阪は、国産オリジナルボードゲームだけで約130タイトルの新作が発表された。このほかに、海外ボードゲーム、TRPG、TCG、謎解きゲームブック、伝統ゲーム、パズルなどを含めれば展示されたボードゲームはゆうに200タイトルを超える。
『Pentaland』は京都大学の学生団体Neugierによるミドルクラスのボードゲーム。五角形のアクションスペースから1つを選び、そこにいる労働者を取ってアクションを行う。資源を集め、建物を建てるが、労働者や資源を置ける場所が限られているのでマネージメントが必要。建物の効果はそういったマネージメントを楽にするものもあるが、得点が高い代わりにプレイヤーに制限を設けるものもある。
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五角形だから『Pentaland』
『Kobe』(luck movies)は、さまざまな貿易品を船に積み込んで売り、利益を上げるカードゲーム。1種類だけにうまく絞り込めれば利益が高いので、手札を調整したり、ほかのプレイヤーから購入したりして種類を増やさないようにする。ほかのプレイヤーから購入できるルールによって駆け引きが生まれる。
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美しいイラストで言語依存がない『Kobe』
『富士山地下99階』(sangenya)は、袋からキューブを引いてコマを進めるレースゲーム。引いたキューブの色によって、カードの特殊能力を使ったり、バーストしたりする。ストーリーブックが付いており、優勝すると、なぜ富士山の地下を目指しているのかというバックストーリーを自分だけ読むことができる(いくつか用意されている)。
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奇抜な設定の謎が気になる『富士山地下99階』
『カラフルピラミッド』(こっち屋)は、ピラミッドの石をタップして新しい石を手に入れ、色や数が合うように積み重ねていくカード配置ゲーム。困ったときは神様の特殊能力を使うこともできる。
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直下の2枚と色や数が共通するように置く
『がんめんマン』は、毎回エリア出展をしているオインクゲームズの新作。カードで指示されたシチュエーションを、福笑いの要領でパーツを並べてみんなに当ててもらう。
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少ないパーツで驚くべき表現力
『TAGPLAN』は週間カレンダーと付箋のセットで、子供のいる家庭での宿題やお手伝いを得点化するという子育てツールだ。
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今回、地元関西のボードゲームカフェ9店舗が、ゲームマーケット直前に「ボードゲームセレクション」を発表した。これは事前にエントリーした新作を各店舗で遊んだ上でおすすめを決めたもの。大賞の『狩猟の時代』ほか、受賞作が会場内でトロフィーやチラシと共に頒布されていた。ぜひ来年も開催してほしい。
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最後に注目のアクセサリー類。「TRPGやボドゲで使えそうな駒」(末吉工房)が『アグリコラ』のセッティングで展示されていた。
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「どこかで使えるTAGシリーズ」(TUCGAME)はウッドバーニング製。ボードゲームにありがちなシチュエーションばかりだ。
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次回は「ゲームマーケット2019春」が5月25~26日(土日)、「ゲームマーケット2019秋」が11月23~24日(土日)。来年の関西での開催日は未定となっている。